プータロウ日記
 
先日、都合により退職した。平成不況のまっただ中で無職となった。全国で300万人の人が失業中だそうだ。
それはともかく、昼間からブラブラしているとイロイロなことがおきるもんだ。ここにお気楽プータロウ日記を記す。
 
○月○日(あめ)
今日は火曜日。散髪に行く。2ヶ月ぶりか。だいたい2,3ヶ月おきに散髪する。いつも同じ店なのだが、隣の美容室と同じ経営者らしく、内装もきれいで「理髪店」というイメージじゃない。ちょっとおしゃれなのところなのだ。
店内に入る。あ、この人店長だったかな。ぼんやり覚えている。
「いらっしゃい、sgunさん(本名)。会員カードをどうぞ。」ぎゃー。な、なんで名前を覚えてるわけ?あんたとしゃべるのは初めてだよ。名前を呼ばれてうろたえてしまった。
「sgunさん(本名)、仕事はお休みですか?」ええ、と答える(無職のくせに)。ん?気になるな。商店街への行き帰りにこの店の前をよく通る。その時レジで外を眺めてる店長を見かけることがある。ヤツは僕の顔と名前が一致してるわけだ。「ああ、sgunが歩いてるよ。髪がのびてるな。あいつよく見かけるな。平日でも。仕事してんのか?プータロウかな。近いうち髪を切りに来るだろう。その時、聞いてみるか。」などとつぶやく店長が頭に浮かぶ。
「sgunさん(本名)、sgunさん(本名)、おまたせしました。」もう、いいって。何回も名前呼ぶなって。
 
○月○日(くもり)
昼過ぎ、買い物に行く。平日だがスーパーへ行ってみる。コンビニより安いし、スーパーのほうがなにかとそろっているから(あたりまえか)。店内をぐるっとひとまわりする。さすがに主婦が多いなあ。私は怪しく見えているのだろうか?いやいや、そんなはずはない。考えてもみたまえ。たまたま今日が休みとか、夜勤明けとか、そういう男性もたくさんいるはずだ。状況設定はいくらでも思いつく。まあ、気にするほどでもなかろう。精算のためレジへ。しかしコレがビックリ、レジが大混雑。若奥さん風がズラーと並んでる。女性ばっかり。「うう」と少しひるんでしまった。いつも平日が休みの男性は昼過ぎのスーパーの状況を知っていて、こんな時間に買い物にはこないようだ。にわか失業者ゆえの失敗。なんとなく恥ずかしい思いをしてならぶ。遠くのレジに菓子パン1個を握りしめて並んでいるオヤジがいた。菓子パン一個に並んで、たいへんですね・・・。同類相哀れむ、か。
 
○月○日(はれ)
梅雨の中休みで、朝からいい天気。ここ一週間ほど雨と曇りが続き、湿度が高かった。布団を干す。用事で昼過ぎに外出する。強い日差しが照りつける。布団を干して正解だったなあ。まあ今日はどこの家も布団をほすだろうなあ。ふとマンションを見上げる。あらー、どの部屋も布団を干してなーい。駅への道沿いの高層マンションでも布団を干してなーい。どういうことなのか。マンションの各部屋には専業主婦や老人たちがいるはずである。そして私同様、失業者たちもいるはずである。労働者の20人に一人は失業者だから、マンションなら20部屋に1部屋の割合で失業者がいるんじゃないのか?なにやってるんだ?寝てるのか?まあ、寝てるんなら布団は使用中。干せなくて当たり前か。
夕方、私の布団をたたく音が近所中に響いた。他の家から音は無かった。不思議だ。
 

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