人類滅亡の序曲/小惑星衝突

 
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小惑星衝突
 

挿し絵 
小惑星が地球に激突するという話はかなりポピュラーなものでしょう。これをテーマにした映画がたくさんあります。やはり多くの人の興味をひく設定なのでしょう。ストーリーは巨大隕石を人類が協力しあって粉砕するが、その破片が落ちてきてしまうというものが多いです。落下してくる隕石の破片によって次々に世界の大都市が破壊されて行く様子を見せていく展開。ですから映画では巨大隕石がそのまま落下してくることはありません。そのまま落ちたら、一瞬で人類滅亡となりストーリーが続けられません。
 
大きさが10KMを越えるような隕石が地球に衝突する確率は、1億年に1回程度といわれています。まあ私たちが生きている間にぶつかることは無いでしょう。衝突の前に人類は別の要因で滅びている可能性の方が大きそうです。しかし衝突が恐竜絶滅の引き金になったとする説もあり、衝突の影響を考えておくのもいいかなと思います。 

 

  

衝突は必ずおこる
 
挿し絵(衝突)小惑星の激突は単なるオハナシではなく、実際に必ず起こると考えられています。それは太陽系の形成の歴史と関係があります。太陽系は46億年前に形成されました。宇宙のチリが集まって出来た微惑星が、衝突を繰り返し大きくなり現在の惑星になったのです。
 
 
この時期に多くの微惑星は衝突合体したのですが、いまだに太陽系をさまよっているものがあります。これらをNEO(地球近傍小天体)とよびます。これらの微惑星が地球と衝突する可能性があるのです。
 
 
地球に降り注ぐ直径10Mクラスの小天体は1.5ヶ月に1個の割合といいます。このクラスの大きさだと大気圏で破裂し燃え尽きてしまいます。それでも原爆の数発分に相当するエネルギーを持っているので、大気圏がなければクレーターだらけになってしまうことでしょう。
 
 
 
大気圏を突破した隕石の事例
 
しかしもう少し大きなものは大気圏の壁をやぶって地上に落下してきます。1908年シベリアのツングースカ上空で爆発した隕石は直径100Mと推定されています。直径50KM(2600平方KM)にわたって森林がなぎ倒されたといいます。東京を中心とするなら東西は船橋から立川,南北は川崎から浦和ぐらいでしょうか。大阪を中心とするなら東西は奈良から神戸,南北は能勢から富田林ぐらいかな。爆音は韓国まで届くでしょう。
 
 
さらに大きいものは破滅的な被害をもたらします。6500万年前に中米ユカタン半島に落下した隕石は直径10KMと考えられています。このクラスは別格で、誰も止めることは出来ない。頼みの大気圏は対流層と呼ばれる濃い部分で厚さ10KM,落下地点の海は水深0.1KMということで,まったく隕石を減速することはできません。
挿し絵
衝突の瞬間,地殻(厚さ30KM)は完全に突き破られ,吹き上がった土砂は成層圏(高度40KM)辺りまで達したといいます。この時の衝撃はM10を越え,衝撃波は地殻をつたわり衝突点の反対側(インド周辺)で大規模な地殻変動を引き起こしたと考えられています。
 
 
また波高が数KMの津波が発生し、衝突点の反対側でも150Mほどあっただろうといわれています。クレーターは直径200KMにおよび、人工衛星によって確認されるまで大きすぎて判らなかったほどです。現在このクレーターはチチュブクレーターとよばれています。
 
 
被害はこれにとどまらず,上空に舞い上がったチリが日光を遮り,気温はマイナス30度にまで下がります。寒冷化は衝突の際発生した二酸化炭素による温室効果により和らいでいったと考えられますが,日光が届かない暗闇状態は10年続き,その後も温暖化,酸性雨,オゾン層破壊などが追い打ちをかけたであろうと考えられています。まず植物が壊滅状態となり、食物連鎖もへったくれもなくなってしまいました。恐竜絶滅の原因とする説もあります。
 
この衝突の影響で生物種の80%が死滅したと考えられています。 
 
 
これほど大きな隕石の衝突は滅多にあるものではありません。ツングースカクラス(直径100M)だと1000年に1回。直径1KMだと100万年に1回。チチュブクラス(直径10KM)で1億年に1回。統計的にはこういう確率だそうです。しかし安心はできないのです。この統計はかなりの誤差があるという話で,さらに確率だからこそ近い将来大きな隕石が落下してきても不思議はないのです。
 

滅亡への道
 
直径10KMの隕石が落下してきた場合,どう考えても人類滅亡ですな。あまり意味はないですが、いろいろ考えてみましょう。
 
 
 
挿し絵(隕石)日本を直撃した場合
 
これはむしろ幸運かもしれない。日本列島の真ん中に落ちたとすると,直径100KMエリアは瞬時に蒸発します。地下のシェルターにいても,地面自体が深さ30KMにわたって無くなるわけで意味無いです。なにかを考える余裕はないでしょう。
 
次の瞬間クレーターは直径200KMに拡大,衝撃波と津波で残りの地区も壊滅するでしょう。日本があったこともわからなくなるでしょうね。
 
 
 
日本の裏側へ落下した場合
 
日本のちょうど反対側、南米アルゼンチン沖に落下した場合でも,津波の被害は免れない。150Mクラスの津波。これがよく想像できない。海岸から山のような水のカタマリが落ちてくるという感じなのか?目の前に150Mの壁が現れ,倒れてくるという感じなのか?どちらにしても全国の沿岸だけでなく、かなり内陸にも大きな被害をもたらすでしょう。港や船、都市、交通機関、工業地帯などは絶望的な状況になっていることでしょう。被害を免れるのは山間部ぐらいでしょう。
 
しかし衝突の振動が地面を伝わり、衝突点の反対側に当たる日本に集まってくる。このせいで大規模なひずみが発生し、地殻変動を誘発する。一斉に火山が噴火したり,大地震が頻発したりするでしょう。山間部とて無事では済まない。下手すると日本沈没もあるかもね。

 
落下時の被害を免れた場合
 
直撃も受けず、南米にも落下しなかった場合で、おもいがけず津波の被害も小さかった場合でも、かなりの混乱は避けられないでしょう。
 
会社にも学校にも誰も行かなくなるでしょう。交通機関も復旧しないまま、見捨てられます。コンビニは略奪の舞台に。TVの放送が断続的になり、新聞もこなくなります。電気やガスの供給もストップ。経済は破綻し、お金も紙切れになり、そのうち政府も自然消滅。町の実力者が独立国を作ろうとしたり、私設軍が横行したりして混乱に拍車をかけるでしょう。
 
 
そのうち寒冷化がはじまります。エネルギー供給がストップする中、日本でマイナス30度を最低2週間乗り切れる人がどれくらいいるのでしょうか。衝突が冬なら買置きの灯油と厚着で何とか乗り切れるかもしれませんがムズカシそうです。
 
 
寒さはのりきれたとしても、光合成不可能なほどの暗闇の世界が待っています。細菌の繁殖や病気の流行があるでしょう。食料生産もできなくなります。各地で食料の奪い合いが発生するでしょうが、10年食料を確保し続けることができるかは問題です。
 
 
さらに10年間勝ち抜いて、上空のモヤがはれても安心できません。温室効果はさらにひどくなる上、酸性雨が降り注ぐでしょう。この10年間、産業活動による二酸化炭素排出は無かったとはいえ、衝突で発生する二酸化炭素の量は現在の空気中の含有量の3倍です。植物が壊滅状態の今、気長に海が吸収してくれるのを待つしかありません。こういう環境下では作物栽培もできず、子孫を養っていくのは難しいでしょう。
 
 
かくして人類は滅亡する。
 
楽観的な現状
 
直径10KMもの小惑星の衝突は、滅亡シナリオとしては全面核戦争以上の王様クラスと言えるかもしれません。実際に衝突がおこれば確実に人類は滅亡するでしょう。
 
 
小惑星の監視や調査をとおして小惑星衝突に対処しようとしている組織もあります。ローマに本部を置く「国際スペースガード財団」や「日本スペースガード協会」などです。もし衝突の可能性がある小惑星が発見されたら、こういう団体から警告が発せられることでしょう。
 
 
もし小惑星が衝突すると判った場合、回避する手だてはあるのでしょうか?映画では軍隊(米軍)が核ミサイルやレーザー兵器を使って、粉砕したり軌道を変えたりしますが、可能なのかな?たぶん軍関係者は考慮してないでしょう。衝突の確率が低すぎて、そんなもんに金はかけられないから。
 
  
現在も軌道の確定していない小惑星が太陽系を飛び回っており、発見すらされていないモノも多く存在すると推測されています。これらが地球に落ちてこないことを願っています。なーんて心配するのも考えモノです。元々落ちてくる確率は低いですから・・・。でも落ちてくるときは誰か教えて下さい。

 

  

地球にぶつかる小惑星たち
 
1998年3月11日に国際天文連合から小惑星「1997XF11」の接近について発表がありました。この小惑星が2028年10月26日に地球から約46000KMまで接近するというものでした。これは人工衛星などの高度と同じぐらいで、コースの誤差は300000KMあるということですので最悪の場合、地球への衝突の可能性もあります。また小惑星の直径は1〜2KMあり、実際に衝突すれば大きな被害をもたらすことになります。
 
しかし翌日国際天文連合から再び発表があり、追加調査によって小惑星「1997XF11」は960000KMまでしか接近しないそうです。この小惑星の過去のデータを探し出して再計算した結果だそうです。この距離なら誤差を含めても地球への衝突は無いようです。
この件に関する詳細は「日本スペースガード協会」のページで見ることが出来ます。
 
 
2002年9月25日にロシアのシベリア地方イルクーツク州に、直径数10mクラスの隕石の落下がありました。約100平方kmの樹木が焼けこげるなどしました。単純に10Km四方の範囲が焼け野原ですから、都市に落ちれば大被害ですね。落下はレーダーで判ってたらしいですが、現地確認されたのが2003年6月。森が深くて確認が遅れたらしい・・・。実害がなかったせいでニュースとしての扱いが小さいですが、もっと話題になってもいいような気がします。
 
2003年6月16日夜に隕石が関東地方上空を通過しました。茨城県から千葉県にかけて青白く光りながら移動し、各地の測候所の地震計に衝撃波が記録されました。このクラスの隕石は日本全体で年に1回ぐらい落下しているそうです。
この件に関する詳細は「国立天文台」のページで見ることが出来ます。

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