人類滅亡の序曲/オゾン層破壊

 
<TOPページに戻る 

オゾン層破壊
 

挿し絵 
オゾン層破壊は多くの方がすでにご存じの話題でしょう。この話題は沢山報道されたのでなじみがあると思います。南極のオゾンホールが観測されたというニュースを今でもテレビでよく見かけます。
 
原因物質のフロンは規制スケジュールの前倒しで、1996年に全廃され生産は行われていません。
 
しかし地上で排出されたフロンがオゾン層に到達するのに20年ー30年かかるといいます。これはオゾン層に達していないフロンが2000万トンぐらい大気中に存在している計算になるそうです。オゾン層破壊はまだまだ続きそうです。
 
で、オゾン層破壊が進行した場合の影響をまとめてみました。実際にはこれ以上オゾン層は破壊は進行しないとされています。このページに書かれている事態以上のコトは起こらないでしょう。ただある程度の影響はでるかもしれません。予想以上の影響が出ないという保証もありませんが。

  

オゾン層破壊の仕組み
 
オゾン層破壊物質:モントリオール議定書でオゾン層を破壊する物質として削減することになったのは特定フロン、代替フロン(HCFC)、特定ハロン、代替ハロン、メチルクロロホルム、四塩化炭素、臭化メチルなどです。
 
その代表格のフロンは自然界には存在せず、1928年に人間によって開発されたものです。無害、無毒、安定した理想的物質で工業分野で広く需要がありました。冷蔵庫やエアコンの冷媒、断熱材やクッションの気泡を作る発泡剤、電子部品や精密部品の洗浄剤、スプレーの噴霧剤などに使われました。
 
すでに代替フロンと臭化メチル以外は1996年までに生産はストップしました。ただ冷蔵庫やエアコンに冷媒として使用されていたため、まだ巷に存在しています。

オゾン層の働き
 
オゾン層は成層圏の高度20ー30km付近にあります。成層圏の酸素分子が紫外線を吸収しオゾン(O3)になったものが層になっているのです。このオゾン層が紫外線を遮断する働きをしています。
 
紫外線は波長の短い光で、波長の短い光ほど気体の分子に吸収されやすい性質があります。紫外線の中で一番波長が短く強烈なのはUV−Cと呼ばれるものです。しかし成層圏上層(高度30ー40km)で吸収されてしまい、地上には届きません。2番目に波長の短い紫外線、UN−Bはオゾン層(20−30km)によって吸収されます。最後にUV−Aと呼ばれる紫外線は地上に届いています。日焼けしたり、天日干しできるのはこのためです。
 
このようにオゾン層はUV−Bを遮る働きをしています。UV−Bは強力な紫外線で私たちが日頃浴びている紫外線の100倍から1000倍の悪影響を及ぼします。オゾン層破壊が進みUV−Bが地上に届くようになると、厄介です。

オゾン層破壊の仕組み
 
地上で排出されたフロンは、優れた安定性ゆえに破壊されることもなく、20年−30年かけてオゾン層に到達します。そこで強烈な紫外線を浴びてフロンは破壊されるのですが、その成分である塩素分子が放出され、これがオゾンを破壊します。破壊は連鎖的に発生し、塩素分子1個でオゾンを10万個破壊するといいます。
 
この塩素分子の活動は、硝酸などの窒素酸化物によって止められます。しかし成層圏の気温が低いと窒素酸化物は氷の雲になってしまい、塩素分子の活動を止めるものがなくなります。南極でオゾンホールができるのはこういう理由によります。地球の温暖化の進行によっても成層圏の寒冷化は起こるので、同じ原理でオゾン層破壊も促進させると考えられています。
 
現在、フロンのかわりに代替フロンを使用していますが、これはオゾン層破壊効果は小さいのですが、温暖化効果が非常に大きいのです。いままで排出したフロンと、地球温暖化の相乗効果でオゾン層破壊が予想外に大きくならないとも限りません。
 
 
オゾン層破壊がさらに進行しても不思議はないのです。
 
 

紫外線の影響
 
オゾン層破壊が進行して心配されるのは、強烈な紫外線UV−Bが地上に到達するようになることです。これは多くの方面に影響をあたえると考えられます。
 
 
<健康被害>
この強力な紫外線によって、DNAが損傷を受けガンになりやすくなります。オゾン層が1%減少すると、有害紫外線が2%増加し、皮膚がん発生率が2%ー3%増加するといわれてます。紫外線をカットする薬剤を皮膚の露出部に塗る必要が出てくるかもしれません。
 
また白内障も増加します。オゾン層が1%減少すると、白内障発生率が0.6%ー0.8%増加すると言われています。外出にはサングラスをする必要が出てきます。
 
その他では、紫外線には免疫機能を抑制する作用があります。免疫機能が低下すると、抵抗力が弱まり感染症に罹りやすくなります。地球温暖化のカラミで熱帯性の伝染病が活発化したら、大流行するかもしれません。
<温暖化の促進>
もともとオゾン層は紫外線の作用によって酸素から作られたものです。これと同じ原理で、オゾン層破壊で通過してきた紫外線が低空域(対流圏)でオゾンを作り出してしまう可能性があります。低空域のオゾンを対流圏オゾンといいます。オゾンは光化学スモッグの主役で人体に有害であるばかりか、対流圏に存在すると温室効果ガスとして作用します。そして温室効果はオゾン層破壊を促進すると・・・悪循環が成立してしまいます。
 
 
<海洋生態系破壊>
植物プランクトンは紫外線に弱い性質があります。植物プランクトンは南極に多く生息しますが、オゾンホール下では6ー12%ほど減少したそうです。植物プランクトンの減少は大きな影響があります。二酸化炭素の吸収量が減り、地球温暖化が進みます。また海の食物連鎖に狂いが生じて、海洋生態系の破壊が起こるかもしれません。クジラはもとよりマグロも食べれなくなるかも。
 
 
<農業被害>
強い紫外線により農業生産にも影響があるでしょう。オゾンが25%減少すれば大豆の収穫量が20%落ちるという報告があります。人参、トマト、大麦、とうもろこし、キュウリ、ブロッコリーなども影響を受けるそうです。一方で小麦、アワ、オレンジ、ナス、キャベツ、セロリ、タマネギは影響は受けないと言われています。温暖化の影響は受けそうですが・・・。
また強い紫外線により土壌微生物が減少し、農作物・植物の成長阻害も考えられるそうです。
 
現在予想されているオゾン層破壊の影響は以上のようなものです。最悪のパターンで推移すると、厳しい状況になります。地球温暖化も促進し、複合的な問題が発生してくると、もうダメです。地球温暖化のシナリオで書いた結末と同じ様な事態になるでしょう。
 
 
かくして人類は滅亡する。 
 

今後の展開
 
オゾン層破壊物質の削減に関する取り組みは、異例の早さで進みました。すでに1996年にオゾン層破壊物質の生産は停止されています。代替フロンと臭化メチルについても2010年ー2020年には生産停止になる予定です。また工業製品内に残っているフロンなど回収するシステムも整いつつあります。(予定したほど回収できて無いみたいですが・・。)いまのところ打てる手は打っているという感じがします。
 
もう解決済みのような印象すらありますが、大気中に残留するオゾン破壊物質と、地球温暖化の兼ね合いで大きな問題になるかもしれません。しかし放出してしまったものはどうしようもなく、影響を受けるしかないでしょうね。それなりに対策産業も盛んになるのではないでしょうか。オゾン層が全球的に半減したりすると、それどころじゃないですが・・・。
 

人に無害なフロンが回り回って仇をなすとは皮肉なことです。最初に開発した人は夢にも思わなかったでしょう。太陽の光は地球上にまんべんなく降り注いでいます。そこに有害光線が含まれると・・。紫外線の増加の影響には恐怖させられます。オゾン層破壊が現在のレベルを超えて大きく進むようなら、人類がひ弱なる一方環境も悪化し、衰退の道をたどるコトもあり得るのではないかと思えます。
 

 

 
 


バナー TOPページへ戻る