人類滅亡の序曲/石油枯渇

 
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石油枯渇
 

挿し絵
我々の生活に石油を始め天然ガス、石炭などの化石燃料は欠かすことが出来ません。化石燃料なしでは1日も過ごすことができません。完全に依存しきっています。しかしこれらの資源は有限で、必ず無くなる日が来ます。確かにスグと言うわけではない。また何十年も先の話です。いまギャアギャアわめき立てるべき話ではナイかもしれない・・。

ですが現状から将来を考えておくのも悪くないでしょう。資源のない日本は一次エネルギーの95%を外国から輸入しています。化石燃料の残量が少なくなれば最初に影響を受けるのは日本だと考えられます。その日が1日でも先送りできれば、それに越したことはありません。
 
で、石油を初めとする化石燃料についてまとめてみました。ほとんどがWebで集めた情報です。石油、天然ガス、電力、原子力、新エネルギーなど、関係する団体が沢山あるので、ネット上での展開も盛んなようです。

 
石油の現状
 
資源の可採年数:資源があとどれくらい使えるかの目安として、可採年数というのがあります。現在確認されていて採掘可能な埋蔵量を年間の生産量で割ったモノです。これによると石油が44年(1996年)、天然ガスが63年、石炭が231年、ウランが73年(1995年)となっています。
 
問題の石油の埋蔵量ですが、20年ぐらい前の可採年数とあまり変わりません。これは新油田の発見や、採掘技術の進歩で採掘できる埋蔵量が増えたためです。現在でも新油田は発見されており、石油が無くなるのはまだ先のようです。
 
石油の輸入:石油は日本の1次エネルギーの6割を占めてますが、ほぼ全量を輸入にたよっています。世界の石油生産は中東(29%)、東欧および旧ソ連(15%)、北アメリカ(15%)となっています。ただし埋蔵量では66%が中東地域にあります。このペースで行くとアメリカやロシアは10年前後で石油が枯渇することになります。
 
日本の原油輸入先は中東が81%、で、残りはインドネシア、中南米、中国などからです。中東への依存率が高く、将来さらに高くなると予想されています。

石油の用途
 
輸入された原油は、石油精製施設で蒸留などの工程を経て、様々な製品になり、様々な用途で使用されています。
 
原油や重油は火力発電所、工場などで使われています。ただし総発電量にしめる火力発電の割合は下がっており、2割ほどです。また産業分野での省エネはかなり高水準にあると言われています。灯油も家庭の暖房などに使われています。
 
またガソリン、軽油が自動車用、ジェット燃料油は航空機用、重油は船舶用、LPガスはタクシー用にと動力を動かすため使われます。これらの運輸関連の石油消費が最近大きく増えています。自動車の大型化と燃費の悪化、トラック輸送の増加、配送の多頻度化などが原因とされています。
 
ナフサは石油化学工業で使用されます。ナフサからエチレン、プロピレン、ベンゼン、トルエンなどの基礎製品が生産されます。ここからプラスチック、合成繊維、合成ゴム、塗料、洗剤などが作られ、各種製品の部品、生活用品、衣料、タイヤなどに加工されます。身の回りには石油化学製品があふれています。

石油の確保
 
石油の安定供給のため様々な活動が行われています。日本の企業や団体が資本参加した会社が探査、採掘した石油を自主開発原油といいます。日本の取り分を確保し、安定供給をはかるのに一役買っています。全輸入量の15%ほどを占めています。
 
また突然の輸入途絶に対処するため石油備蓄も行われています。国家備蓄は全国10カ所の洋上タンク、地下岩盤タンク、地上タンクなどに4870万kl/78日分があり、民間備蓄は4710万kl/79日分あるそうです。あくまでも短期的な危機的状況を回避するためのもので、べつに石油枯渇に備えてるわけではありません。

石油ショック
 
1973年10月の第4次中東戦争を契機に、OPECは石油の生産・供給制限、価格引き上げを行いました。石油不足と価格高騰により物価は高騰し、石油需要の抑制は経済を減速させました。日本ではパニックが発生し、物価の高騰や買い占め騒動が起きました。電灯やネオンは消され、エネルギーの節約が実施されました。トイレットペーパー買占め騒動もおこりました。
 
その後、いろいろな対策が考えられました。1990年の湾岸戦争では、石油が市場価格制へ移行していたこと、IEA加盟国が協調して石油備蓄取り崩をおこなったこと、などから価格は維持され、パニックは起こりませんでした。
 

石油枯渇の影響
 
石油が完全に枯渇してしまう前に、石油ショックがおきる可能性はあります。現在、アジアの国々では石油需要が急速に延びています。その一方で石油の供給は減っていきます。いままで石油の輸出国だった国も、石油を掘り尽くせば輸入国に変わってしまうのです。その分を他の国が生産量を増やせるとは限りません。石油の値段が高騰するでしょう。また残りの石油は政情が不安定な中東に集中しているため、戦争がおこれば一気に輸入量ゼロになってしまいます。これが長期化すれば恐ろしいことになります。 
 
 
<産業の停滞>
石油の5割を産業部門が使っている以上、影響は免れない。石油不足と価格高騰は製品価格に反映されるでしょう。原材料の高騰はさらに物価を高騰させることになります。そのため需要は停滞し、工場の閉鎖や一時帰休がおこなわれるようになる。GNPはマイナス成長となり、再び石油ショックが再来する訳です。
 
 
<石油化学製品の不足>
石油の16%は石油化学製品の原料となっています。石油化学製品は我々の生活の隅々まで浸透しています。プラスチック、合成繊維、合成ゴム等が無くなるのは影響が大きすぎます。部屋を見ればこれらの製品が含まれているモノが沢山あります。それ無しで生活は可能でしょうか?代替品が開発されるでしょうが、満足出来るものを作るのはたいへんでしょう。
  
 
<輸送の停滞>
自家用車は言うに及ばず、輸送関係の自動車も燃料不足になります。電気自動車やクリーンエネルギー車はまだまだ少数です。都市間のトラック輸送や店舗への小口輸送、宅配便なども滞るでしょう。宅配ピザは自転車で来るようになるかもしれません。またその費用は商品価格に上乗せされるわけで、物価高に拍車をかけます。航空機や船舶の運行にも影響が出ますし、輸送コストの増大がおこります。
 
 
<食料の不足>
すぐにと言うわけではありませんが食料生産においても影響は出るでしょう。農業では農業機械の燃料高騰や化学肥料の不足から収穫量が下がるかもしれません。ビニールハウス栽培も減少し、ビックリするような値段が付けられるでしょう。漁業でも船の燃料が高騰し、魚の値段に反映するでしょう。加工食品の値上がりや、輸入食料の減少などで、さらに厳しいことになりそうです。
 
 
<エネルギー供給>
石油は一次エネルギーの50%を占めているため、これが無くなると大きな影響があります。ただし電力の供給についてはある程度大丈夫かもしれません。ベストミックスという発電源の多様化が推進されたせいで、石油による発電は2割ほどです。そのかわり原子力が3割になっいて、さらに2倍ぐらいにする予定だそうですが・・。ほかの電力源は石炭が2割、天然ガスが2割、水力他が1割となっています。ただし天然ガスも石炭もウランも発電所まで輸送する必要があるので、そのコスト分は値段が上がりますし、エネルギー需要が電力に集中するとやはり不足するでしょう。電力が不足すると・・・・もうやめときましょう。
突然、石油がなくなったら以上のような事態になりそうです。もっと広い範囲で影響があるかもしれません。でも石油がなくなって人類が滅亡するというコトはなさそうです。ただし今の社会や生活レベルは維持できないのは明らかです。特に都市に住んでいる人にとっては死活問題です。現在の社会の仕組みが崩れたら、全ての都市住民が無用の存在になりかねません。
 
かくして都市だけは滅亡する。と、しておきます。 
 

代替エネルギー
 
日本は当面、石油の使用を減らすことは出来ないでしょう。石油の使用量を減らせば経済的な影響が出るからです。ペナルティーもないのに自発的に使用を減らすというのは考えづらい。また石油を減らしても替わりになるのは、石炭と天然ガスです。これらも化石燃料ですし、ほとんど輸入しているので石油とあまり事情が変わりません。石油の枯渇が近づけば石炭や天然ガスの需要が増大し、価格も高騰するでしょうし、予想以上に早く使い尽くしてしまう可能性もあります。
 
結局、役所も化石燃料の使用量は現在のレベルを維持しつつ、効率を高める、比率を下げる、省エネするなどで乗り切る計画のようです。
   
しかし温暖化防止の取り決めもあるので、化石燃料の消費は押さえねばなりません。その一環として電気の利用が考えられています。電気自動車、ハイブリッドカーなどの普及もそうです。また大量輸送機関の利用が勧められています。鉄道や路面電車は電力で動いています。バスなら多くの人を運べます。電気バスならなお良いです。
 
しかし増加分の電力を発電するために化石燃料を使っては何にもなりません。そこで出てくるのが原子力発電です。二酸化炭素は出さないのでクリーンで、燃料リサイクルが出来れば準国産エネルギーになると説明されています。現在51基が稼働中で電力の3割をまかなっています。これを2030年までにさらに20基から50基つくりたい計画のようです。
しかし温暖化問題に対しては貢献するとは思いますが、放射性廃棄物や事故など別の問題が出てきます。
 
では別の電力源、新エネルギーはどうでしょうか。これには太陽光発電、風力発電、廃棄物発電などが含まれます。しかし全てあわせても現在の1次エネルギー供給量の1%しかありません。2010年でも3%の予定です。比率としては低い感じがします。代表格の太陽光発電はまだ少し効率が低いため、割高感があります。効率の向上およびコストダウンが実現すれば、導入するところも増えると見込まれています。そのためには、まず普及しないといけないけど・・・。太陽電池に使用するシリコンを製造するとき多くの電力を必要とし、また価格も結構するので経済コスト、資源コストが普及の鍵となりそうです。
 
石油はエネルギー効率が良く、比較的扱いやすく、現在は低価格で安定しています。産油国サウジアラビアは「石油の値段を上げると代替エネルギーの普及が進んでしまう」として石油の値上げに慎重です。そのため石油に比べて代替エネルギーは見劣りする状況になってます。よっぽど優秀でないと何処かからケチがつく。石油枯渇が問題になる前に代替エネルギーの技術が確立されるのを祈るばかりです。
 

  


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