鬼畜王じゃないランス・9




=LP03年05月3週目=




――――ラグナロックアーク・スーパー・ガンジー。


魔法国家"ゼス"の国王であり、やたら女性に慕われる最強クラス(最大レベル99)の魔法使いだ。

だが何故 王様なのに内政を放置して水戸黄門みたく旅をしてるのかを真っ先にツッコみたくなる。

確か世界を統べる救世主を探すのが本来の目的で、人助けは その"ついで"だった気がするが……

原作であれば特定の都市の臨時徴収の後、"プアーの街"でランス(俺)が暴動を武力で鎮圧する際、
ゴミが目に入った事が原因で流れた涙に対し古典的な勘違いをして仕官を望むに至った筈。

よってラジール吸収後に涙を流す練習でも行おうと考えていたんだが、コレは予想外の登場だな。

当然 良い意味でなんだが……出来るダケ原作どおりに進んで欲しかったなァと言う心境も有る。

とは言えサイゼルを既に引き込んでいるので今更と言ったカンジだな……深く考えるのは止そう。

そう一瞬の間で考えつつ王座に背を預けていると、ガンジー達は何時の間にか此方に跪いていた。


「先ずはランス王。多忙な中、我々に この様な機会を与えて頂き感謝 致しますぞ」

「なに……即位して間も無い王に他国から来て迄 会いたがる物好きに興味が湧いたダケだ」

「――――!?」

「(ウィチタッ)」


――――挨拶代わりに軽く皮肉ってやると、あからさまにウィチタ・スケートが表情を強張らせた。


「わっはっは、これは手厳しい。されど謙遜されるモノでも有りますまい?」

「謙遜?」

「ランス王が"魔人"を倒したという事実。少なからずゼスやヘルマンにも伝わっておりましょう」

「その"噂"を聞いて訪ねて来たにしては、いささか早い気がするが?」

「はッ。何故なら私どもは旅の最中で御座いまして……その際ランス王の噂が耳に入ったのです」

「成る程な。ならば謁見を求めた理由は?」

「その質問に答える前に、先ずは自己紹介させて頂きましょう。私の名はガンジーと申します」

「カオル・クインシー・神楽です。以後お見知り置きを〜」

「ウィチタ・スケートですッ」

「ふむ」

「ランス王。我ら3名……微力ながら是非リーザスで働かせて頂ければと存じます」

「何だと?」

「まぁ……」


――――原作 通りなので俺は驚かないが、マリスは正体を僅かに察した段階 故にか瞳を見開く。


「このガンジー。世界の統一へと動き出すランス王の英断と、魔人を倒す武勇に感服した次第ッ。
 よって貴殿の理想を現実とする為、少しでも力を御貸し出来ればと思い仕官に伺ったのです」

「ほう」

「(ランス王……如何なされますか?)」

「(思いもしなかった展開になったな)」

「(はい。ですが特にガンジーという方……只者では有りませんね)」

「(そうだな)」

「(ならば?)」

「(決まりだ)」


――――こうマリスとボソボソと話している中、ウィチタに限っては先程から不満そうな様子だ。


「……(魔人を倒したという噂……本当かどうかも分からないのに、リーザスに仕えるなんて……)」

「ガンジーとか言ったな?」

「ははッ」

「唐突で面を食らったのは否めんが、オマエが"使える"男だと言う事は素人目でも一発で分かる。
 当然 付き人で有る2人もな……よって仕官を認める事にしよう。精一杯 働いて貰うからな?」

「有り難き幸せ」

「だが……う〜む」


この段階でガンジー達が仲間になってくれるのは非常に助かる。正直 有り難いのは此方の台詞だ。

されどコレは俺にとって、早急に"一つの答え"を出さなければ成らない事も意味していたりする。

ソレが何かと言うと……ガンジーに今後リーザスで"どの様な役割を与えるのか"と言う事である。

つまり今後 迷宮に潜りLv上げを続ける俺の手助けをさせるか、将軍として部隊を率いらせるのか。

前者を担わせれば彼は限界値が99とトップクラスの才能を持っているので、大きな助けと成る筈。

しかし……後者で有れば貴重な魔法剣士 部隊を結成してくれる筈だから、軍事力の増強に繋がる。

欲を言えば両立して欲しいモノだが、以前のメナドやレイラの事を挙げれば将軍とは多忙なのだ。

それにガンジーは趣味で人助けもやってる様だからな……どちらか片方に絞らせるしか有るまい。

よって大魔法による個人戦の火力or必殺技を持つ魔法部隊の二択になるワケだが、どうするか?

……ちなみに一例として魔法隊長のメルフェイスは個人戦で採用してるので彼女の軍は解散した。

勿論 魔法兵達は無職にせず、直ぐアスカやゼス組みの部隊に取り込める様にはしているけどね。

さて置き。以上の理由で仕官を認めたというのに悩んでいると、ガンジーは跪いたまま口を開く。


「ランス王。何か至らぬ点でも御座いましたかな?」

「んっ? まぁ……そうとも言うかもな」

「なッ!?」

「(止めなさいウィチタ)」

「……ッ……」

「おっと。連れが誤解した様で謝罪するが、ガンジー」

「ははッ」

「オマエには個人の実力は勿論の事、部隊の一つや二つ統べるカリスマ性も感じている」

「それは恐縮ですな」

「其処で話は変わるが……俺は数人の部下と各地の迷宮に潜り、己を鍛える事を続けていてな」

「何とッ」

「ソレが先日 魔人を撃退できた理由と言っても過言じゃあ無い……だから悩んでるんだ」

「ふむ。つまり私を個人として使うか、若しくは将軍としてか迷って おられると?」

「察しの通りだ……っと、それ以前に其方に決めて貰った方が良いって話だったな」


――――何だか悩んでいたのがバカらしいな。自分自身の事はガンジー本人に決めさせよう。


「此方としてはランス王の意に従う所存ですか?」

「あのなァ、それだと話が進まないだろ?」

「(くっ……私はランス王にガンジー様が"個人"として使われるのは納得できないッ!)」

「わっはっはっ。いやはやドチラも魅力的な役割 故に私も悩んでいる次第でして」

「オマエもかよ……だったら……」

「ランス王!!」


≪――――ザッ≫


「スケさん?」

「ウィチタッ」

「んっ? ……君は確か……ウィチタ・スケートだったな?」

「はッ、ランス王。お悩みの様でしたら、是非 私に迷宮攻略の御手伝いをさせて下さい!」

「ほぉ」

「ガンジー様の実力には遠く及びませんが、私にも魔法……そして剣術の心得が有りますッ。
 また"忍"としての訓練も受けておりますので、微力ながらランス王の御役に立てるかと!」

「……どうなんだ?」

「ははッ。彼女の申す通りこのウィチタは、まだ若輩ながら既に様々な技能を修得しております。
 生憎 迷宮攻略の経験は浅いですが、ランス王の様な方に指導して頂ければ更に成長しましょう」

「買い被り過ぎだ。だが……良いのか? オマエの側近だろ?」

「問題有りませぬ。むしろランス王と共に歩む事で、どの様な影響を受けるのか楽しみな次第です」

「そ、そうか。だったら決まりか?」

「はッ。私は早速 心当たりの有る者達を集める事としましょう」

「なら後でマリスに遣いを送らせる。好きに指示して滞りなく部隊を編成してくれ……良いよな?」

「はい。直ぐに手配します」

「お気遣い感謝 致しますぞ」


此処で まさかのウィチタの立候補により、彼女が今後 迷宮に付いて来る事になってしまった。

先程からの仏頂面で分かっていたが、恐らく彼女はランス(俺)の事を信用していないのだろう。

逆にガンジーの事は大好きだから俺が彼を個人戦で利用する前に先手を打って来たって訳か……

コレも若干 予想外だが、ガンジーを将軍として使う事を選んだと思えば良い収穫と言えると思う。

されどウィチタ・スケートか……彼女はオッサン(俺もだが)の言う様に様々な技能を秘めている。

正直15歳でコレはチートだと思うのだが、才能限界値は35と思ったよりも高く無かった筈。

ソレでもゼスの4将軍よりも若干 低いか高いLvなのだが、魔人が相手だと心許ない数値である。

まァ原作通り忍者として動いて貰えれば問題無いし、今回の件は信頼を得る一環とすれば良いか。

そう考えるとランスみたく初っ端からカオルとウィチタを寄越せと言う強引さは必要なのかもな。


「ならばウィチタ。今後 宜しく頼むぞ?」

「はッ。御任せ下さい!」

「……(それが貴女の選択なのですね? ウィチタ)」

「ランス王。宜しければ"この者"も……カクさんも同行させますかな?」

「いや、其処まで欲張る気は無いさ」

「では"忍"として御使いされればと。彼女は柔術に置いても免許皆伝の腕を持っております故」

「ソレは中々 頼りになりそうだな。リーザスには密偵が不足しているので有り難い」

「そうですね」

「以後お見知り置きを〜」


――――カオルの限界Lvは33しかないが、柔術は相手の体格次第でLvの概念を無視できそうだ。


「それではランス王」

「(切り上げろと言う事か?)……分かった。お前達は下がって良いぞ」

「ははッ。後ほど改めて御挨拶に伺いま――――むっ!?」

「どうした?」

「これは……間違い無く城内で助けを求める者の声ッ! ランス王、粗相の段 誠に失礼!!
 今は緊急時の為 平に御容赦を!! ではスケさん・カクさん……参りましょうぞッ!」

「はっ!」×2


≪ダダダダダダッ!!!!≫


「…………」

「…………」

「ランス王」

「なんだ?」

「大した事は起こっていないと思いますが、リーザス城内での人助けは中止にしましょうか?」

「任せとく」

「では暫く様子を見る事にします」

「妥当だな」


その後 メイドのウェンディが洗濯物を地面にバラ撒いた程度のアクシデントが起きたダケと判明。

しかし城外で"間違った常識"での人助けをされても迷惑なので城の中では許可する事にして置いた。

ともかくガンジーの魔法部隊と忍者のカオル……そして迷宮に付いて来るウィチタが加入する事に。

故に改めて今後の予定を練り直さなければ成らないな。全くもって此処の世界は飽きさせないぜ。


「ダーリーン!」

「ランス〜っ!」

「あら、また……」

「やれやれだな」


――――そんな事を思うと、俺は駆けて来る&浮遊してくるリアとサイゼルを苦笑しながら迎えた。




……




…………




「う〜む」


……5月3週目の半ばの深夜、リーザス城の一室……と言っても俺の部屋(王室)なワケだが。

虐待志望メイドのウィンディに"それらしく"尻叩きを済ませた後、俺は机に向かって唸っていた。

ソレは"大陸の人類について"であり、魔人との個人戦を切り抜けられる人間が何名 居るかだ。

勿論 今俺が経験している世界の仕様では、例えばランス6の様にアニスの大魔法を食らっても、
拠点に帰れば全快する様な甘い現実では無く"鬼畜王"の様に戦死すれば二度と復活はしない。

そうなればカミーラ・クラスの魔人と戦って生き残れるレベルは最低60以上と言ったトコロ。

何故なら現在レベル51の俺が未だに自分の強さに不満を感じているからであり、欲張りな話だ。

レベル30以上で一万人に一人。レベル40以上で10万人に一人の世界と考えれば尚更だろう。

だが今後の為にも仲間になる可能性が有り"個人戦で活躍できそうな人間"を挙げていってみた。

だがマリス・リック・ロレックス・アニス・アリオス・ガンジー・ミネバ・マハを除外すると……


○ヒューバード・リプトン(60)

○魔想 志津香(56〜61)

○カフェ・アートフル(66)

○マジック・ザ・ガンジー(66〜68)

○パットン・ミスナルジ(70)

○ナギ・ス・ラガール(70)

○シィル・プライン(80)

○アレックス・ヴァルス(80)

○小川 健太郎(100)


……X以降を省くと人間では たったコレしか居らず、改めて考えると意地悪なバランス調整だ。

しかも全く苦労せずに仲間になりそうなのは小川 健太郎くらいだし、挑む相手は強大と痛感する。

だったら俺が一人で強くなって、打たれ強い魔人を引き入れて挑んだ方が良さそうなんだが……

ランスには特筆するべき能力が有った。ソレは女性を抱けば才能限界値を伸ばせると言う事ッ。

その恩恵を最も受けているのは"見当 かなみ"で有り、現在 彼女のレベルは46となっている。

けど先日も抱いた後、また近場に魔物を狩りに行くとか言ってたし更に伸びているかもしれん。

ソレにはレベル神のウィリスも驚いており、かなみのLvアップは店には行かせず彼女を呼んでいる。

そりゃ店で発覚すれば大騒ぎになりそうだからな……ちなみに今は俺と かなみ しか知らない。

さて置き。この特性を利用してしまえば、個人戦を非常に有利に出来るのは間違い無いだろう。

ランスは女性を抱く為の口実みたいにしか思っていなかったが、何てデタラメな能力なんだッ!

……とは言え俺は若い自覚は既に無いので肉体的には精力 有れどハーレムを作る気は無いが……

俺の能力を活かさなければ少ない犠牲で後半の戦いを効率良く進めて行く事は出来ないだろう。

だから其の意味でも悩んでおり、何度も抱くと成れば相手に多大な"信頼"を得なければ成らない。


『かなみッ』

『な、何?』

『単刀直入で言わせてくれ。俺は今後 何度もオマエを抱く事で更に強くなって貰いたいんだ』

『!?!?』

『修羅場を潜ってる お前なら分かると思うが、あのサイゼルですら魔人の中では弱い方だ。
 だから……中途半端な部下を最後まで連れて行く訳にはいかん。だから改めて言っている』

『それは命令?』

『そうなる』

『分かりました』


≪――――ザッ≫


『かなみ?』

『この見当 かなみ。生涯ランス王に忠誠を近い、守護を担う事を約束します』

『……有難う』

『礼など要りません』

『なら続けて命令だ。その言葉を聞ければ十分だから、何時も通りで頼む』

『……ッ……わ、分かりまし……分かったわ。最後まで付き合ってアゲるから感謝してよね?』

『感謝するから抱かせてくれ。最近は かなみの小さな胸に病み付きでなァ』

『こ、これでもまだ少しづつ大きくなってるんだからッ!』


即ち今の かなみの様に、ある意味 嫁で有るリアに近い若しくはソレ以上の関係を築く必要が有る。

勿論 彼女ダケでなく俺の気持ちも重要で、いずれはレベル百にする気で勧誘しなければ無意味だ。

だから其処まで考えねば"特性"についても話す訳にはいかず、自分の強引性の無さが本当に憎いぜ。

されど第2候補は決めており、その者とはメルフェイス。強いし美人だし性格も良いし申し分ない。

まだ"あの時"の1回しか抱いていないんだが……年甲斐も無く張り切ってしまった位だったしな。

しかし彼女には かなみの様な若干の"ランス嫌い"が無い代わりに、薬による副作用を患っている。

今更 説明する必要も無いが、2ヶ月間 自分より強い男に抱かれないと死んでしまうと言うモノだ。

だがソレにより彼女は更に強化されているので、メルフェイスには選んで貰わなければならない。

呪いを解いて部下の男性と結婚するか、暫くは俺に抱かれつつ強敵との死闘を繰り広げてゆくか。

当然 俺でさえ結婚が妥当だと思うが……前者を捨てる心意気でも無ければ戦いには生き残れない。

よってウィチタも加入したし今後の予定は変更。俺は"解呪の迷宮"を選択する事にしたのだった。




……




…………




=LP03年05月4週目=




リーザスに留まる事 更に数日。期待の小川 健太郎の意識は戻らず、結局 彼は諦める事にした。

回復して くれれば対面した上に迷宮攻略の"仲間"として同行させるつもりだったのだが……

"天才病院"の完成がマリスの采配で2週間 縮まったにせよ無いので意味がないのは余談として。

何時 目覚めるか分からない彼をコレ以上 待っていては時間が勿体無いので旅立つ事を決めた。

場所はハンナの街の南東に有る"解呪の迷宮"で連れて行くのは かなみ・メルフェイス・ウィチタ。

そして遠足気分で無理矢理 同行を望んで来たラ・サイゼルであり、今回は5名での攻略となる。

28階層の非常に広い迷宮らしいが、魔物の質は低く地図も9割方 揃っているので何とか成る筈。

しかも魔人で有るサイゼルも居るので楽勝と思われるが……意外な欠点が発覚してしまったッ!

何と俺がカオスを抜いて彼が"戦い"を意識すると、味方の魔人の無敵をも打ち消しちまうらしい。

そうなればサイゼルが攻撃を受けないorカオス以外の武器で戦う必要が出て来て、参ったモンだ。

しかし元々タフなサイゼルに甘え、色々と波乱も起こったが結局カオスだけ持って行く事にした。

生憎 今の面子で"リーザス聖剣"を扱える者は居ないからな……ウィチタは別の意味で託せないが。


「そう言えばガンジー」

「何ですかな?」

「お前のフルネームは何て言うんだ?」

「……ッ……」

「でもダーリン。ダーリンのフルネームだって無いよ〜?」

「だったら今はランス・パラパラ・リーザスで良いんじゃないか?」

「あッ、それもそうだね!」

「それで……どうなんだ?」

「わっはっは。確かに私とした事が忘れていましたな」

「(白々しいヤツめ。だけど少し意地悪だったか?)」

「ならばランフビット。今はガンジー・ランフビットとでも名乗って置く事としましょう」

「なん……だと?」

「何か?」

「!? い、いや……ところでオマエの嫁さんは健在なのか?」

「生憎 最愛の妻は既に他界しております」

「そうか。すまん、悪い事を聞いたな」

「御気になされずとも」


――――そんな中、鬼畜王ランスのガンジーの嫁は意外にも"Xの彼女"だったと判明したり。


「ランス王。エクス将軍は無事ラジールを吸収 出来た様です」

「そりゃ良かった」

「今後の指示を求めて居りましたが、如何なされますか?」

「では、そのままラジールにハウレーン副将の軍を駐屯させエクスの軍はMランドに向かわせろ」

「エクス将軍にMランドの吸収合併も命じるのですね?」

「そう言う事だ。俺は"解呪の迷宮"の攻略が終わったらラジール経由でカスタムに向かうから、
 Mランドの状況は"ついで"に確認して置く。エクスには赤字を解消する案が出ない限りは、
 残念だがMランドの施設は凍結させる様に言って置いてくれ。武力制圧は最終手段だけどな」

「畏まりました。ではカスタムとの交渉はランス王が直々に?」

「あァ。ハウレーン副将の軍と共に向かう事にする」

「その後の予定は有るのですか?」

「出来ればカスタムで以前の"仲間"を加えつつ、"デンジャラス・ホール"を攻略する つもりだ。
 "解呪の迷宮"より先でも良かったんだが、なかなか難易度の高い迷宮って事が分かったしな」

「小川殿達の件に関してましては如何 致しましょう?」

「伝達次第で合流して貰うのも良いな。その時はその時で決めるから宜しく頼む」

「分かりました」

「それと前も言ったが……例の"天才病院"が完成したら"魔法研究所"を造ってくれ」

「仰せのままに」

「ならば後の問題は魔人か」

「再び攻めて来た場合は如何 致しましょう?」

「勝手に行くと思うがサテラとメガラスに迎撃させてくれ。別部隊も来たらリーザスが抑えるんだ」

「それが妥当ですね」

「では……そんなトコロか?」

「はい。ですが、再びランス王が戻られる迄 間が空いてしまいそうですね」

「早くても一ヶ月程度になりそうだなァ」

「しかも今度もリア様に黙って行かれるとは……」

「仕方ないだろ? サイゼルも来ると分かれば絶対に付いて来たい〜とか言うだろうし」

「そうなのですが……いささか不憫ではないかと思いまして」

「だったら"帰ったら抱いてやるから大人しく待ってろ"と伝えて置いてくれ」

「初めから"そうすれば"良かったのでは有りませんか?」

「だが夫婦の営みを安売りしてちゃ"こう言う時"の抑制に使えないだろ?」

「それは、そうなのですが……」

「コレもリーザスの天下の為だ。多少は大目に見て やってくれ」

「……仕方有りませんね」

「苦労を掛けるな」


――――マリスと今後の予定の打ち合わせをしたりもする事で、ようやく出発するに至った。


「準備は万端か? かなみ」

「えぇ。うし車は既に待機させて有るわ」

「へェ〜、あたしは乗るの初めてだわッ」

「サイゼルが飛ぶよりかは遅いと思うけどな」

『それより本当に連れて行くの? 魔人』

「いい加減 勘弁してくれカオス。リーザスで問題起こされるよりはマシだろ?」

『ふん。まァ〜、ウェンディちゃんを堪能 出来たしチャラにしてやるわい』

「それよりもソイツを置いていってよ! あたしの特性が消えちゃうんでしょ?」

「既に何度もモメてる気がするんだが……今更 変えないからオマエも諦めろ」

「ちぇ〜ッ」

「王様……今回も宜しく御願いします……」

「こっちこそな。メルフェイス」

「……ッ……(ま、魔人が……)」

「んっ? どうした? ウィチタ」

「!? い、いえッ。何でも有りません!」

「だがカオスとサイゼル辺りが普通に気になるかも知れんが、期待してるから頑張ってくれ」

「ははッ」

「(なかなか出来る娘のみたいね……私も負けてられないわ)」

「(や、やっぱりランス王は凄い方なのかも……コレは慎重に見極める必要が有りそうね)」

「(だけどランスの事を疑っているのは確かね。もし何か企んでるなら、私が自分の手で……)」

「ところで王様……"解呪の迷宮"と言うのは……」

「知らなかったか? 冒険者の中では有名なダンジョンらしいぞ?」


――――だが改めて考えれば、魔物の質は低いと言っても並の人間に取っては地獄なんだよな。


「あの、そうでは無くて……私の……」

「どう思う? かなみ」

「確かに可能性は有るわね。何せ"解呪"って名前だし」

「そうだな」

「???? ちょっと、何の話よ?」

「メルフェイス……様の体に何か有るのですか?」

「……ッ……そ、それは……」

「止めとけ。きっと2人の想像以上に深刻な悩みだと思うからな」

「ちょっと、そんな言われ方したら余計 気になるじゃないッ!」

「(雰囲気からしてゼスにも"この人"程の魔法使いは、そう居ないと思うけど……何か裏が?)」

「ともかく出発だ。長い旅に成りそうだし、リーザスが恋しいなら今のウチだぞ?」

「……私は大丈夫です……」

「右に同じ」

「まァ、リーザスも良いけどランス達と冒険するのも楽しそうだしね〜」

「……(ランス王が言うには、早くて一ヶ月……そんな長い間ガンジー様と会えないなんてッ)」

「ウィチタはどうなんだ?」

「!? わ、私も問題ありません! 精一杯 努めさせて頂く所存です!」

「……(不服ながらも任務だから真面目に戦う。何だか昔の私みたいだわ)」

「だったら野暮な話だったな。じゃあ かなみ、案内してくれ」

「はい。それでは此方です」


こうして俺は新たにサイゼル(封印解除・ライフル返却仕様)とウィチタを加え、リーザスを離れる。

そんな今回は2つの迷宮を回る事となるので当然 長旅となると思われ、色々と不安な要素が有る。

ソレを出発の前日に箇条書きしてみたんだが、頭痛を感じたのは内緒の話だ。何故かと言うと……


@解呪の迷宮を無事に制覇する事が出来るのか?

Aウィチタの信頼を得る事が出来るのか?

B魔人の無敵効果が相殺される事に問題は無いか?

Cメルフェイスは どちらの選択をするのか?

D赤字都市のMランドを問題なく吸収&運営 出来るか?

Eカスタムの街と無事 吸収合併できるか?

Fカスタムの女性達を仲間に引き入れる事が出来るか?

Gデンジャラス・ホールを無事に制覇する事が出来るのか?

H俺が留守にしている間、リーザスは無事なのか?

I旅中 忍者を通じて内政の指示が滞り無く出せるか?


……等 考えて挙げればキリが無いので、全くランスの図太い神経が改めて羨ましく感じてしまう。

だが彼は"プレイヤー"のリロードや未来予知が有ったからこそ、ルドラサウムの場所に辿り着けた。

されどイベントでの修羅場回避は彼の性格を無しには語れないので、展開によっては肖らなければ。

さて置き。要は真面目にLvを上げれば大抵な事は何とか成るし、無理さえしなければ大丈夫な筈。

生憎 RPGの世界ダケ有って、最初の村で延々と戦闘を繰り返すみたいな方法も有効みたいだし。

当然 ゲーム以上に時間は掛かるが、かなみがLvを上げた方法は前述の通りなので、あしからず。


「えっとさ、ランス」

「何だ? サイゼル」

「"解呪の迷宮"ってトコを制覇したら、Mランドを通るんでしょ?」

「肯定だがソレが どうかしたか?」

「だったら当然 遊んでくんでしょ? 今から楽しみだわ〜ッ」

「迷宮は"ってトコ"扱いなのにMランドの名前は ちゃんと覚えてるのかよ……」

「細かい事は気にしない!」

「まぁ……凍結する前に来れてたらの話だけどな(流石に毎週200万Gの赤字はアホらしいし)」

「ゑっ?」

「何でも無い」

「ち、ちょっとッ! 今のは聞き捨てならなかったんだけど!?」

「あ〜あ〜五月蝿い。それと纏わり付くな〜ッ」

「ふふッ(……本当に面白い方ね……王様は……)」

「……ッ……(こ、こうも魔人相手に自然に……)」

「今は黙って付いて来て下さいッ!」


――――何故か かなみに怒られてしまった俺達だったが、今後も このノリで往きたいモノである。




●レベル●
ランス   :51/無限
かなみ   :47/40(+7)
リック   :41/70
メナド   :37/46
ハウレーン :33/36
メルフェイス:43/48
レイラ   :37/52
ジュリア  :32/38
ガンジー  :50/99
ウィチタ  :27/35
カオル   :26/33
サテラ   :100/105
メガラス  :98/146
サイゼル  :87/120




戻る