第十五話 ボートに乗って


会社の先輩が家族サービスで釣りをやりたい。ついては簡単に釣れて楽しめることはないだろうか・・・という依頼を受け、久しぶりにボートに乗ってハゼを釣りに出かけることにした。

何年ぶりだろう・・・ 行徳に住んでいた時は、ハゼつりで有名な江戸川放水路が近くにあったので、夏になると頻繁に行っていたものだが、埼玉に引っ越してからはほとんど行かなくなっていた。

釣りの前日、午後からにわか雨とはいえ、物凄いスコールのような大雨が降ったので、確認のためにボート店に電話をしてみたら、「逆にこの雨で川が活性化してもっと釣れるようになりますよ」と、おかみさんの台詞。
それならいざ出陣!と相成ったわけである。

当日は薄曇りながらもなかなかいい天気。
これならいい釣りが期待できそう。
ボート店で手ばね式の貸し竿を借り、仕掛けを買って対岸の東西線ガード下にポイントをさだめた。
先輩家族の仕掛けを作ってあげてえさのつけ方を教え、しばらく様子を見ることにした。

最初は先輩がすぐに1尾めをゲット、続いて二人の子供のうち弟の方にもかかった。
すぐに奥さん、お兄ちゃんと釣れたので、けん引役のおいらとしては一安心。
さーて、おいらも釣るべぇ、と竿を出したものの全然釣れない。
先輩家族はぼちぼちと釣っている。
1時間くらいしてようやくおいらにも1尾。
遅まきながらプライドを保てたのであった。
しかし、その後、ごくたまにあたるもののほとんど釣れない。
前日に確認したときには一人で500尾釣った人がいたというから、今日の目標は初心者だけど20尾にしようといっていた。
ところが20尾どころか一人3,4尾程度である。

ポイントを代えて岸の近くまでボートを移したときに、岸から釣っていたおっちゃんが大きな声で言っていた。
「今日はハゼ全然釣れねーや。夏休みなんだべかなぁ」 やっぱりみんな釣れてないんだ・・・
結局、その日の釣果はおいらが12尾、子供たちが8尾、奥さんが5尾、先輩が2尾という結果だった。

でも、帰り際、家族がみんな楽しかった、また行きたいなと、よろこんでくれておいら安心したよ。

みんなで夕食を食べることになったので、おいらが昔、よく行っていた行徳の蔦屋という居酒屋にいくことにした。
実はここでショッキングなことがあったのだが、詳細は「のん兵衛日記」でご報告。

ハゼはてんぷらにするとうまい。
でもこの時期のハゼは、てんぷらにするほど大きくないのでから揚げにする。
首をおとしてハラワタを抜き、水洗いした後水分をよく切る。
小麦粉をつけて、あとは油であげるだけでよろしい。
カラッと揚げたハゼを熱いうちに食べるとカリカリした食感でとてもうまい。
これがビールに合うんだな。

この日に釣ったハゼは先輩に全部あげちゃった。
先輩の家でから揚げにして好評だったらしい。
でも家族4人でハゼ20尾。
ひとり5尾じゃ物足りなかっただろうな・・・ 。