「戻り橋」 鉄砲町
「南総里見八犬伝」 南本町
「葵の上」 若葉町
「剣聖上泉伊勢守秀綱」 若葉町
「橋弁慶」 清水川町
「神室の天狗」 上茶屋町
女性囃子集
「義経千本桜(伏見稲荷鳥居前の場)」 千門町

宵祭りは中止だったけど・・・

雷鳴が鳴り響き出した直後に、ものすごい雨が降り始めた。
まさにバケツの底に穴をあけた状態である。
新庄市民、いや新庄祭りを楽しみにしてきた人々にとって名実ともに晴天の霹靂である。
1999年8月24日(火)の昼下がりのことだ。

毎年8月24日から26日の間、新庄では五穀豊穣を祈願した祭りが行われる。
歌舞伎の名場面を模した山車(やたい)は、華麗な衣装をまとった人形が見栄をきり、四季の花々で彩られたまさに動く芸術品だ。
24日の宵祭りは、その名の通り夕方からライトアップした山車が市内を練り歩く。まさに圧巻だ。
駅前から延々と続く出店の数は100を軽く越え、人口4万人の街はこの3日間だけで4倍を超える。
老若男女を問わず年に一度のこの行事を楽しみにしているのは新庄の人だけではないのだ。
お盆の時期ではなくこの時期に休暇をとり帰省する新庄出身の人々が多いと聞く。
子供の頃親に手を引かれてながらおっかなびっくり山車の綱を引いていた子供達が、今は自分の子供に綱を握らせその姿を写真に収めている。
時は変わってもその光景は変わることがない。
囃子の音もまた変わることがない・・・


「17年ぶりだ」
パレードが予定されていた道端で老人が吐き出すように呟いた。
宵祭りの中止が決定したのだ。
駅前広場には遠方からきた旅人が山車を見るための場所を朝早くからとっていたはずである。この雨で早々に退散しただろう。
「あしたがあるからいいか・・・」
老人はまた呟いた。

翌日朝8時前後から各町内の山車がいっせいに出発した。
行き先は駅前沖の町通り。
パレードの出発点だ。
昨日の無念を晴らすかのように囃子の太鼓が響き渡る。

家に閉じこもっていた人々も囃子に誘われるように街に出ていく。
私は友人と共に街に出た。
東京からきた友人もその光景に少なからず興味を覚えたようだ。
パレード予定路のそばにある、昔のアルバイト先に顔を出してみた。
店主が懐かしそうな顔をして道端にあった山車鑑賞用の椅子を譲ってくれる。
パレードを待っていると妻と1歳になる息子と合流した。
息子にとってははじめての新庄祭り。
囃子の迫力に泣き出すか心配だったが、いざパレードがやってくると目を輝かせながら見つめている。
こいつも私の子供なんだなと親ばかにもそう思う。

写真を数枚とりました。
年代物のデジカメなので写りは良くありませんがご覧下さい。


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