[1] 昨年は全部が晴天の真夏日でしたが、今年はもっと続いた猛暑日の中、低気圧と高気圧が争う時折の雷雨日が続いています。 予報での降水確率は当らないもので、結局晴天は望めなかったものの、雨は記憶に残らない程度の、おしめり雨でした。 幸運にも城の山山頂(220メートル)からは絶景。左手遠方に瀬戸大橋が見えます。手前は粟島港です。 東西南北全方位の粟島からのパノラマはスクリューの形をした美しい島の入り江を綺麗に見せています。 [2] 宿のル・ポール粟島で夕食のバーベキューに興じていて、後を振り向くと茜色をした空が広がっていました。 慌てて西浜へ評判の夕焼け空を撮るべく向かいましたが、途中の水田脇の道から見た「家の明かりの灯る何気ない夕暮れ」は、とても温かな光景。車も殆ど通らず、観光も近代化もそぎ落とした、まさに自然を五感で感じられる島ならではの空間! と足を止めてしまいました。 珍しく風の吹いた日の浜辺からか、波の音がザブーンと聴こえて来て、海辺は近いよ、と、夕焼空のショットに気持ちが逸りましたが 落日には15分遅く残念でした。 [3] 島内の海員学校に今度は入ることが出来ました。一つ一つが歴史あるもの、じっくり見たかったですが、帆船や航海船の内部の多様な品々が置かれていました。木造の温みは小学校時代を蘇らせてくれます。 [4] 実家は無人なので、畑も庭も廃屋状態ですが、以前はこの島でも瓦を作る人が大勢いたとか。朽ちた屋根から台風の際にでも落ちたと思われる大きな鬼瓦が枯葉に埋もれるように庭にありました。 [5] 島から四国へ渡り、詫間を過ぎて多度津へ向かう途中、海岸寺の仏母院の塔が見えます。ここは弘法大師のお母様が弘法大師を生んだ出生地だとか。 本籍地の善通寺は有名ですが、階段を塔へと登ると、眼下に静かな鏡のような海面で島々が見えました。様々な形をした島のシルエットはどんな天候でもそれぞれに美しいと感じてしまいます。
[6][7] 仏母院の百日紅は見事です。赤と白がそれぞれに咲き、満開。予讃線?かが、サーッと通り過ぎると風にたおやかに揺れて揺れて・・・夏の盛りの一コマ。 幹のツルツルした触り心地は熟知していますが、花弁も雄しべも雌しべも、蕾も近寄ると何〜とも可愛らしい撮りたくなる植物の不思議さにお目にかかれて光栄でした。 [8] 瀬戸大橋を渡り福山市内の一番大きなお寺、国宝の凛とした五重塔のある明王院へ行きました。一気に真っ直ぐ山門へと伸びる階段は仰ぎ見るととても美しいです。 境内脇の池は白い睡蓮が満開で、池には琵琶を弾く楚々とした姿の弁財天の石像が生い繁る夏の樹々を背後にひっそりと置かれ、まさに仏様の睡蓮を愛でるよう・・・とタイムリーに有難く写りました。 [9] 尾道は今では観光地としても栄えて瀬戸内の風景の代表とされていますが、千光寺へとロープウェイで登ると、なるほど尾道水道を挟んで島並みが複雑に、ドッグや町並みを挟んで連なっています。これがあの有名な風景だと展望台から、 左右のロケーション の雄大さに驚きました。 町への急な石段も複雑に右左と折れ曲がり、寺の多い町並み(81もあるとか)を見下ろしながら、途中途中に大きな岩に俳句や唄、文章(林芙美子さんとか)が彫られていて、楽しみながら降りることが出来ます。坂と港は文学を生むのですね。 尾道美術館の近代的な屋根が見えましたが今回は時間がなく残念でした。尾道出身の小林和作の展覧会が開かれていました。 [10] 尾道水道を間近に見える欄干にもたれて、最近?有名な自家製小豆を入れたクリームぜんざい(とっても美味しい!!)のテイクアウトを食べながら、川でも海でもない渦巻くような水の不思議な動きに、なかなかお目にかかれない地形の妙を感じました。 水道の向こう側へ渡る観光船も速度は実にのんびり・・・。四国でも中国地方でも様々な瀬戸内の凪の海の風景をふんだんに楽しめた、のんびりした旅でした。