Barnyard
Brian Wilson / Van Dyke Parks
(0:56)

<session date>
 ・1966/10/20?
 ・1966/11/04 (Heroes And Villains - demo)
 ・1966/12/13?

 ハミングと動物の鳴きまね声の入った、歌詞の無い牧歌的でのどかな雰囲気の短い曲。 「Heroes And Villains(以下H&V)」 からの派生曲と言われており、 多くのブートレグで聴くことが出来るが、 公式発表されているのは1998年の 『ENDLESS HARMONY』 に収録された 「H&V (demo)」 の中の、一セクションとしてのみである。
 David Anderle の証言によれば、 動物の鳴きまね声はビーチ・ボーイズによるものではなく、 当時周囲にいた友人たちによるものだという。

 もともとこの曲には、歌詞があるとされてきた。 Jules Siegel は、1967年10月の記事 「Goodbye Surfing, Hello God!」 の中で、 『SMILE』 関連曲の歌詞をいくつか載せており、そこには 「Barnyard」 の歌詞も含まれている。 また、1966年10月に行われたディナー・パーティーの中で、 インストゥルメンタルだけのアセテート盤をかけながら、 ブライアンがその歌詞を歌ったという証言もある。 (一説によればこのアセテート盤は現存しているそうで、そのインスト・トラックとは、 多くのブートレグに収められたおなじみのトラックと同じだそうである。)
 1998年、 『ENDLESS HARMONY』 がリリースされ、 そこに収録された 「H&V (demo)」 の中で、 メロディーに歌詞が乗った形ではじめて発表された。 しかし、歌詞が入ったものは正式にレコーディングはされていないようである (1966年12月にビーチ・ボーイズによってヴォーカルがレコーディングされたという説もある)。 「Cabin Essence」 や 「Do You Like Worms」 にも未使用の歌詞があったことから、 ブライアンが歌詞が無くともサウンドだけで表現できると考え、 「Let's Go Away For Awhile」 や 「Passing By」 のようにあえて使用しなかったとも考えられる。

 「Barnyard」 はかつて、 「H&V」 の、 俗に 「Cantina」 ヴァージョンと呼ばれる alternate version のコーダ部分と考えられ、 ブートレグなどでは誤ってタイトルがつけられていたこともあった。 事実、1966年10月20日に 「H&V」 の一部として 「Barnyard」 はレコーディングされたらしいが、 それが現在考えられている 「Barnyard」 なのか 「H&V」 コーダなのかは不明である。 確かに両者は非常に雰囲気が似ているので、 同じ日に、同じ 「H&V」 のテーマの異なる二つの解釈として、 両方ともレコーディングされ、一つは 「H&V」 に組み込まれ、もう一つは独立したのかもしれない。

 近年、 「Barnyard」 は 「I'm In Great Shape」 などいくつかの曲と連なり 「Barnyard Suite」 を形成したのではないかという説もある。
 かつてブライアンは 「Barnyard Suite」 について語ったことがあるそうで、 それによると、バーンヤード組曲は四つの歌、四つの短い部分から成り立ち、 お互いがつながりあうはずだったが、それが完結されることは無かったそうである。 「Barnyard Suite」 というものが (例えば 「H&V」 の一部として) 構想として本当にあったのか、 それとも 「The Elements」 のことをたまたまそう称したのか、はっきりとした確証は無い。
 また、1995年のドキュメンタリー 『I JUST WASN'T MADE FOR THESE TIMES』 の中で、 ブライアンは 『SMILE』 について言及した際、 「Barnyard Billy, loves his chickens...」 という歌詞で短い歌を歌っている。 それがその場で即興で歌われたものなのか、 あるいは 『SMILE』 期にそういった歌詞やメロディーの断片が存在し、 それを思い出して歌ったのかは定かではないが、 一説には 「Barnyard Billy」 と呼ばれるセクションが存在し、 「H&V」 や他の曲と関連があったのではないか、と一部で議論されているようである。

 『SMILE』 収録予定曲ではなかったが、 『SMILE 2004』 では、 「Barnyard」 は単独の楽曲として収録された。 基本的に、長らくブートレグで聴くことのできた動物の鳴きまね声を含んだバック・トラックに、 「H&V (demo)」 で歌われていた歌詞部分を載せたもので、 新発見、新解釈という点は特に見られなかった。

<公式音源>


 * なし
 * 『ENDLESS HARMONY』 に 「Heroes And Villains(demo)」 の一部として demo version を収録
 * 『SMILE 2004』 に収録

<非公式音源>


 * Vigotone、SOT 他、各種ブートレグに収録

<関連項目>
 → Heroes And Villains