Child Is Father Of The Man
Brian Wilson / Van Dyke Parks
(1:56 / 2:18)

<session date>
 ・1966/10/07 (track / 2:40)
 ・1966/10/12 (vocal)
 ・1966/12/02 (vocal)
 ・1966/12/06 (vocal)

 タイトルとほぼ同じ歌詞を繰り返す、不思議な雰囲気の 『SMILE』 収録予定曲。 アル・クーパーが在籍したグループ 「Blood, Sweat & Tears」 の1968年のアルバム・タイトル 「Child Is Father To The Man」 と混同され、そう呼ばれることもあった。 (曲名はワーズワースの詩 「The Rainbow」 からの引用といわれている。)
 「Look」 によく似たピアノのイントロから静かに始まり、 一転、奇妙なベース、コーラスとトランペットが混在、緊張感が高い曲である。 1966年10月 7日の最初のセッションではこの曲のタイムは 2:40 だったといい、 現在考えられているものより長かったと考えられる。 ヴァン・ダイク・パークスによる未使用の歌詞があったともいわれている。
 Domenic Priore は、 「Wonderful」 が女性的な側面の曲であるのと表裏一体で、 「Child Is Father Of The Man」 は男性的な側面の曲と解釈されると述べており、 『SMILE』 再現ブートの場合、この二曲が続けて収録されていることが多い。

 単独では公式発表の無い曲だが、のち1971年発表の 『SURF'S UP』 収録時に、 表題曲 「Surf's Up」 コーダ部に、アレンジされて使用され陽の目を見ている。 リメイクされた 「Surf's Up」 のコーダ部にぴったりとはまって素晴らしい出来になっており、 ここから、 『SMILE』 において 「Child Is Father Of The Man」 をアルバム中盤に一度登場させ、 最終曲 「Surf's Up」 コーダ部にも使用して、 『Sgt. Pepper's〜』 に先駆けてリプライズ効果、 トータル・アルバム効果を取り入れるはずだったという推測がされている。 しかし、 『SURF'S UP』 当時 「Surf's Up」 収録には反対だったブライアンが、 もともとそのように意図してアレンジを施したのかはわからない。

 曲そのものは、いくつかのブートレグに登場しており、同じ系統で二種類のパターンがある。 一つは前述の展開のもので、もう一つも同様にピアノから始まるが、 コーラスのアレンジや曲の構成がやや違う。
 しかし1999年、 『SOT SMILE』 のリリースで、初出ヴァージョンが登場する。 それまで 「Vega-Tables」 で知られてきたピアノと上昇するコーラスのタグでスタートし、 次に既出の 「Child Is Father Of The Man」 同様の、 しかしピアノで伴奏された明るい感じのコーラスが続き、 最後にそれまでのバックトラックに似た、微妙に異なる演奏のみが続きフェイドアウト。 没トラックにしてはまずまずの完成度のこのトラックの登場で、 この曲の正しい形がどうであったのか、やや曖昧になった感はある。

 「Child Is Father Of The Man」 のトラックがレコーディングされたのは、 記録によれば1966年10月 7日のみだが、 一説によれば、翌年 3月〜 4月に行われた 「Vega-Tables」 のセッションの中でも、 この曲 (の断片?) がレコーディングされたと考えられている。 前述のピアノとコーラスのタグがこの時録られたとするなら、 『SOT SMILE』 ヴァージョンの 「Child Is Father Of The Man」 は一体いつミックスされたのだろう?

 『SMILE』 からほぼ一年後、1968年 2月29日にレコーディングされた、 『FRIENDS』 収録のデニスの曲 「Little Bird」 の後半に登場するミュート・トランペットの部分が、 「Child Is Father Of The Man」 に非常によく似ている。 当時徐々に作曲能力をつけてきたデニスが、ブライアンの技術を参考にしたのか、 あるいはブライアンがアレンジを施したのか、詳細は不明である。

 『SMILE 2004』 には、単独の曲として収録された。 ブートレグで聴くことの出来たヴァージョンと比較すると、 曲構成が大幅に変更され、歌詞やメロディーも追加、新しい曲として生まれ変わっている。
 曲順としては 「Wonderful」 とは連続していないが、 同じ楽章の中にまとめられている。 また、前曲 「Song For Children」 ではコーラス・パターンが流用されていたり、 次曲 「Surf's Up」 のコーダ部分にも 『SURF'S UP』 版同様そのまま使用されていたり、 他曲 「On A Holiday」 においても 「Child !」 というかけ声が引用されるなど、 アルバムのテーマの一つに関わる曲内容からか、緊密度は高くなっている。


<公式音源>


 * なし
 * 『SURF'S UP』 収録曲 「Surf's Up」 コーダ部に、アレンジされたものを収録
 * 『SMILE 2004』 に収録

<非公式音源>


 * Vigotone盤などいくつかのブートレグに、同系統のヴァージョン二パターンを収録
 * SOT vol.16 『SMILE』 に上記のものと異なるヴァージョン収録
 * SOT vol.17 『SMILE SESSIONS』 disc 2 にセッション収録

<関連項目>
 → Song For Children
 → Surf's Up
 → Vega-Tables
 → Wonderful