Our Prayer
Brian Wilson
(1:06)

<session date>
 ・1966/09/19
 ・1966/10/04
 ・1968/11/17 (vocal overdubs)

 ビーチ・ボーイズのメンバーによる、歌詞の無い、美しく透明なアカペラ曲。 単に 「Prayer」 とも呼ばれた。 トラックリストには挙げられていないが、 セッションの中でブライアン自ら 「intro to the album...」 と説明していることから、 収録予定曲、特にオープニング・ナンバーとして考えられることが多い。

 『SMILE』 用にレコーディングされたものは、 『SMILE』 そのものが頓挫してしまったため、しばらく世に出ることは無かった。
 1967年、アルバム 『20/20』 のレコーディング中に、カール・デニスらによって、 「Cabin Essence」 のテープともども倉庫から引っ張り出され、 さらなるヴォーカル・オーヴァーダブを加えたのち、 『20/20』 に収録された。 1993年 『GOOD VIBRATIONS』 ボックスにてはじめて、 オーヴァーダブの無い 『SMILE』 用の 「Our Prayer」 が公式発表された。

 「Heroes And Villains」 同様、執拗なヴォーカルセッションが行われたようで、 その成果もあって素晴らしい出来となっている。 アルバムコンセプトの一つに 「神に捧げるティーンエイジ・シンフォニー」 というのがあるが、 まさにそれに相応しい、アルバムの幕開けを飾る聖歌と考えることができる。 ブートには、最後に笑って噴き出してしまうヴァージョンもあり、 「ユーモア・笑い」 もコンセプトの一つであると考えると、 そちらのヴァージョンも使われた可能性が無いわけではない。

 この曲は一度に歌い通して録られたものではなく、 いくつかの部分に分けてレコーディングしたものを、 あとから編集してつなぎあわせ、エコーなどを加えたとも考えられている。 (ブートには、終了間際のセクションが欠落したヴァージョンがある。)

 ブライアンは 「Our Prayer」 をアルバムの冒頭に使おうと考えていたようだが、 キャピトルからの要請で、 アルバムの各面の頭にはヒット・シングルを収録しなければならなかったとも考えられる。 B面のトップに 「Good Vibrations」 を入れた場合、 A面トップにも 「H&V」 を入れなければならなかったとしたら、 はたして冒頭に 「Prayer」 を収録できたかどうかは疑問である。 12月にブライアンがキャピトルに渡したトラックリストには 「Prayer」 が書かれていなかったのも、 あるいはそんな背景があったからかもしれない。 (エンジニアのチャック・ブリッツの証言によれば、 この曲はのちにアルバムの最初ではなく、最後に移されたともいわれている。)

 『SMILE 2004』 では、 当初から意図されていたとおり、 アルバム冒頭に収録されることとなっている。曲そのものは 『SMILE』 期のものとほぼ同じ。 次曲 「Heroes And Villains」 へのスムーズな導入のためか、 「Gee」 とのメドレーでの収録となっている。
 また、アルバム終盤 「Good Vibrations」 直前、 「In Blue Hawaii」 の最終部において、 「Our Prayer」 の一部が再登場している。 おそらくリプライズを意図したものであろうと思われる。


<公式音源>


 * 『20/20』
 * 『GOOD VIBRATIONS』 Box disc 2 (オーヴァーダブ無し)
 * 『SMILE 2004』 に収録

<非公式音源>


 * Vigotone、SOT 他、各種ブートレグに収録
 * Vigotone盤などいくつかのブートに、セッション収録

<関連項目>
 → Gee
 → You're Welcome