| 『SMiLE』 とは? |
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『SMiLE』 とは、ビーチ・ボーイズが 1966 年に発表した世紀の傑作アルバム 『PET SOUNDS』 の次に発表される予定だった、世界でもっとも有名な未発表アルバムである。 1966年、 『PET SOUNDS』 を完成させたビーチ・ボーイズの中心メンバー、 ブライアン・ウィルソンは、次に続くアルバム 『DUMB ANGEL』 の構想を持ち始める。 当時ブライアンの創造力は絶頂期にあり、たった一人でビートルズやフィル・スペクターら、 ロック・ポップスの巨人たちに立ち向かえるだけの技量があった。 まずブライアンは、 『PET SOUNDS』 のセッション中からレコーディングを行なっていた曲 「Good Vibrations」 を完成させる。 斬新な曲構成と音像によるこの曲は、 1966年10月 のリリースと同時に 100万枚以上のセールスをあげ、全米・全英で一位を獲得。 それまでのティーン向けのサーフィン・バンドというパブリック・イメージを覆し、 ビーチ・ボーイズは人気投票でビートルズを抜き一位の座に着き、 ブライアンは 「天才」 と呼ばれるようになる。 ブライアンは 『DUMB ANGEL』 の共同制作者として、 気鋭の音楽家であり作詞家でもあったヴァン・ダイク・パークスと手を組む。 「神に捧げるティーンエイジ・シンフォニー」 というコンセプトを掲げ、 アルバム・タイトルを 『SMiLE』 に変更。完成に向け数多くのセッションが行われる。 ロック・ポップスの大きな転換期にあった1960年代後半において、 「天才」 の新作は多方面から期待され、リリースが待たれた。 しかし、ブライアンは当時ドラッグを多用。 その影響や、周囲からのプレッシャー、生来の精神的な弱さからパラノイアに陥り、 妄想に捕らわれ奇行が目立つようになってゆく。 セッション回数はいたずらに多くなり、完成は遅れ、それが更なるプレッシャーを生むという悪循環。 一年以上に渡ってレコーディングは続けられたが、 様々な事情も重なり、結局アルバムを完成させることが出来ず、 『SMiLE』 は幻となってしまう。 その直後メンバーによって急いでまとめられたアルバム 『SMILEY SMILE』 (1967) がリリースされるが、内容はそれまでのビーチ・ボーイズのような明るさとも、 期待されていた 「傑作」 ともかけ離れた、全く不可解な作品でしかなかった。 メンバーの一人・カール・ウィルソンが 「満塁ホームランじゃなくてバントだ」 と評したとおり、 ファンどころかメンバー自身も失望、以降ビーチ・ボーイズの評価も低下してしまい、 ブライアンにいたっては家に引きこもり、隠遁生活に入ってしまう。 その後数年間に発表されたビーチ・ボーイズのアルバムに、いくつかの 『SMiLE』 期の曲がぽつりぽつりと収録されると、その素晴らしさにリスナーは感動。 なぜ傑作であったはずの 『SMiLE』 は発表されなかったのか、と伝説化・神話化が始まり、 以降多くのリスナーが幻のアルバム 『SMiLE』 に興味を注ぎ、 歴史が検証され、完成像が推測され、俗説が膨張していくことになる。 しかしその勢いに反し、公式音源は長い間登場せず、その代わりに海賊盤が流出、 『SMiLE』 の伝説化に拍車がかかってゆく。 20年以上経過した1990年代になってから、やっとわずかながら公式に音源が登場、 もちろん未完成アルバムだっただけに残された音は断片的でしかなかったが、 その奇妙で美しいサウンドは 『PET SOUNDS』 やその他のアルバムと相まって、 ビーチ・ボーイズの近年の再評価の原動力となってきた。 2004年、未発表から37年の時を経て、 ブライアン・ウィルソンとヴァン・ダイク・パークスは、 『SMiLE』 をステージ上のライヴという形で再現させ、 さらにはアルバムそのものを完成させる。 まさにそれは奇蹟としか云いようのない出来事だったが、 『SMiLE 2004』 が37年後の一つの完成形として提示されたことによって、 1966-67年当時未発表となった 『SMiLE』 本来の姿が見えにくくなったのも、 皮肉なことに事実である。 そして未発表となってから実に44年後の2011年11月1日。 『SMiLE』 音源は 『SMiLE SESSIONS』 という名のもと、Capitol から正式にリリースされた。 このサイト 「SMiLE DAYS」 では、 個々の曲という横軸と、セッションの流れという縦軸で見ながら、 ビーチ・ボーイズの未発表アルバム 『SMiLE』 を検証していこうと思います。 |
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