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「DASACON2」雪樹のださださ体験記 DASACON2レポートリンクはこちら
1999.08.28〜1999.08.29
いよいよ「DASACON2」当日。
一人で、わかりづらそうな旅館に辿り付けるか不安だったので谷田貝さん幹事のブレダサコン(御飯が出ない旅館に入る前にお夕飯を一緒に食べて行きましょう趣旨)に参加させてもらおうと、5時JR水道橋東口に間に合うように出かける。
みどりの窓口に浅暮三文「カニスの血を嗣ぐ」を持って立っているはずだが、それらしき人物が見当たらず。しかし、荷物を抱えた数人が集まりだしたので「あの人達、そうかなあ?」とチラチラ横目で眺めていたらバタバタと5分くらい遅れて、ひとりの男性が厚い本を抱えてやってきた。「あっ、きっと谷田貝さんだ」と近寄って「あのお、ダサコンの方々ですか?」と聞くと、やはりそうだった。
5:15まで待っていることにして、カワカミさんらとぎこちなくおしゃべりしていると二人組みがやってきた。みなさん、ご存知の方らしく、聞いてみると、作家の浅暮三文さんとSF書評家でもある喜多哲士さん。おおっ、有名人だ。結局、総勢11人、女は私だけで、少々寂しかったがしょうがない。
それからゾロゾロとお夕飯を食べに動く。最初の目的のステーキ屋さんが満杯でダメ、しかたなくウロウロしてかなり年季が入ってそうな中華屋さんへ。少し落ち着いたところで喜多さんが「SFマガジン増刊号2冊あるので1冊どなたかにあげる」とおっしゃる。「おおっ、そりゃ私欲しいぞ。」ずうずしく挙手、いただいてしまいました。喜多さん、ありがとうございました。
食後、さっそく旅館へ。都心にあるとは思えないような、時代をタイムスリップしたかのような趣きのある旅館。受付けには、いつも WEBでお世話になっている、かつきさん、溝口さん、平野まどかさんが。きゃあ、さっそく3人に会えるとは!この3人は掲示板の語りでのイメージ通り。かつきさんと溝口さんはテディベアみたい。参加者の中で女では私は一番のり。ゲストの寮美千子さんがもうお部屋にいらして、思いきって同室にさせていただきました。第一印象が想像していたのとまるで違いました。シャープで物静かな方を想像していたのですが、表情がくるくる動いて非常に可愛らしくスポーティーな雰囲気。思わず「うわあ、想像と全然違いました」と目の前で言ってしまう(ううっ、相変わらずのバカです)。細く、小柄なのにとても情熱家でパワフル。非常に魅力的な方で寮さんの人柄にとても惹かれるものを感じ、ついつい作家さんでゲストという事を忘れてしまい、お話してしまいました。今回の作品「星兎」出版の裏事情なども聞かせていただき、なんだか気持ちがホクホク。
寮さんが打ち合わせで先にスタッフルームへ行かれて寂しいので後からいたしたお給仕犬さんのところにおじゃまする。時間になって大広間へ行くとすでにかなりの人数が。うわあ、壮観です、総勢70名、ほとんど男ばっか。女性も20人ほどメンバーにいるんですが埋もれてしまいますね。
そこで、なんと、あこがれのニムさんが!想像していたより、とても可愛らしくて、高校生のお子さんがいらっしゃるなんて信じられないという感じです。さっそくご挨拶させていただき、一緒させていただきました。そして青木みやさん、ZERUさん、ちぇろ子さん、少し遅れて安田ママさん、田中香織さん女性数名で固まる。みなさん、お名前は知っている方々なので、なんとなく安心。特にニムさん、青木みやさん、ZERUさん、ちぇろ子さんとずっとおしゃべりしていました。みなさん、素敵な方でお会いできて良かったです。
ここらへんでようやく緊張もとれて、いよいよDASACON本会突入。
幻想文学編集者の東雅夫さんと寮美千子さんの対談はかなり面白かった。(ここだけの話、東さん、かっこよかったです。)寮さん、パワー全開で東さんを圧倒しておりました。
作家になるまでの経緯や、自分の作品のルーツ、好きなもの、旅行の体験談、これからの作品のこと。児童文学業界の裏話まで、豪快な笑い声とともに語っていただきました。私は寮さんの、前向きにやりたい事を実現していくパワーと繊細に物事を見る目がバランスよく同居しているキャラクターに感銘。詳細はメモをとっていた方がわかりやすく書いてくださりそうなので、省略。とりあえず、次の作品もかなり期待してよさそう。女の子を主人公にしたファンタジー大作だそう。
ただ、せっかくの東さんご自身の幻想文学に対するお気持ちなどのお話も聞きたかったという感じもあります。後でつかまえてお話をうががうほどの勇気はさすがにありませんでした
さて、次はみなさんとの顔合わせ。総勢70名の大所帯なので名前を呼ばれたら立つという方式で次々とこなしていく。WEBでよく見かけるお名前の方が呼ばれると「イメージ通り」だの「あれちょっとイメージしてたのと違う」だのと心のなかでチェック。でもあまりに多いのでほとんどの方のお名前を覚えられませんでした(^^;)
顔見せ後は「架空書評対決決勝大会」。投票結果の上位6作品をトーナメント方式で順位を決めていく。上位6作品はほぼ予想通りだった。会場にいる方の挙手で決めて行ったのだが書いた方がその場にいらしたほうが有利だったかもしれません。優勝は思いっきりインパクトのある書評を書いた、お給仕犬さん。準優勝は「時間流刑タネばらし掲示板」がアイデア賞の松本楽志さんでした。
その後、本のオークションおよび謎のカードゲームなどのイベントを同じ会場で適当にやることに。女性の大半はお風呂に入りに一時、会場を後にする。3、40分後に会場に戻るとそれぞれのグループがすでに白熱している。私はいくつか狙っていた本があったので青木みやさん、ZERUさん、ちぇろ子さんと4人でオークションの行方を見守る。
私はファンタジー本を狙っていたのですが競争相手がいなかったので、ニムさん放出本やOKKOさん放出本をかなりの安値で購入。SFなどの放出本は面白いのかすら判断つかず、たまに値をつけてみるものの、ほとんどは見てるのみ。高いものでは4〜5000円の値段が平気でつくのでビックリ。安田ママさんとダイジマンさんの内輪もめ?には笑わせていただきました。本を買うつもりがない時でも、口上やギャラリーの突っ込みが楽しくて見てて飽きませんでした。SF翻訳家の山岸真さんの的確な突っ込みはさすがでした。「あっ、それ面白くないよ」と平気でおっしゃり、売り手を困らせておりました。
途中、u−kiさんと鈴木力さんの「もてない男」対決が始まる。みなさんが、この対決に騒然、大注目した為に一時オークションを中断。実はこのおかげで私は得をしてしまったのである。オークションが再開されても最初あまり人が集まらず、かつきさん放出本を「その値段でいいの?」という価格で入手。井辻朱美さん3冊は欲しがっていた方が他にもいらしたので、本来だったら高値になったかもしれなかったのだ。かつきさんは赤字だったと思う。ごめんなさいね。そうこうしているうちに、熱気にあてられたか少し頭がガンガンしてきてしまい、仮眠を取ることに。夜中の2時少し前くらいだったように思う。仮眠のつもりが起きてみると、な、なんとすでに5時30分すぎ。ひえええ、もっと早く起きるつもりだったのに。この数時間が一番盛り上がっていた時間だったみたいでガックリ。
着替えをして6時頃に会場に行くと、かなりの人がハイテンションで、アニソンイントロクイズやらカードゲームやら年齢当てクイズやら議論やらをしている。あらま、寮さんもニムさんも起きていらっしゃる。他にカワカミさんやジョニィ高橋さん、森山和道さん、お給仕犬さんあたりがいらした、このグループの近くに座り、回らない頭でぼんやりお話を聞いておりました。溝口掲示板での理系、文系論文の話や最近読んで面白かった本の話など。
なかなか頭が冴えないうちに、オークションの清算の時間。ボケーと立っていると風野春樹さんが「雪樹さん?」と声を掛けてくださった。うきゃあ、本来なら私からご挨拶しなくてはいけなかったのに。そのせつは本当にすみませんでした。風野さんはご夫婦でいらしていたんです。趣味が一緒だなんてうらやましいご夫婦だ。閉幕までの残りの時間はまた女性陣で集まりおしゃべり。私はOKKOさんのファンタジーアメコミに対する情熱を聞いて、ちょっと興味がわいたりして。また、ZEROさんと私とで、作家の倉阪鬼一郎さんが連れていた黒猫のミーコが気になっていたもののやはり声を掛ける勇気は無し。ちょっと、さわりたかった。
そして9時。DASACON2大将をSF翻訳家の大森望さんと田中香織さんが争うも、圧倒的な人気で田中香織さんが勝利。総統u−kiさんがこれからのDASACONの抱負を熱く語り、閉幕。DASACON3が次に開かれることを期待して解散。なぜか異常に増えた荷物をかかえ宿を後にいたしました。(この荷物の詳細は下記)
初めての参加でしたがとても楽しかったです。スタッフのみなさま、お疲れ様でした。本当にありがとうございました。特に溝口さんにはお使いをしていただいてしまいまして、すみませんでした。
以上ですがもし私の記憶違いがありましたらご指摘ください。
<荷物詳細>
購入本(サインしてもらいました)
浅暮三文「カニスの血を嗣ぐ」(講談社ノベルス)
寮美千子「星兎」(パロル舎)オークション入手本
トマス・バーネット・スワン「薔薇の荘園」(ハヤカワSF文庫) (ニムさん)
チャールズ・デ・リント「ジャッキー、巨人を退治する」(創元推理文庫) (ニムさん)
チャールズ・デ・リント「月のしずくと、ジャッキー」(創元推理文庫) (ニムさん)
ピエール・グリパリ「ピポ王子」(ハヤカワFT文庫) (OKKOさん)
ポール・アンダーソン「魔界の紋章」(ハヤカワSF文庫) (溝口さん)
スーザン・シュワーツ「常世の森の美女」(ハヤカワFT文庫) (かつきさん)
井辻朱美「エルガードの歌」(ハヤカワJA文庫) (かつきさん)
井辻朱美「パルメランの夢」(ハヤカワJA文庫) (かつきさん)
井辻朱美「トヴィウスの森の物語」(ハヤカワ文庫ハィ!ブックス) (かつきさん)
いただいた本など
ジョナサン・ケラーマン「ゆがんだ果実」(扶桑社ミステリー文庫) (川口さん)
ビデオ「ケンネル殺人事件」 (川口さん)
SFマガジン9月臨時増刊号「星ぼしのフロンティアへ」 (喜多さん)
DASACON架空書評参戦作品 他の方の書評はこちら
クリストファー・J・J・チャーノック「時間流刑」(由文社海外ノベルズ)
この作家はもともとSF作家なのだが私はこの作品を読むまでファンタジー系の作家なのだと思っていた。
特に私の好きな作品「ウルムルル」(草川書房)はあるひとりの男性が思いつめ恋文を書いているうちに、
妖精のような姿のウルムルルが住み美しい言葉が力を持つ不可思議な世界に迷い込んでしまうという
秀逸なファンタジー。
今回の作品は表紙の真紅の毛皮をまとう妙に愛嬌のある猫ちゃんに惹かれて購入。
おもっきりSF、しかも宇宙冒険ものでした。
30XX年、地球は孤独な星ではなくなっていた。
人は様々な宇宙人のたんなる一つの種であり、宇宙へ広がっていった。
しかし、母なる地球がやはり帰るところであり、地球は懐かしい記憶を留めるためか1930年代の
ファッションと生活様式で暮らしていた。
実際は最新マシンでほとんど人の手を煩わせることのない生活ではあったが…
そんな生活をしているひとり、銀行マンのディックは身に覚えのない時間操作の罪で流刑に
処される事になってしまう。
タイムトラベルはこの時代、宇宙のどんな種族であろうと一切認められないものとなっていたのである。
同じ罪の問われた猫型ヒューマノイド、(一般的には毛皮の赤さから火星猫と呼ばれている)のミューリと
3本足で無数の目を持つ知的レベルが人より高いスーラミア人のソウと共に護送ポットで
テイラという惑星へ連れていかれる。この3人ともが身に覚えのない罪に問われ憤慨していた。
そしてテイラに着くや、そこの惑星を支配しているというジュリという人そっくりの種族の元へ
連れていかれるのであった。この惑星は地球そっくりしかも生活様式がヨーロッパ中世時代のよう。
彼らはジュリから、小型ポットと武器を与えられ惑星を乗っ取らんとするムマという種族を倒すべく
使命を帯びるのであった。
それが生き延びる唯一の道と悟らされた3人組は行く先々で同じような3人組と出会い、協力しあい、
または裏切られながら、「いったい何のために我々はここにいる?」という疑問に苛まれていく。
途中、黒と名乗る女性と白と名乗る女性が現れてから、テイラへの謎が深まり、そしてディックの
正体が実は××(ネタばれ規制)と怒涛のようにラスト向かっていく。
レトロな舞台と英雄願望的な冒険がテリー・ギリアム監督の映画「未来世紀ブラジル」な雰囲気を
少々感じさせ、また「自分は何者?」という疑問に囚われた主人公像などはファイリップ・K・ディック的でもあり、
冒険ものの面白さと、主人公たちの「何者?」という疑問とテイラの存在の謎がミステリの面白さをも
ブラスになっており、最後まで気が抜けない物語になっている。
だがそれだけではなく3人のキャラが独特の個性を持っており、それぞれにキャラに思い入れしてしまう。
主人公のディックは最初は弱々しく情けないのだが思索形でマジメな素直な性格が安心感を皆に与え
知らず知らずメンバーの中心になっていく。
そしてスーラミア人のソウはあくまでも冷静沈着、そして複数の目で物事を見るためか考え方が非常に
ユニークで、謎を解くヒントを思い付くのはいつも彼である。
私が超お気に入りの火星猫ミューリは普段、ガニマタでグラサンをかけて格好をつけるものの
甘えん坊で語彙が少ないため、コミュニケーションのための仕草がみょうにカワイイ。
しかもなぜか鰹節が大好きという普通の猫と同じ味覚なんぞしているところなんて笑ってしまう。
(しかしアメリカ人の作者がなぜ鰹節を知っているのかが不思議だったりする)
だが、怒ると野生本能全開で容赦ない残酷な戦いをする所が、カワイイだけのキャラではない。
とにかくおもちゃ箱のような楽しい作品であった。
真紅の猫ちゃんを見かけたら即ゲット。1500円の価値ありです!
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