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文芸作品発表頁

 

童心作品


 
三村須美子
ひょうたんも大津絵も道楽庶民離れ
長雨やここにも小町の墓のあり
師走来るにらみの龍の片目かな

童心の会277号より

青島巡紅
円柱鬼ごっこするスケボーかな
鼻歌で今年も来るかクリスマス
腰痛や何処まで充電するのやら

童心の会276号より

岡畠さな子
秋晴れにかけっこ玉入れ汗光る
敬老日赤いネクタイ孫選ぶ
老い見つめお日様元気靴を履く

童心の会275号より

青島巡紅
落日のツクツクボウシ網降りる
他の花を闇討ちにする彼岸花
夕立やビルを探して駆け回る

童心の会274号より

遠藤修司
子を思う気持ち続けば祈りかな
ねむの木の祈りに会わせ葉が閉じる
年令とれどパッション胸に青年だ

童心の会273号より

中野硯池
大文字の鳥居をくぐる人憶ふ
履歴書に兵歴二行敗戦日
鉦響くビルの隙間の地蔵盆

童心の会272号より

坪谷智恵子
ケロケロとたんぼの中は涼しいよ
散歩道星座のような白き花
むし暑さ虹色の花にいやされて

童心の会271号より

坪谷智恵子
新緑に小鳥たわむれ風そよぐ
古団地樹木だけが堂々と
大木の下で一息心地良く

童心の会270号より

三村須美子
春の月犬は徘徊保護となり
山寺を背負う天平仏の春
梅と花談山神社競演す

童心の会269号より

青島巡紅
芽吹く枝間に間に泳ぐ薄緑
一日雨シェイプアップの桜かな
花吹雪更地になった中学校

童心の会268号より

二神大輔
体調を問うつつじの季節のたそがれに
月余の再会友のやつれに調子聞く
健康を信じる気持の春の闇

童心の会267号より

坪谷智恵子
朝日浴びアンテナに止まるカラスかな
ストレスをやりすごしつつ日々すごす
むつまじく毛づくろいするメジロかな

童心の会266号より

青島巡紅
葉の群れが浪士に見える紅葉かな
草原を駆けたことないポニーかな
岩屋寺石段横のお稲荷さん

童心の会265号より

三村須美子
活気ない電車の案内しぐれ空
パリにテロクリスマスセール開催中
通訳のスマホで道きくもみじ狩り

童心の会264号より

二神大輔
湧く泉枯れる泉の五月晴れ
泉水は命の糧よ鯉のぼる
大河見るその源流の一滴を見る

童心の会263号より

中野硯池
風文字の帯に風吹く風の盆
待宵をべそをかきそな東山
観月の句を〆る頃酔ひになり

童心の会262号より

青島巡紅
枯れ井戸の底で穴掘る熱帯夜
いつ飲んだペットボトルの空の水
夕立や駆ける手と手に赤信号

童心の会261号より

佐藤駿司
水のいろうつりゆく駅のひとつごと
幼帝の幻白し瀧の音
寝姿の乱れて春の蛇女

童心の会260号より

坪谷智恵子
ほっとする招福ネコの小さな本
紫陽花のまんまる笑顔虹の色
梅雨受けた紫陽花少し重たそう

童心の会259号より

佐藤駿司
内陣の燭に何問う薬師仏
矢車の鳴るや御堂の観世音
大いなる夏の夜空の星盗む

童心の会258号より

岡畠さな子
膨らんで待ち焦がれ来る桜かな
球春の白き縦看墨黒く
お見舞いも明石大橋虹綺麗

童心の会257号より

中野硯池
レプリカの菱餅を喰ふ虫の穴
堂の灯の全て消へてお水取
野遊びの定番となる能勢電車

童心の会256号より

青島巡紅
雪の朝足音沁みるドアの外
落葉より葉の芽吹きだよ涙はね
千の手の空へ想い冬木立

童心の会255号より

坪谷智恵子
ペレー帽つけたどんぐりすまし顔
山茶花のはなやぐ垣根にごあいさつ
いい夫婦いい想い出も寄り添って

童心の会253号より

佐藤駿司
秋冷に蝶もつれ合う湖水かな
幻の歌や吹き抜く塚の風
秋の歌あなたにつきたい嘘がある

童心の会252号より

青島巡紅
踏切や尺を手にし車見る
丸い背が街から消える敬老の日
赤信号虫の楽隊現れる

童心の会251号より

中野硯池
素麺の白きが映へるガラス鉢
せせらぎの音に流し素麺乗る
素麺を茹でて独居の昼餉かな

童心の会249号より

川村薫
のどじまん福田こう平ゲストだよ
いちごがりいちごは元は青白い
バスの旅テレビで見てねたのしかった

童心の会248号より

坪谷智恵子
午前五時早起きおさるストレッチ
炊きあげる御飯のにおい目がさめる
梅雨受けて紫陽花めざめ背伸びする

童心の会247号より

二神大輔
名月が話題になる歳豪雨のあと
すみやかな再開話題に嵐山
秋ゆくや話題の人は今車中

童心の会246号より

佐藤駿司
この月にぼくの何かを消してゆくんだ
永遠の満月からっぽの箱に入っている
名月にウソがとどいてくれません

童心の会245号より

裸時
拭いているペンペン草を吹いている
青ばななうっとく思った猿の石
構えるな巡り会いの網の上

童心の会244号より

青島巡紅
冬の雨灯点き出す午後一時
山の背に川の字残す雪跡や
下駄顔と丸顔夫婦春着物

童心の会243号より

中野硯池
クルーズの船尾に泳ぐ鯉のぼり
吹流しつけて外輪船着きぬ
青鬼の赤褌や青紅葉

童心の会242号より

佐藤駿司
原発のなかで未来の僕らが過呼吸
被災地で過呼吸している新芽
放射能を笑えないでいる紫英

童心の会241号より

川 村一枝
もみじよいてふが好きよ
お寺はねもみじでもいてふ
久しぶり痛い足をばひきずって

童心の会239号より

三村須美子
裸木の背伸びしている陽気かな
冬の蠅一時の暖にはしゃぎけり
駄々っ子を真横に抱え待合室

童心の会238号より

中野硯池
回天の島の舟出の終戦日
純白のシーツに交換原爆忌
体温の移るが如き墓洗ふ

童心の会237号より

岡畠さな子
ふかし栗母を思ひて稚児の頃
日陰にて秋風恋し扇子かな
夕焼けや校舎の窓に光り入り

童心の会236号より

青島巡紅
梅雨の夜はしっぽり濡れて道祖神
青ヤンマもげた身睨む目玉かな
葉桜の下居眠り客呼ぶ

童心の会235号より

二神大輔
気にしつつ迷惑ばかり伏流煙
何の得にもならぬ煙よボタン咲く
決意のみの禁煙アザミ咲く

童心の会234号より

内薗日出杜
歩くときポンとける落葉かな
風により木をゆらされ落葉ちる
アルコール顔に回って落葉かな

童心の会233号より

青島巡紅
腰痛の歩行にまぶし燕かな
死後の生ありやなしやと花吹雪
竹トンボその上飛ぶオスプレイ

童心の会232号より

二神大輔
土匂う 匂いの先に春の海
土匂う 空一杯の星を食む
土匂う たまにはおいでとふきのとう

童心の会231号より

硯池
利酒の一足す一の和を競ふ
寒明けの舟屋に吊す舟降ろす
魚屋の太巻寿司よ節分会

童心の会230号より

坪谷智恵子
ベルが鳴る両手一杯プレゼント
霜柱冬の野菜がうまくなり
オフランスムードと美味に酔いしれて

童心の会229号より

青島巡紅
禅寺に桜不似合い開山堂
カクテルで世界一周冬の旅
黄葉にカメラ集まる雨の庭

童心の会228号より

佐藤駿司
爪紅をさしてかぐや姫ごっこ
あんなにも花が降る日がいっぱいだった
訪れる人もなく秋風ひとつ

童心の会227号より

内園日出杜
おぼつかぬ足取りで秋一歩かな
岩のごと動かぬ夏も弱み見せ
少しづつ夏けずられ風変わる

童心の会226号より

青島巡紅
蜘蛛の糸柊松の腕比べ
無脊椎動物化する夏疲れ
百日紅花三色の吹き溜まり

童心の会225号より

葛城裸時
ヘルパーもなあなあですごすくもたべた
カンゴシのあきカンしゅるいがおおすぎる
オリンピアおかねだけがバランスぼー

童心の会224号より

坪谷智恵子
新緑や生まれ変わって歩く道
たんぽぽの綿毛ふわふわ一人旅
お互いに親孝行子孝行

童心の会223号より

青島巡紅
紫陽花や雨雲つり下げ山藍し
初夏の日鍵閉じ込めて昼飯す
精算機から出たる顔叩く

童心の会222号より

佐藤駿司
くもの巣に光の粒や雨あがる
明王の剣先とまる黒揚羽
紫陽花や空海の眼のありどころ

童心の会221号より

内薗日出杜
しばし見ぬ畑打つ農夫春隣
延暦寺読経の声も春を待つ
今日の空七変化かな海光る

童心の会220号より

坪谷智恵子
ほっこりと顔を出したふきのとう
健診を終え帰り道梅香る
両腕の買い物重く特売日

童心の会219号より

川村薫
迷子とは子供でなくてもなるものよ
友と二人迷子の子供が歩いてる
昔は米屋 迷子になったらどこで聞く

童心の会218号より

岡畠さな子
細き道冬幅広し猫散歩
冬陽より澄みたる空気木立かな
大寒の六甲颪道を掃き

童心の会217号より

二神大輔
紅葉狩り倖せ狩りも同伴で
路傍に坐す念仏小僧をはすかいに
越えて来て雲の上から見る市街

童心の会216号より

青島巡紅
五重塔年取る度に縮むなり
雨の午後買物付き合い石焼き芋
蟹座見てもっと光を蟹三昧

童心の会215号より

裸時
ワインワインわいはタルのひびわれか
へこまない缶があってへこむ缶
ナンコツとガイコツ二人花の上

童心の会214号より

佐藤駿司
帰ろうよどこかで僕の又三郎
荒海やベッド横たふあなたの乳房
波ひいたあとはどう生きればいい

童心の会213号より

岡畠さな子
放射能拭いきれずに帰りなん
吾子笑う澄んだ瞳に幸あれと
東山宵々山に紛れ居て

童心の会212号より

二神大輔
民話尋ねて天女の里へひとり旅
浦島は今も生きてる岬の辺
松有るよ羽衣かけた磯歩く

童心の会211号より

植野政好
傷心の私を支える西山寮
狸来てわが顔じっと若葉哉
蛙鳴く春の眠りを破りけり

童心の会210号より

青島巡紅
風船に思い詰めすぎ割れまする
目に見えぬコケシを描く柳かな
復興イコール金のばら撒きなしね

童心の会209号より

二神大輔
安堵する山盛りキャベツのトンカツ屋
不純な気候にキャベツ方々大怒り
熱帯の國よりはるか日本に帰化す

童心の会208号より

青島巡紅
寝る子は育つ寝る大人は太る
眠りに降りて来るなら説教以外でお願いね
いつどこでも眠れる人は運転困ります

童心の会207号より

川村薫
くもり空私の目まいなおったよ
あみ戸してアイスを食す私なの
春みたい私の心も春みたい

童心の会206号より

二神大輔
今日も又尖閣もめる秋陽さす
悠然と国後に立つロ元首
資源求めてエゴの競演民の泣く

童心の会205号より

裸時
北極点がやって来た昼寝中
お昼寝ごっこに魔人が乱入

童心の会204号より

青島巡紅
一人より二人で息合わせトロッコ行くよ
草原か廃墟で決まるトロッコシーン
トロッコに乗ってどこまで行けるのか

童心の会203号より

硯池
丸坊主あたまにハチマキかき氷
丸坊主さすり一言切り出しぬ
丸坊主あたまに暑き日射かな

童心の会202号より

裸時
盆おどり赤いおびに甘えてる
お盆ですふわふわ人形道迷う
あっちからドアを開くと盆の菓子

童心の会201号より

川村薫
久々に駅にてつどう歌の友
よちよちと歩めばかかる二時間も
のど自慢北海道かでも残念

童心の会200号より

裸時
父の手は千個笑いサウナ中
ビアノさんおててをあらってわらってね
うそじゃないてをあらわないおいもさん

童心の会199号より

岡畠さな子
東風吹かば梅に負けじと沈丁花
早春の白い木蓮福々と
如月の匂いほの香に風寒し

童心の会198号より

裸時
朱雀門お家は留守でこんんちわ
たよりない線のように朱雀見え
怒る声響く朱雀のお化粧が

童心の会197号より

川村薫
空はれて歌をうたえば靴がなる
老人靴すぐにわかるよ私には
めがねかけ靴の句つくるおかげさま

童心の会196号より

青島巡紅
合わす手を開けて宝椿咲く
足裏に感謝せねば冬の道
梅の花空の青さに塩をまく

童心の会195号より

二神大輔
雲悠々我あくせくと秋の夕
10年後雲の彼方の我を見る
薄雲を追いかけ南下寒気団
 
童心の会194号より
 
裸時
あやつり人形現世に地獄をつくってる
しゃっくりと苔と忍者が踏んじゃった
揶揄の黒玉光る宇宙椰子
 
童心の会193号より
 
内薗日出杜
くももくもくと空の高し
今日は空とどこまで行ったやら
まんまんと雲をたたえる空のいけ
 
童心の会192号より
 
二神大輔
ゆれゆれて義仲寺に行く梅雨晴れ間
大黒さん躰ゆらして客迎う
橋の上夏雲ゆれる比叡の山
 
童心の会191号よ
 
裸時
地底人ひたすら細いエレペーター
文字の色裏返った星を吊る
地球大ぐらいの部屋のすずめ達
 
童心の会190号よ
 
三村須美子
梅雨晴れ間かしましうぐいすあちやこち
つばめの巣立つ電線に並びて黄な声
潮干狩り腰の切れ目の日焼跡
 
童心の会189号よ
 
二神大輔
休みのは墓場へ行く時今日は今日
春の日が休みを要求傘寿前
翌日は躰がきしむ休み明け
 
童心の会188号よ
 
青島巡紅
闇跳ねて虹の向こうでこちら見る
大地割りそそり立つ影蛇の舌
排水路桜舞い散り蓋になる
 
童心の会187号よ
 
裸時
くらげさんいつも心にコンニャクを
ひぐらしがポトリと落ちて草野球
闇列車世界はひとつでないらしい
 
童心の会186号よ
 
川村薫
来なかった、でも私は待って立つ
待人はぢらす人ほど味がある
待って居る人を考へ早く来い
 
童心の会185号よ
 
増澤美奈子
アネモネがぱあっと開きひなたぼこ
我わらべ次から次と春の歌
オリーブの茂み深まり時流れ
 
童心の会184号よ
 
三村須美子
五時過ぎの帰りじたくす研修会
鳥さわぐ薮のお宿の五時過ぎころ
東は満月西は茜よ五時過ぎか
 
童心の会183号よ
 
二神大輔
今が旬イガ栗頭の夏の陣
無沙汰を詫びる宅配栗のイガ
丹波の栗より元気印の宅配便
 
童心の会182号よ
 
川村薫
会いに行く指先見れば爪のびて
吾爪はあまりに小さく指先に
あちらです、指先にある幸せが
 
童心の会181号よ
 
内薗日出杜
夕立やすべり台下雨宿り
杓持ちて水を打つ子がはしゃぎけり
大雨と大雷が比例する
 
童心の会180号よ
 
二神大輔
おかげ様すき間風なく金婚が
涼風とは言えぬ風消えすき間風
風消える何を急いで友置いて
 
童心の会179号よ
 
青島巡紅
帰り道水面の月が追いかける
指眠り五体解く君竹落ち葉
世界は円い丸い僕のお腹も
 
童心の会178号よ
 
内薗日出杜
底抜けに明るい光杉なの子
風はOFF淀んだ空気花疲れ
春の陽と遊ぶ子供の健康さ
 
童心の会177号より
 
二神大輔
余寒にふるえゴミまきちらす花見かな
風邪間近余寒にふるえ身は職場
時ならぬ余寒が風邪ひき狂い雪
 
童心の会176号より
 
増澤美奈子
我が庭に夢二がいます月見草
梅雨前にあじさい咲いて急ぎ足
あじさいの手描きTシャツ雨の中
 
童心の会175号より
 
二神大輔
手袋に背中丸めてきさらぎは
孫歓声土手にわずかのふきのとう
寒さに歓喜雪を待つ
 
童心の会174号より
 
内薗日出杜
丹波の霧は老い坂にて終わりけり
吠え面でやって来たりし冬将軍
糸が風邪引いたと母のつぶやけり
 
童心の会173号より
 
小川数夫
冬の虹朝のコーヒーを誘いける
その昔母の鼻にて安全性
蓑虫のときには散歩ありにけり
 
童心の会172号より
 
岡畠さな子
縁ありて句会たのしみほほ笑まん
これも縁あれも縁と角がとれ
ベットにて縁あり病い飛んでゆけ
 
童心の会171号より
 
二神大輔
水を待つ稲田に豪雨泥海に
少年時ウグイを釣った川は今
吊り橋から飛び込んだ川、今砂原
 
童心の会170号より
 
吉川つや
箱庭の如き庭には花いっぱい
パンドラの箱を開ければ金ぎっしりと
投票箱開けば自民党自爆する
 
童心の会169号より
 
小川数夫
わが部屋に「暑い暑い」と猫が来る
地震予知自信がなくてナマズ飼う
少年期遊び疲れにラムネ瓶
 
童心の会168号より
 
松本徳子
蓋開けの香りこぼるる去年梅酒
紫陽花の七彩変わるついり雨
葉桜をゆりかご小さきかたつむり
 
童心の会167号より
 
二神大輔
手紙来るその中身まで和紙づくし
ラブレターの束にめくじら古女房
和紙の香を手紙に載せて故山より
 
童心の会166号より
 
小川数夫
新緑の小雨喜び彩を増す
京都から神戸の車窓桜咲く
花冷えに飛鳥美人は驚きて
議員さん気楽なもんだ無責任
黄砂舞う砂金であれば嬉しいか
 
童心の会165号より
 
内薗日出杜
天の橋立ては丹後の主役秋の空
秋晴れやよその子も見て若い母
金木犀スマートな香を放ちけり
えへえへと笑う赤子も秋を知る
冬隠居赤子歩き始めたり
 
童心の会164号より
 
小川数夫
暖冬や貧乏人に福の神
裸木の静寂好む植物園
うめ香り門に吸われる本願寺
年金の確定申告余寒せる
春めきて身支度急わし猫の舌
 
童心の会163号より
 
内薗日出杜
丹後との境超えたり蟹列車
森を抜け神社を出でて冬の街
浮舟の物語聞く松の内
初詣で寃道にありし古社なりし
往は歴史復路は現代宇治は冬
 
童心の会162号より
 
裸時
あくうかん子供の入る冬の波
焚火して公園財務壮年隊
脈取って十字のファーの石蕗の花
病床の尺取虫が幻影だ
甘鯛のぬいぐるみ売るような舌
 
童心の会161号より
 
吉川つや
点と線読みふけりけり夜の秋
離陸して秋空高く点となる
点々と血の跡ありてけもの道
点滴のピンクの色や秋日射し
点字読むのは下手という牧師かな
 
童心の会160号より
 
内薗日出杜
カマキリは足収納しエサを待つ
カマキリは鎌秒速で出しにけり
天を讃えて地上では運動会
スクリーンは天秋の夕日を映しけり
なにくわぬ顔で秋雨降り出さぬ
 
童心の会159号より
 
岡畠さな子
神戸沖白線引いて翼かな
夕やみに線香花火あかあかと
白球の線を描いてグランドに
流れ星線引きつつ丘の上
線引きの白き粉舞う銀傘に
 
童心の会158号より
 
裸時
面長でミニチョコブーム海猫や
巻き煙草草森のパセリと穴無数
肌脱のビールコックン小鳥くん
休日の終日夏るルピナス
助け出すエロ本の中の通帳を
 
童心の会157号より
 
青島巡紅
心と体のシーソーどちらもがんこ
造花の並木道乗る人だけがリアル
咲き乱れても種は芽を出す
行く行かないも気分次第
外科的処置すれば処置痕は残る
 
童心の会156号より
 
らじ
紫陽花は自己を吸って生き返る
秘密裏に梅干コピーされている
八朔を魚介類の泡とみる
春の雨元黄色いな置くミニカー
遅日には阿修羅居て来て闇猫屋
 
童心の会155号より
 
小川数夫
桜散る都大路に舞い上がる
花は葉にちょっと下界の街に出る
妻の友運転の窓山笑う
古池に飛び込み「寒いです」
天井にもみじ若葉の寺の径
 
童心の会154号より
 
裸時
春一番梅干飛ぶのカラカナリ
白昼夢手のひらに紙の拡大図
暗闇の乳房描いてるの春光
えんそくのどんわっちゃぴいちらばらに
トタン屋根雷坊主猫の恋
 
童心の会153号より
 
内薗日出杜
いつまでも冬いちびってをりにけり
雪の栓開けて閉じて春遠し
菜の花の接たい受ける田舎道
音信が途絶えたままで春いずこ
信号に春引っ掛り余寒かな
 
童心の会152号より
 
裸時
ぷくぷくと金魚の泡が八万個
めだまきょろり独楽の行く道白昼夢
浮かれすぎネギ持ち歩く二日から
深深とかまくら用の青写真
書初めの子犬くすぐるこじょこじょし
 
童心の会151号記念誌より
 
青島巡紅
ときめいて色褪せて波間の飛び魚
航跡もお前の餌となる浪浪浪
朽ちかけた軒下見下ろし柿の実たわわ
秋刀魚七輪生唾
太陽と北風の二人三脚
 
童心の会150号記念誌より
 
内薗日出杜
かさこそが紅葉の対話里の山
裸木になり木が黙り込むイエモミジ
悴んで孤立した感左右の手
夜のうちにひそかに落ちし銀杏の葉
原点の姿のままで裸の木
 
童心の会149号より
 
裸時
ひと吐息千鳥口からほら無数
陽だまりは竹馬パパか幼稚園
割れるよう神楽の言葉暗闇に
女体浮く胡桃ゆったり内秘める
バラバラの写真一枚海馬笑う
 
童心の会148号より
 
吉川つや
サングラス恰好よき人怖き人
眼鏡拭けども拭けどもくもる秋の雨
サングラス取ればやさしき人なりき
彼岸花激しく燃へる怨み燃え
異国より明るき声や生きる声
 
童心の会147号より
 
裸時
白熊座雪の結晶月が大きい
スタスタ紺のスーツに白いハンカチの一息
黒い薄い影ひた走る
ビー玉がやんちゃの噴出し口
一言金の箱にモクモクはみ出している
 
童心の会146号より
 
都田正文
小諸なる峰も島村目線かも
草津まで浅間の煙を友として
淡水魚早瀬の絶対努力賞
和田峠下れば諏訪の湯の煙
宮の越源氏の御旗に夕日差し
 
童心の会145号より
 
裸時
人形目を回すピロップ
せんべい歯形会う方へ
設計図書かないでチューリップ
固まった絵の鬼聞かないで
リアルさは皮フと氷肩上がる
 
童心の会144号より
 
内薗日出杜
春の雨忍び足にて屋根漏らす
目に優しい若葉の萌える銀閣寺
ここのとこ比重の増えし若葉かな
五月晴れ天に蛇口はなかりけり
なんとまあソフトな緑であることよ
 
童心の会143号より
 
裸時
人の形煙の形恋模様
つっけんどん突かれて頭の煙
煙の世界に夢歩む
チョコレートの甘い煙知ってるかい
ドキドキ妖怪の火事になる
 
童心の会142号より
 
内薗日出杜
千姫の化粧櫓や梅開く
わが家のまほろばに居る春炬燵
梅鉢は道真公の紋所
一眼レフでメジロの夫婦ネガにせし
梅が香に境界線はなかりけり
 
童心の会141号より
 
小川数夫
年金の支給日待つ春野菜
木の芽風猫の髭伸び膝かゆし
マスク顔いつまで続く花粉群
早朝の路地に笑顔や櫻草
もうすでに春を始める植物園
 
童心の会140号より
 
裸時
描かれた羽のように青えんぴつ
ドクロがドグマチック青ぶちサングラス
開けた紙箱黒い池鮮やか
小さい魂軽いくしゃみ先生
上に投げる電池大きな声で言っている
 
童心の会139号より
 
内園日出杜
こまやかにバスが来ずして冬の五時
落柿舎の蓑役立たず初時雨
仁王の如く動かずにいる冬の雲
こんぴらふねふね瀬戸内は冬日和
洒落た衣まだまといたる紅葉かな
 
童心の会138号より
 
裸時
小指の秘密虹がかかる
虹の空どんな空を持ってこようか
悪い火でもみんな空の下
ウキッネットの空ぶら下がる
雨の日につくるグラタンのコゲめ
 
童心の会137号より
 
都田正文
急ぐから「寝覚めの床」はやりすごす
大地に抱かれ野に寝る来世は夢
掘りゴタツ吹雪の音が戸をたたく
国境寝台列車におぼろ月
安布団高貴な夢が見れそうだ
 
童心の会136号より
 
裸時
山の家心は開いている
子供が家を作りだしてお菓子
見えない家族言えない家族
夢心地の熱帯魚すいすい
燃えるよう美しい家がある
 
童心の会135号より
 
裸時
がまがま出てくる切れる包丁
電話を切らないほほえみ
悪人はテレビ起こしに包丁光る
ばっさら切ったら男の根っこ
眠たいドラマ起き出す唐辛子
 
童心の会134号より
 
吉川つや
就職の決まりし孫の明るき笑顔
メロディを生きゐて明るくなりにけり
カーテンを開き朝の目覚めの明るさよ
異国より息子の電話に明るくなり
古手紙読み心明るくなりにけり
 
童心の会133号より
 
都田正文
なつかしいインクのにおい恋の味
元気です、それだけですが元気です
自分宛本音の手紙書いてみる
寒い日に届いた掌中見舞です
やさしい言葉できつい文字
 
童心の会132号より
 
面川豊
父に似る四角四面に水温む
身支度を口でする猫春動く
寿司にある回転式の安全性
 
童心の会131号より
 
内園日出杜
葦の新芽櫛入りし如風流る
背伸びして開花待ちたる桜かな
吾が影のはっきりとして彼岸前
2の3の詩集の名前犬ふぐり
木蓮は脱皮せし如花の咲く
 
童心の会130号より
 
裸時
手のひらの絵の中の遊園地
夢の絵は墨絵の白い夢
ショコラの甘さ渦まくように絵にまざる
猫の立つ炎の絵の中
おお大人積み木透明描いた日
 
童心の会129号より
 
遠藤大地
ゆらり旅部屋から見る山雪化粧
雪だるま旅館の前でお出迎え
雪国を思いうかべて「はい、仕事。」
 
童心の会128号より
 
内園日出杜
京極も京終もあり初時雨
秋の山路と銘のある楽茶碗
跳躍に適した足のバッタかな
ジャンプして畦に着地のイナゴかな
ヨチヨチと歩く子の手にイチョウの葉
 
童心の会127号より
 
裸時(らじ)
目を閉じて離れる赤ちゃんちいぱっぱ
三角形透明ガラスの日焼け色
坂に自転車カラまわり忙しい日も暮れる
キリストの棒だと黒い布がひらく
和紙が折り立った床のことだ
 
童心の会126号より
 
面川豊
秋の空両親眠る里の丘
秋晴れやメタセコイヤの一本気
秋晴れや猫はやっぱりカツオ好く
秋の空向かいのビルに谷間あり
 
童心の会124号より
 
内園日出杜
裃やそのときの夏城下町
城下にも大手中小この残暑
備中を冠する駅名夏の旅
市電にも老兵もあり夏残る
冷蔵庫潮の香もせず吉備路かな
 
童心の会123号より
 
都田正文
軒の下今年は今年の音が鳴る
何もかも忘れさせてよ在所の日
夢やぶれ石垣残して時は過ぎ
宮きしめんほしがる鳩におすそわけ
峠越えお国言葉の立看板
 
童心の会122号より
 
内園日出杜
五月雨や雲の渋滞どこまでも
目の位置を転じてそこは青田かな
目を天に弓張り月や夏近し
山の端の袖に引き上げし春の月
夏立ちぬ山遠からず近からず
 
童心の会121号より
 
ら印
こけたい笑い笑いゴケ
ごっくんコップ貼るスタイン
深海に待ってるわ口紅
咲き燃え自転車置場
指していく泣いているヒトの背
 
童心の会120号より
 
松本徳子
花の駅ついばみ散らす雀かな
桜満つ透かし模様の青い空
散る桜水面揺らす鯉美粧
 
童心の会119号より
 
内園日出杜
早春が倍率上げて春固定
叡山やまだ未完なり春の基礎
春の手がまだそこまでは延びてない
よちよちと歩く子の如春は来し
千の手のあまねく春の光かな
 
童心の会118号より
 
都田正文
仙人はかすみにあきて人をくう
法起寺に一番乗りやで春がすみ
はずかしい所にいつもかすみ有り
カニの足トンビにさらわれ香住港
脳みそにかすみかかってしこうゼロ
 
童心の会117号より
 
ら印
踊る踊る茶を沸かす踊る
猫ちゃん天使お使いはだいこんですよ
幼児期の新しい靴下のアップリケ
偉い人になったんで表札変わります速く見に来て
姫秘め事そこ真ん中
 
童心の会116号より
 
内園日出杜
すすめられ酒飲みし色紅葉かな
遊び田は風も遊び田なりしかな
飛脚の足の速度保てり秋の川
後ろから静かに押され秋の川
ガッツポーズした枝ぶりの紅葉かな
 
童心の会115号より
 
金澤ひろあき
朝一番トイレの中のはっくしょん
秋祭り主役の太鼓道ふさぐ
出迎えは笑顔と柿のてんこもり
しんでしもたら忘れられます文化の日
つかまらぬバッタに文句たれてる子
履物をそろえる秋の日ざしかな
 
童心の会114号より
 
ら印
横に流れる口歪む
バックプリントにかかる砂糖慈しみ
おいしい牛シャブ口に詰め込みどこ行くの?
笑って動いて裸体交換
服を買ったたったそれだけの無時間
 
童心の会113号より
 
都田正文
秘密基地いつまで秘密守ったか
城跡を焼きつくして鳴け油蝉
初盆に友を誘いて うぐい釣り
夏日暮れ巻貝岩場で会議中
病室の母の背中に潮騒の音
 
童心の会112号より
 
金澤ひろあき
あと出しじゃんけんそいつが言ってる主体性
サンショウウオ野分の雨の土産物
野分過ぎ生きているかと鳴るテレビ
本音とは耳元で鳴きだす蚊
竹皮を脱いでまさかのおへそかな
本音とはどこにかくれる油虫
本音では今すぐ王手をかけたいな
 
童心の会111号より
 
内薗日出杜
早苗のサ稲を意味すと伝聞く
五月雨や幼気ない子の涙かな
水田の活気が満たアゼを行く
でで虫の行方つかめずミステリー
影を求めて移動する立ち話し
 
童心の会110号より
 
ら印
白い天井白昼夢
真昼間死を呼ぶ厚い本
記念塔の日雨散々
風呂上がり砂糖多めの家庭
心の休日充実果実
 
童心の会109号より
 
生嶋節子
青嵐 たんぽぽの綿毛をさそう
黄昏どき 猫の腹もセクシー
いつもは寡黙なサイドテーブル
あの時から手招きするホットフラッシュ
別の皮膚から ほ・の・お
 
童心の会108号より
 
内薗日出杜
アゼ道に卵が先の土筆かな
春の字がだんだんと濃くなって行く
広く広くミニの平野も春の空
ケロと鳴き出て来た合図雨蛙
春の陽に鋤入れた土光りけり
 
童心の会107号より
 
ら印
迷子の子猫ぴいひゃらら
口が頑くな叩くな頑な
天球を支えています紅葉と手
着火するな座るな厳禁
立派な湯のみ湯気見習い
 
童心の会106号より
 
内薗日出杜
掃く人といたちごっこの落ち葉かな
どんぐりを踏みし感触石畳
目的地へはこの道のみの落ち葉踏む
最後の葉落ちて無着となりにけり
野仏にまた降りかかる落ち葉かな
 
童心の会105号より
 
生嶋節子
洪水となって呑み込むミルクのお値段
過熱する脳 遊び心を添えましょか
優しさにさし挟まれ 肩の水滴
不協和音に湯煙り泳ぐ
依処を飛ばす原稿用紙
 
童心の会104号より
 
都田正文
捜すことおくびょう風にジャマされた
野生です手間ヒマかけて生きてやる
全宇宙生きてる価値を歌ってる
昔にポツンと置いてきた私でしょうか
捜す前めぐり合い望んでも無理ですか
 
童心の会103号より
 
ら印
プチプチ骨の音
夏の椀
邪気をカメラにのぞく
字を忘れて帰る
こんなもんかワッカワッショ
 
童心の会102号より
 
金澤ひろあき
盆提灯徹夜のおどり水の街
とぶことを夢みるにわとり 男の子
夕焼けが教える家庭の時間です
 
内薗日出杜
わき水をのむ間だけ岐阜の涼
郡上では川が大将夏盛り
セミの声も吸い込んだ川町走る
わき水を神とあがめる郡上衆
夕立の痕跡たしか虹を呼ぶ
 
生嶋節子
うかうかと見えない狼煙 に抱かれて
祝 弛む心にカツ入る創刊100号
祝 共通の約束 生命の輪童心の会創刊100号
飲みのこしグラスの向こう 化粧花
散らばる風息ひそやかに愛してやまず
 
童心の会101号より
 
〒615-8072京都市西京区桂木ノ下町1番60号 金澤ひろあき e-mail h-kanazawa@kyoto-be.ne.jp
 

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神奈川県 蒼天社