文芸投稿発表作品

松下卓史
名前 : 松下卓史(マツシタタクシ)
to-muse.loved_takushi@q.vodafone.ne.jp
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題名 : 「死罪」
 
庭の和らぐ空気は若草とともに僕の心臓を踊らせ、
ビロードの花畑、それは身につけずして優しい肌触りを与える。
朝の陽射しとする熱烈なくちづけは僕を悪夢から突き放し、
夜のしじま、あれは僕に詩神の囁きを聞かせてくれる。
 
だがこれも君がいての喜び、君ならではの安らぎなのだ。
愛しいアンよ、君は僕の人生の下に狡猾に潜り込み、
僕のあらゆる喜びの源として僕に君臨するに至ったが、
どうして今になって僕を絶望に悩ませるのか。
 
君のために世を無下にし、また君の魅惑をも台無しにした罪が、
僕の心臓の高鳴りを次第に弱らせようとしている。
愛しい、だが残酷な執行人よ、一思いに、など浅はかなことは言わない。
君なくして身じろぐこともないこの心臓をなんの情もなく止めないでくれ。
 
僕の情愛を斬首台に導き、鋭い言葉をもって、
二人の思い出までも僕の胸から奪わないでほしい。


題名 : 「銀のメダル」
 
白い肌を羽根のように、君は歌う。
きれいな白い肌、そのお顔のなんと魅力的であることよ。
だが君は隠し持っている。
どうしようもない胸のうちに、少し青みを帯びた暗闇を。
 
君の目を見ていると僕は苦痛に顔を伏せてしまう。
その眼差しの源は魚のそれのように刺激を嫌い、鈍くも光ろうとはしない。
僕は君の白い肌と同様に、瞳にさえ見入ってしまうようだ!
 
僕にはわからないが、悲しみをひた隠した羽根つきの乙女よ。
僕は君にとても似合うものをあげよう。
ああ、なんとも鋭く、君の瞳の中でキラキラ光る、
まだ新しいままのこの銀のメダルを。


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