文芸投稿発表作品

星野真美
名前 : 星野真美(ホシノマミ)
http://www.asahi-net.or.jp/~ga2m-hsn/maru.html
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題名 : 「終わらない夢」
 
僕らは
旅人のような振りをして
 
随分と長く
歩いて来たような顔をして
これからも何処か遠くへ
歩いて行くようなつもりでいるけれど
 
誰かの家の塀
窓の奥
寝転ぶ猫
電信柱のあいだ
並ぶ花壇
オレンジ色の花
そして僕ら
 
存在するということは
この今という一瞬の中に住んでいること
 
それは儚くも
永遠に終わることのない想いの中
誰かもしくは誰もが見る夢の中
 

題名 : 「裸のパンサー」
 
黒服パンサーは
夜の帝王のそばで手腕を買われ
帝王の座を譲り受ける直前
黒服を脱いで
昼の大地へ逃げ出した
 
夜の城より大きな
昼の大地で力試そうと
 
仲間も恋人も置いて
一人がむしゃらに駆け出した
 
青空の下の大地へ
 
夢中で突っ走るうち
いつしか作り笑顔も上手くなり
はだかは傷だらけになった頃
広すぎる大地に
再び立ちすくんだ
 
夜の城よりここには
ややこしいことがたくさんある
ややこしい奴らが邪魔をする
 
パンサーの夢は
大陸を股にかけ
新しい仲間とともに
昼の王者になること
それは夜の帝王よりもはるか強く
たくましい力を手にすること
 
そして干乾びかけた大地を
パンサーの走るたび
色とりどりの鮮やかな花によって
埋め尽くすこと
 
夜の仲間たちが
泣いた恋人が
手招きしても
もう振り返ったりはしないと
作り笑顔も武器にして
再び大地を駆け出す彼を
今太陽が
微笑みながら見つめていた
 

題名 : 「無題」
 
ぼんやりと
何処を見ているのか解らない
あなたの目
 
闇のような宇宙
刃物のような平静
官能のような安らぎ
 
まるで偶然に
こちらを向いたとき
 
彼の一切意図しない
抗えぬ呪縛のような力に締め付けられながら
想像すら出来なかった雲の上の空間を
わたしは自由に泳いでいた
 
戻ります

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