文芸投稿発表作品

岩下 聰
名前 : 岩下 聰(イワシタ ソウ)
http://cult.jp/LaCampanella/
hba33340@wood.odn.ne.jp
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題名:「Ambition」
 
己の自尊心のために
いつも、いつも、
色んな何かを諦めてきた
それが定めと言わんばかりに
それでいて私は
ああ いまも疼いている
桜のつぼみが開くころ
私は、空をも飛んでみせると
そんな期待で胸が高鳴る
 

題名:「自傷」

 
すべてとけて無くなってしまえば良いと思ってた
腕を走る鮮血は
此の世が在る証拠だから
だから私が無くしてやろうと思ったの
流れきるころには
世界の終末だって、信じてる
自然と意識が薄れゆくまで
私はこうして待ってるわ
貴方はわらう?
こんな私を
 

題名:「無題」
 
遥か遠くを見つめながら
過去は絶対なんだと君は呟いた
その眼差しは何処か、淋しそうだったけれど
君がいままで何を見てきて
いま何をそんなに淋しそうに眺めているのか
知る由もない
だから余計に気になるんだ
過去は変えられはしない
失った人は、戻らない
それでもいまの君が何をどうすべきか
君はたぶん、
ひとりで抱え、ひとりで見つけようとしている
誰にも見せない君だから
今度 君が物憂げな顔をして
今日みたいに何処かを見つめていたら
その冷たそうな大きな手を握って
せめておなじ方角を眺めたい
君が、
握り返してくれなくても
 

題名:「真実」
 
見極めようとするほど
誤解は生じ、ほどけずに絡まる
誰も求めていないことも
わたしの柔らかい部分を抉る
冷たかったことなんか、なかった
わたしが誰であるかなど
誰ひとり、知る由がない
だから楽だ
でも虚しい
理由は自分でわかっていた
 

題名:「Daydream」
 
夢を見た。
ただやみくもに駆けていた。
舗装された道路をひたすら、全速力で突っ走る。
夕日に照らされたアスファルトが眩しい。
不意に脚がもつれる。
視界が大きく揺れ、そのまま重力に身を任せた。
倒れてゆくその瞬間が、あまりに長い。
ぶつけたら、痛いかな。
ゆっくり、ゆっくりと。
空を仰ぐ。
たなびく雲はオレンジに染まる。
息苦しさの中で、
全部、忘れてしまえそうだった。
こんな爽快感、初めてかも知れない。
ただ感じるのは、風が髪を逆撫でる感触と、早い、静かな鼓動。
それから、夕焼けの赤。
この瞬間がずっと続けばいい。
毎日毎日、砂時計をひっくり返すみたいに、
退屈で、たまらないんだ。
だからおねがい、醒めないで。
そしてそっと、目をとじる。
 

題名:「St.Valentine's Day」
 
宗教の統一しないこの国で
人々は愛を謳う
そっと、頬にキスをして
私は貴方の幸福を祝うわ
甘い甘い
異文化の慶びをどうぞ
 

題名:「十年後の私へ」
 
真実を見極めていて欲しい
青臭いことを言っていて欲しい
自分に誠実であって欲しい
誰かを好きでいて欲しい
美しいものも、そうでないものも
愛しく思っていて欲しい
十年前、無気力ながらに精一杯生き
こんなことを書いていた「私」を笑わないで欲しい
そして、何よりも 生きて欲しい

戻ります

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神奈川県 蒼天社