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不確定性

製造企業を管理する上でもっとも厄介なのは不確定性です。 しかし、厄介だからと言ってそのままにしておいても何の解決にもなりません。不確定性を攻略するためには、不確定性の性質を理解しなければなりません。不確定要因はオペレーション(製造、設計、開発)によってことなりますが、表1のように概要をまとめてみました。

先ず、見込生産の場合をみてみましょう。生産能力は主に処理時間と待ち時間で決ま ります。処理時間は被加工物や製品ミックスによって異なります。また待ち時間はリソースの稼働状態によって変動します。そのバラツキ具合は、大まかにみれば、統計理論で捉える事ができる のではないでしょうか。不確定要因は主に社内にあるとみられます

見込生産において、生産品目、生産時期、生産数量の不確定性はどのようにみればいいのでしょうか。何を、いつ、どれだけ生産するか、ということですので、それは「生産計画で決まっている」と思ってる方も多いと思います。しかしここでは少し異なる視点から不確定性をみてみたいと思います。

「生産計画で決める」ことは、不確定性を低減する手段のひとつです。ここでは生産の原理的なメカニズムについて調べておりますので、「生産計画で決める」ことにとらわれずに、その背後にある現象に目を向けたいと思います。見込生産とは、原則的に言えば、何を、いつ、どれだけ生産するか確定しない状態で生産開始すること、つまり、見込で生産することです。生産計画で決めていても、それは見込であることには変わりありません。見込生産では、生産品目、生産時期、生産数量それぞれが確定していないことになります。しかし、まったく決まっていないということではありません。それぞれの品目ごとに、受注時期(受注間隔)や受注数量は統計的数値で捉える事ができるのが一般的ですので、その範囲内であることはほぼ確定しています。これらの要因の発生箇所は、主に、市場つまり社外にあると考えられます。

ここで留意しておきたいことは、生産品目、生産時期、生産数量の変動要因は社外にあるのですが、それらは処理時間や待ち時間に大きな影響を及ぼすことです。社内、社外の変動要因がどのような相互作用で影響しあうかはわかりませんが、生産現場でみれば、処理時間と待ち時間の変動として観察されます。

受注生産はどうでしょうか。処理時間や待ち時間の変動は見込生産と同様ですが、生産品目、生産時期、生産数量については、少し異なります。受注生産では注文が確定してから生産活動を開始するのが原則です。世の中では、内示発注とか仮発注とかありますが、これについては原則的なメカニズムが明らかになった後で考えてみたいと思います。話を戻しますと、受注生産では受注確定時には、生産品目、生産時期、生産数量のすべてが確定していると考えます。表1では[受注時期・品目・数量]と表現しております。

受注生産もいろいろあります。部品はあらかじめつくっておき、受注してから組み立てて完成させる場合もあれば、材料は常備しておいて部品の製造から開始し、組み立てて完成という場合もあります。前者の場合、部品の生産は見込生産、組み立て以降が受注生産となります。後者の場合は部品生産から受注生産となります。

受注生産では、顧客の仕様に合わせて設計から行うこともあります。その場合、設計というオペレーションが新たに加わることになります。製造は人、機械設備などが主なリソースですが、設計のリソースは主に人です。リソースは人でも、処理時間と待ち時間が変動するということは変わりがありません。もちろん、製造に比べればバラツキは大きくなります。設計も受注時には仕様が確定していることが前提ですので、[受注時期・品目・数量]は受注生産と同じになります。

開発についてみてみましょう。開発のリソースは主に人です。やはり処理時間と待ち時間の統計的変動があります。開発の代表的な例は新商品の開発です。いつ、どんな商品とどんな商品を開発するかはマーケット(社外)情報や社内の技術レベルや能力などを勘案して戦略的に決められます。

開発にはもう一つ重要な不確定要因があります。それはどのようにしたら思い描いてる商品をつくることができるか、わからない部分があるといことです。つまり、開発テーマには論理的不確定性が内在していると考えられます。


表1 オペレーションと不確定性の分類

表1には不確定要因を4種類に分類しています。それぞれ異なった不確定性があります。不確定性の特性が分かりましたので、次に、それらをどのように管理すればいいかを考えます。

処理時間、待ち時間の管理には統計理論が適しています。生産関連の分野で統計理論を応用しているのは品質管理です。生産管理にも統計理論を使ってみようということです。

見込生産の受注品目、受注時期、受注数量については市場の需要に追従させるメカニズムの構築が有効です。従来は「生産計画」が担ってきましたが、需要の不確定性が高くなると「生産計画」では対応できなくなります。需要基準の生産管理が必要となります。また、負荷管理も重要になります。これも「生産計画」に頼らない新しい負荷管理の方法が必要になります。

[受注時期・品目・数量]と[開発時期・テーマ・テーマ数]については、重要なのは納期ですので、納期基準の時間管理が必要になります。また、負荷管理も必要になります。

開発テーマの論理的不確定性については、論理工程表(図)で因果関係を確認して目指す商品が実現するかどうかを確かめて、不確定性を低減します。それぞれを支える理論も併記して表2にまとめてみました。


表2 不確定性の分類に対する管理方法とそれを支える理論

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