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トラブルと対策


ODD METER005 オイルプレッシャースイッチ故障

仕事仲間を四谷から銀座へ送り届けているときの出来事だ。雨が降り始め、夜には激しさを増しそうな夕暮れ時、ちょうど四谷駅前の交差点での信号待ちで、正面には迎賓館が見えている。雨が降り始めたこともあり、窓は締め切っていたのだが、ビニールだかプラスチックだかの樹脂が燃えているような臭いが車内にもかすかに入ってきていた。とっさにあたりを見回したが、隣にいる軽トラックからなのか、それともその向こうに見える公園で誰かが何かを燃やしているのか。

同乗者とそんな会話を少しした後、信号は変わり赤坂方面へ車を進めた。異臭の原因は自分の車ではないかということに気づくのに時間はかからなかった。独特の臭いは明らかに何かが燃えているようで、なるべく早く確認したかったが、赤坂見附への下り坂に差し掛かっていたため、そのまま見附交差点まで車を進めた。

雨はもう激しさを増していたが、とにかくライトを片手に車の下を覗き込む。オイルが滴り落ちていた。排気系、ヒートエクスチェンジャーなどに垂れ落ちたオイルはそこで燃やされ煙を上げている。アイドリングで停車していると煙の量は瞬く間に増してゆき、場所が場所だけに人目も引くようになってしまった。覗き込んだもののオイル漏れが何処からなのかということは確かめられなかったが、エンジンストップするといくらか垂れてくるオイル量が減って、煙の量も少なくなるようだ。

何はともあれ同乗者を目的地へ送り届け、帰路は(殆ど気持ちの問題だが)出来るだけ油圧をかけないように低回転・一定速度で走ることを心がけた。信号停車時にはミラーでもライトに照らし出された煙が確認出来る程で、雨が降り続いていたものの、窓を締め切ったままでは臭いに耐えられない程だった。過去に経験した中では、見た目的にも臭いという面でも最も派手なトラブルに見舞われた。そして、偶然とは思えない程、トラブるのは雨の中だ。

日を改め、エンジン上方からのアクセスにより、オイルプレッシャースイッチからオイルが噴出したものだということが解った。劣化によってスイッチからのオイル漏れというのはままある事例だということだ。問合せ先のショップにも在庫があるとのこと、それではと早速出向いてパーツを入手した。ちょうどオイルプレッシャースイッチの直ぐ横に位置しているサーモスタットのOリングもオイル漏れのトラブルはあるとのことで、一緒に交換しておくことを勧められた。確かにインタークーラーもエアクリーナーもばらして潜り込まなければならない位置なので、この際同時に交換しておくのがいいだろう。

作業自体はたいしたことないし、パーツ代も知れている。噴きこぼしたオイルを拭き取ったりなど、掃除の方が大変なくらいだ。930系の車両で滴る程にオイルが漏れるトラブルというのは元々少ない(チューブからの滲みなどはあるが)。ショップの方のアドバイスでは、今回のように突然大量に漏れるケースは大体パーツ代も修理費もかからなくて治ってしまう、単純なものが多いようだ。

発生も突然過ぎて、日頃のメンテナンスでどうにか防げる類のトラブルではないので仕方ないのだが、今回最も心が痛んだのは、同乗者はじめ、街ゆく人が抱くポルシェのイメージを恐らく悪化させただろうということだ。スイッチ一つの故障が、『外車のスポーツカーは大変だぞ』という迷信を、また少々広めてしまうことになったかも知れない。


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