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トラブルと対策


ODD METER012 イグニションコイル不良(2)

1.点火系のトラブルとは

本来ならばイグニションコイル、そう簡単に壊れるパーツではない。油入のトランスであるので、劣化によってオイル漏れが生じることはあるだろう。また点火系統やエンジンマネジメントの見直しの際に、マッチングに応じてコイルを変更することはあるかも知れない。劣化によるオイル漏れもないのに故障というのは滅多なことでは有り得ない。現在Boschから出ているturbo用のコイル(銀色)は製品自体が良くないようだ。従来からある黒いコイルの方はどこかに劣化でもみられない限りは簡単に交換しない方が良いだろう。リフレッシュという意味で交換したいということであっても、黒コイルは万が一の予備として車載しておくことをお勧めする。

前回のコイルの故障が何の前ぶれもなくガス欠に似た症状とともに起こったのに対し、今回の不良は半年程の間不調が出たり出なかったりを繰り返した後、ある日突然症状が急激に悪化し、エンジン停止に至った。コイル不良は前ぶれなく突然に走行中にエンジンストールを招くもの、そしてコイル不良自体がそうそう起こるトラブルではないという2つの先入観が、約半年の間に時折起こるちょっとしたエンジン不調に対してもその原因からコイルを除外させていた。そのうちに点検してみようという項目のリストには載せていなかったのだ。ここで、コイル不良が発生した場合の「もう一つの」症例として書き留めておくとともに、高速道路でのエンジントラブルやレッカーの利用についてもまとめておく。

今思えば前兆とも言える時折見られた不調とは、アクセルオンに対してレスポンスが悪いというものだ。負荷がかかる程その傾向は強く、例えば登り坂が続くようなシーンでは加速が悪く伸びがない。平坦な道では兆候がハッキリと出る訳でもなく、また常時ということでもないため、具体的にどこが悪いのかという結論に至らないまま乗り続けることになる。こうした常時症状が出ていないとか症状が出るタイミングが特定出来ない場合、ショップへ持ち込んでも解決はなかなか難しい。その場で症状を確認してもらえないし、言葉のニュアンスでうまく伝えられるかどうか分からない。

では点火系にトラブルを抱えている場合、具体的にどういう症状が見られるか。

因みにプラグコードのゆるみなどで1気筒が死んでいる場合の症状は以下のようになる。

燃料ポンプを2基搭載し、それぞれを個別のリレーで制御しているturboに、走行中突然エンジンストールが起こるとすればその原因は次のようなことに絞られてくる。
  1. ガス欠
  2. ブーストカットスイッチ断
  3. イグニションコイル故障
  4. CDI故障

このうち1、2に関しては現地での確認も出来るし、対策も可能(【ブーストカットスイッチ故障】 参照)だ。ガス欠でもなく、ブーストカットスイッチをジャンプさせてもエンジンを再始動出来ないならば、残念だが路上での作業で自力復帰は諦めざるを得ない。2人掛かり(1人は運転席からイグニションキーを操作してもらう)の作業が可能であれば、原因がCDIなのか或いはイグニションコイルなのかはある程度判断出来る。タイミングライトを持ち合わせていなくても、プラグを1本取り外し最寄の金属パーツへ近づけてスパークさせる。イグニションコイルの不良の場合、大抵は小さいながらも火花が飛ぶのを確認できる。一方、CDI故障であれば火花は飛ばない

冒頭で、黒コイルを保険的に取り替えた場合は予備として車載しておくのが良いとしたのは、パーツ交換以外に解決策がないトラブルに備えるという意味であり、CDI故障以外に走行中に突然死という可能性は実質的にゼロとなる。

2度目のコイル故障が起きたのは何とも不運なことに高速道路上、しかも真冬の深夜のことだった。スピードの伸びが悪かったものの、一端出てしまえば巡航する分には問題なく走れていた。が、そのうちに登り坂でもないのにパーシャルスロットルでも徐々にスピードが落ち始める。アクセルペダルを踏み込むと激しいアフターファイヤーを引き起こし、何度目かの爆音の後メーター内のコーションランプが一斉に点灯しエンジンは停止してしまった。前後に走行車両はなかった。やや広めの路肩に向かって惰性で転がし、走行車線にはみ出さない位置で停車した。キーを捻るもエンジンは息を吹き返さない。丁度高速に上がる直前に給油をしていたため、ガス欠ではないことは解っていた。また、気温の低さを我慢しながらドアを開けたままスターターを回すと、ハッキリとガソリン臭がするため燃料系統ではないということも判断がついた。

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2.高速道路上での対処

深夜の東北道上りは、幸いに殆ど走行車両がなかった。三角表示を出しておき、ブーストカットスイッチを調べるために常備しているジャンパー線を使ってチェックするが変化がない。こうなると先にも書いた通り、交換パーツがない限り手持ちの工具だけではどうにも対処出来ない領域の問題だということになる。

照明がまばらで暗く、非常電話ボックスを見渡したが見つけられない。携帯電話を使って、電話番号案内からレッカーの手配は出来たが、到着までに3、40分はかかると言う。止むなく冷えきった車内でじっと待つことになるが、そこへパトロールカーが通りかかった。事情を説明し、レッカーの到着待ちであることも伝えたところ、後続車両へ注意を促すために発煙筒を数本炊いてくれた。「ではレッカーの到着までお気をつけて。」

さて、911turboは牽引用のフックをフロントAアーム付近に装備しているが、吊り上げるにはフロントスポイラー部分を激しく捲り上げてしまうことになり、基本的にはロープで引くことしか出来ない。しかもその距離も短距離で留めておくべきで、長距離になればボディへの影響も覚悟しなければならない。

今回のトラブルでは、停車位置が丁度インターチェンジ合流直後であったため、次のインターまではかなりの距離を残していた。が、2km先のPAまでで良ければ低速でロープ牽引もしていただけることになった(通常は故障車対応で待機しているレッカーはロープでの牽引走行はしてくれない)。応援で来てくれた人の対応次第ではあるがネゴはしてみるべきで、最寄りPA(安全な場所)までなら、普段はNGのロープ牽引もOKになる可能性はある。もう一つ。高速道路で待機しているレッカーはあくまでも高速道路上でのサービスしか行わないため、搬送(牽引)先はSAやPAかインターチェンジを降りた地点までとなる。そこから先は新たに別のレッカーやローダーを手配しなければならない。

路上に一定間隔で設置、又SAやPAに設置されている緊急電話は、受話器を上げれば繋がり、JAFやその他のサービス会社へ取り次いでくれる。JAFの場合でも、こちらの状況、車種や移動距離を考慮して別の適当な対応可能会社へ繋いでくれる。何社か候補がある場合なら、直接取り次げる1社以外の連絡先も聞いておいて料金比較もしてみるべきかも知れないが、ローダーでの搬送に関しては、さほどサービス会社間での価格差はないと考えていい。自分の車にキチンと対応可能な救援車を所有している、最短・最速で駆け付けられる会社を選択、依頼することになるだろう。

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イグニションコイル不良.01

ローダーでの搬送


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