2005.3.19〜20 地震!海人号のメンテナンス、潮立装置の取り付け
3月19日
去年の8月の暑い時期に海人号のメンテナンスをして以来である。プロペラや舵にビッシリと牡蠣が付着しているのが海面を通して分かるぐらいだ。速力も27ノット位に落ち、回転も300回転くらい落ちている。それに燃費も悪い。限界だ。
しかし、怠け者の僕は休日を潰してメンテナンスにあてるのには理由が要る。
実はボートクラブの2月号に海人号と同じ型の船のスーパー擬装艇拝見と言う記事が載っていた。
昨年11月に進水したばかりのヤンマーEX40である。最先端の航海機器をはじめ、付けられるものは全て付けたと言うスーパーぶり、セミフライングブリッジがあり、オートパイロット、方位センサー、バウスラッターまで装備されている。とにかくあらゆる最先端機器が揃っているのだ。(ボートクラブの2月号を参照)羨ましくてどれも参考にはなるが、とても真似が出来る程、精神的にも金銭的にも余裕がない。
その中で一際、僕の関心を引いたのが潮立装置だった。沖釣り師であれば、スパンカーを立て狙ったピンポイントを流したいのが誰もの夢だ。しかし、現実には船を潮に立てる操船をしていると釣りどころではなくなる。釣りと操船が気を取られて中々、両立しない。潮立装置は任意に設定した間隔でクラッチ繋いでくれるから一度、現場で設定してしまえば、船頭に代わり、風に船を立ててくれるのだ。これは有難い、独りでも釣りに専念できると言う代物なのだ。
だが、そんな機械で船頭の代わりが務まるのか?大枚をはたいて効果があるのか?不安はつのる。
しかし、その記事の中でオーナーがその潮立装置を絶賛していた。しかもその船は海号と同型、さっそく、ヤンマーに電話して調べてみた。最初はオートパイロットが付いていないと駄目だと言うことだった。オートパイロットとその装置を付ければ80万円位はかかるだろう。ゲゲェ!無理、無理!諦めたころにまた、電話が入った。『セカンドステーションが付いていれば独立型の潮立装置があるみたいです。価格も何分の一だし、取り付けも自分でできますよ!』シメタ!と思った瞬間、発注してしまった。我ながら悲しい嵯峨である。
しかし、本当に自分で取り付け工事が出来るんだろうか?不安になり、かつさんに相談した。次の日曜日にかつさんが来てくれ、機器を持ち込んで、位置を決め、取り付け台も製作してもらえることになり、何とかなりそうな気持ちになってきた。
装置を取り付ければ、スパンカーも張らなければいけない。それなら船も揚げてメンテナンスも一緒にやってしまおうと相成ったのである。
19日土曜日、ききぴろさんとはるさんが手伝いに来てくれた。海人号を船台に乗せ、スロープを引き上げると案の定、舵板とシャフトに牡蠣がギッシリと付着していた。しかし、船底には殆ど、牡蠣は付いていない。実は前回、エコペイントと言うセラミック系の船底塗料を使った。このペイントは従来のように海に溶け出さずに海をよごさないで普通の塗料の2倍の効果があるとのことだった。効果はテキメンだった。この塗料はいいぞ!
キキピロさんにはウォタージェットで船底を洗ってもらい、はるさんと僕は舵板やプロペラ、シャフトにプライマーを塗り、その上に船底塗料を塗った。しかし、中々、はかどらない。今日中に船底塗装まで終わるだろうか?と思っていると、そこへ以前、マリーナに船を置いている時の知り合いが通りかかった。ここで会ったら百年目とばかり、手伝ってもらうことにした。(ごめんなさい!)さすがにプロである。テキパキと仕事をこなし、あっという間に船底塗料が塗りあがってしまった。今日の仕事はここでおわりである。
20日日曜日、翌朝、キャンピングカーに泊まっていた僕はモーニングコーヒーを入れているとかつさんが来てくれた。今日は潮立装置を付けるのだ。やがて、はるさんと金さんも来てくれた。
金さんとはるさんに船底塗料の塗り残しや舵板の2回目の塗装をお願いし、かつさんと僕は船にあがり、潮立装置を取り付けていた。午前11時頃だったろうか、僕がエンジンルームに入っていると突然、と船が小刻みに揺れ始めた。
何があったのだ?とっさにワイヤーが切れて船が海の方へスロープを転がり出したではないかと思った。ヤバイ!船の下には金さんとはるさんがいる。慌てて甲板に飛び出した。かつさんは「うみさん、エンジンをかけた?」と叫んでいる。『そんなぁ!陸揚げしているのに・・・・』と思いながらもわけ分からず、エンジンを確かめに行った。それが地震だと気づくまで多少の時間を要した。電柱が大きく揺れている。ラジオを聴いた。玄海沖でマグニチュード7.0の地震、津波の到達まで10分!ヤバイぞ!津波が来ても船はどうしょうもない。
それよりまだ、殆どローンが残っているキャンピングカーとそれぞれの車で丘の上に避難した。
丘の上から見るとまだ防波堤の上で釣りをしている人もいる。釣り人が避難を呼びかけたにも関わらず、たかをくくって応じなかった人たちだ。
沖にいる友人にも電話をするが通じない。携帯電話が使えないのだ。かめさんから津波注意のメールが入ってきた(仲間内だけでも緊急時のメールのネットワークを作る必要性を強く感じた)
しばらくすると何事もなく、津波警報は解除された。本当に津波が来たらと思うとぞっとする。
船に戻り、作業を再開する。潮立装置はかつさんに取り付けしてもらい、金さんに配線をお願いした。配線が終わる
と機械のスウィッチを入れ、リモコンでレバーを動かして見る。おおぉ!コントロールヘッドのクラッチレバーが連動して動くたびに歓声があがる。なんか、上手くいってそう!今度は海上のテストだ。陸の上ではエンジンが掛けれないので本格的なテストが出来ない。スロープを滑らせ、海に浮かべえた。まず、走行テストだ。
船が軽い、船速は33ノット近くでている。気持ちが良い!次に潮立装置のアクチュエーターユニットで細かいセッティングを行う。クラッッチレバーがカチッと入ると前進する。後進OK,中立時間OK,完璧だ。あとはスパンカーを張って本当に潮に絶つかどうかだ。
一旦、港に戻り、スパンカーを張り、再び、沖に向かう。北西の風がかなり吹いている。船を風上に立て、前進を一秒、中立を10秒にセットした。船は風上を向いたまま、微動だにしない。保進しているぞ!おおぁ!歓声!釣り糸を垂らしてみる。
糸は若干斜めである。前進の時間を調節する。真っ直ぐ、海底に向かって糸が立った。そのままである。
凄い!あとは何にも触らず、その状態を維持しているのだ。素晴らしいの一言。
これでピンポイントで正確に狙える。何よりも嬉しい。今後が楽しみになってきました。あとは釣果を出すだけ・・・・・
かつさん、キキヒロさん、はるさん、金さん、貴重な時間を割いて手伝ってくださって本当にありがとうございました。
このご恩は釣果で返します。鯛釣りに行きましょうね。