露地各部の名称


外露地と内露地
 露地は中門を境にして二重につくられる場合、露地口から中門までを外露地といい、中門から茶室に近いほうを内露地という。まれに三重にするときは中露地が加わる。

中門
(ちゅうもん)
 外露地と内露地のとの仕切りとして設ける門の総称。屋根のない中門には、揚簀戸(あげすど)、猿戸(さるど)、枝折戸(しおりど)などがあり、屋根のある中門には、中潜り(なかくぐり)、梅見門(梅軒門)(ばいけんもん茅門(かやもん)、竹葺門(たけぶきもん)などがある。
 外部に面している庭門や露地門に比べて軽快な構造で、屋根も茅葺(かやぶき)、檜皮葺(ひわだぶき)、杉皮葺、竹葺などである。

寄付
(よりつき)
 茶会に招かれた客が待ち合わせる場所。ここで服装を整えるなどの準備をして露地入りの案内を待つので、袴付(はかまつけ)とも呼ばれる。住居の一室が当てられることもあるし、外露地に一亭を設けることもある。また、外腰掛でこの機能を兼ねる場合もある。
 待合(まちあい)は、腰掛(こしかけ)を指していわれたり、寄付を指していわれる。

腰掛
(こしかけ)
 腰掛待合、単に腰掛ともいわれる。ここで亭主の迎付を待ち、また仲立ちして再び席入りの合図を待つためのもの。露地が二重露地に発展して内腰掛と外腰掛がつくられるようになった。

飛石
(とびいし、畳石(たたみいし)
 露地の道の形式には飛石と畳石が用いられる。客は飛石を伝い歩いて、茶室の入口に到達する。最終の石が踏石(ふみいし)といわれ、沓脱石(くつぬぎいし)ともいわれる。すべて自然石で上面の平のもの選ばれる。
 飛石ばかりでは自然味に欠け、変化を与える意味でも畳石を用いる。山石の切石でつくられた切石敷を<真>とし、山石や川石でつくった延段(のべだん)を<行>、山石と苔で霰崩し(あられくずし)をつくり<草>に分類される。茶人の趣向でこれらが使い分けられる。

蹲踞
(つくばい)
 手水鉢(ちょうずばち)の一形式。鉢の捉え方によって立ったまま用いる立手水鉢と蹲踞の形式に分かれるが、露地にはもっぱら蹲踞の形式が採り入れられた。鉢を低く据え、つくばって手水を使うところからこの名がある。
 手水鉢は「浮世の塵」を払うための露地における最も重要な設備とされ、いつの頃からか手水鉢と前石のほかに、手燭石(てしょくいし)と湯桶石(ゆおけいし)といわれる役石が配されるのが蹲踞の通型となる。また蹲踞の付近に鉢明かりの灯籠を配置することも通例となっている。流儀によって役石の配置は違いをみせ、表千家茶道は左に手燭石、右に湯桶石を配し、裏千家茶道はその逆に配置する。

雪隠
(せっちん)
 露地内の便所のこと。外露地には下腹雪隠(したばらせっちん)、内露地には砂雪隠(すなせっちん)を置くのが慣例となっている。砂雪隠は飾雪隠(かざりせっちん)ともいわれ実際には使用されないが、客は拝見をし亭主の行き届いた心配りに触れる。

塵穴
(ちりあな)
 木葉など塵を捨てるための穴。外腰掛の付近に一カ所、茶席の躙口(にじりぐち)の付近に一カ所を設けるのが定法といわれる。
 覗き石といわれる小さな自然石を添え、青竹の塵箸(ちりばし)をたてかけておく。

関守石
(せきもりいし)
 黒い蕨縄(わらびなわ)でくくった小さな石が飛石の上に置かれていることがある。これを留め石(とめいし)ともいい、通行止めの標として使われる。

(「淡交別冊 茶室」淡交社、
「茶室と露地」世界文化社)


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