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<まえがき>
誰しも海外に行くことが決まってから、海外でもメールをやりたいし、インターネットで情報収集や情報発信をしたいというような欲求は少なからず沸き起こってくるようだ。特に時差の大きい国に滞在する場合、日本に電話しようとしても日本の時刻を考えれば、現地時間としてはとんでもない早朝とか深夜の時間に電話しなくてはならなかったりするが、電子メールだと少なくとも時間は気にせずに送ることが出来る。
てなことで、最近はパソコンを持って海外に行くという人も増えており、小生にも「どうやったら良いのですか?」という質問が多く寄せられるようになったので「よくある一般論」ではなく「実際にはどうなのか」というところに焦点をあてて書いてみます。
<事前にやっておかなければならないこと>
イギリス用
フランス用
ドイツ用
また、「インターナショナルキット」として、主要各国のモジュラー変換と電源プラグ変換をセットにした製品も発売されています。
インターナショナルキット
<正論>
外国に滞在する場合、そこの国のあらゆる法律に従わなければならない。
小生が世界各国の法律をつぶさに把握している訳ではないが、日本の事情を考えればおのずと類推は可能である。たとえば「電話線に所轄機関の認定機器以外は接続してはならない」とか「電話線を通じて交換機などに被害を与えた場合は何らかの罰則規定が用意されていて、最悪の場合、逮捕ということもありうる」などは法律論としては常識の部類だろう。
この論法に従うなら、海外ローミングにおいて使用可能な「インターフェース」としては「音響カプラー」しか存在しないことになり、モデムですら「違法」である。
なお、現在国内数社から「インターナショナルモデム」と称して外国の認定を受けたモデムが発売されているが、これとてもすべての国で認定を受けている訳ではないので「パーフェクト」ではないのだ。
実はこの「音響カプラー」という装置、現在のようなモデムが出現するまでは「モデム」といえば「音響カプラー」のことだったのだ。だから歴史はとても古く、モデムがこれほど普及した現在でも製品として存在しているということは上記のような理由や、下記「部屋にモジュラーコンセントがない場合」に有効であるからだ。
欠点?としては「高価である」こと「荷物になる」ことなのだ。
音響カプラー
音響カプラーというのは、言ってみればスピーカーとマイクを組み合わせたもので、電話線の電気信号をダイレクトにモデムでやりとりするのではなくて、「音」としてパソコンに取り込むもので下図のように受話器に密着させて使用します。

<モデムセイバーについて>
モデムセイバーとは、モデムと電話回線をつなぐ前に、モデムにとって安全な回線かあるいは危険な回線かをチェックする電話回線テスターで、過電流によるモデム回路の破壊を防ぐことができるという装置です。
使用方法は最初、電話回線にモデムセイバーを突っ込み、回線をチェックして、異常があった場合は付属のアダプタで対策を行い、良好になったところでモデムセイバーのおシリにモデムを接続するという使い方になります。
モデムセイバーの例
本体裏側
慎重派の方は必ず用意しておいた方が良いでしょう。それに上の写真の製品のように
が付属しているものは便利です。
でも、必ずしもモデムセイバーが「異常」と判定したからといってモデムが壊れるものではないということも付け加えておきます。でも、「もしもモデムが壊れたら・・・」その先をどう考えるかはあなたの自由です。それからこれは「音響カプラー」を持っている人にとっては無用の長物でしかありません。
<部屋にモジュラーコンセントがない場合>
滞在先のホテルの部屋の壁に自分が用意して持っていったのと同じタイプの電話線のコンセントを見つけて、それがちゃんと使えた場合はもう何も言うことはない。
だが、「部屋にモジュラーコンセントがない場合」というケースを想定することこそが「海外ローミングを考えるときの最も重要なポイント」なのだ。現にどんな先進国と言われる国でもちょっと田舎の方に行くと「壁にモジュラーコンセント」なんてホテルにめぐりあうことは奇跡のようなものになってくる。
このページで最も強調したいことは、上記のような変換セットを用意したことで、海外ローミングの成功を約束されたと勘違いしないで欲しいという一点に尽きる。
これが電源の場合だと部屋に電源のコンセントがなかったというようなケースはあまりなく、きっと掃除機を使うためとは思うのだけど、各部屋にコンセントが一ケ所は必ずあるから、買って持って行った電源変換プラグというのはほとんどの場合、元を取れる買物になる。
てなことで、せっかく用意した「モジュラー変換」が使えない場合に備えて、小生が愛用している「インターナショナル・テレホン・インターフェース」を紹介しよう。

この写真を見て、これがどういうものかピンとこない方は「海外ローミング」とは縁がないと思っていただいて結構です。
なおこれは小生の自作というか電子部品の廃品利用みたいなもので、ローゼットの部分は電話工事屋さんが現場に捨てていったものですし、クリップは70円ですから、いくらもお金はかかってないのですが、電話の重要な定理に基づいているため、他のどんな「変換アダプタ」よりも優位に立っております。その定理とは「電話線とは2本の導線である」という定理です。
なお、つい最近までクリップ部分が「みの虫クリップ」だったのですが、コンパクトな電話機の場合、ターミナルポストが小さいために、隣の配線とショートしそうな事例が増えてきているので、ショート事故の防止と接触の安定性向上の目的でこのタイプに変更しました。でもこのNTTの純正ローゼットは一切の工具なしにリード線側の線を入れ替えることができるので、瞬時に「みの虫クリップ」に付け替えることができます。
つまり、一般に売られている「変換アダプタ」は
という決定的な欠点があるのです。
いつだったか某国において、最初は首都のホテルに滞在していて、用意していたモジュラー変換が使えたので「余裕」をかましていた人たちが、地方都市に移動した途端に「部屋にコンセントがない」ことに気がついて大慌てしてた光景を思い出してしまうのだけど、最初からこいつを用意しておけば、そういうパニックにはならないで済む。どこの国でもこいつさえあれば大丈夫であることから、こいつを「インターナショナル・テレホン・インターフェース」というように命名させていただいた。
もちろん、外国行きが決まった時点で当該国用の電話・電源変換アダプタは用意するが、こいつはだけは絶対に忘れないようにする。当然のことながら、部屋にモジュラーがあった場合はそれを使う方がはるかに快適であるから。
実は小生の大阪での定宿である某ホテルもこれなくしてはネットに接続できません。
<「インターナショナル・テレホン・インターフェース」の使い方>
まあ、こんなもんに使い方もへったくれもないのだけど、上記「電話線とは2本の導線である」という定理にしたがって、2本の導線を露出させなければならない。一般的に「部屋に電話コンセントがなく、電話機もモジュラーコンセントタイプではない」という場合がこいつの出番ですから、そういう時は電話機のカバーをドライバーで外して、電話機の入り口にある電話線にクリップして使うのが良いでしょう。
なお、この方法はあくまでも「ホテルの設備に危害を加えない」ということが条件ですし、常識でもあります。またホテル側に「不信感」をもたれないように外出するときには完全に復元しておくことは言うまでもありません。ぶざまに分解されたままの電話機を放置して、それを見つかってしまうなんてのは絶対に避けなければなりません。
どっちにしても、こういうのは間違いなく「違法行為」なのですが、こういう方法しかない場所に長期間滞在することになって「やむを得ず」行う場合は
行うのだということを肝に銘じて欲しい。それが出来ないとか、自信のない方は絶対にやめていただきたい。
また、安直に、ドライバーを用意してなかったという理由から電話線の途中を切断して導線を露出させるなんてことは常識以前の問題です。町にドライバーを買いに走るくらいの余裕を持って下さい。
すると、そこで「長期滞在なのに毎日分解・復元を繰り返さないといけないの?」って疑問が湧いてくるかとは思うが、そこんところは知恵を働かせて欲しい。 「電話線とは2本の導線である」という定理を思い出せば、電話機を分解して2本のリード線をターミナルポストに巻き付け反対側を電話機の外に出したまま電話機を復元しておけば良いのだ。電話機から外に出す長さは1cm程度、最短のものにしておけばお掃除にやってくるお姉さんとかにもなかなか気づかれるものではない。くれぐれも「出した線の先端部分のショート」に気をつけてください。あらかじめそういう細いリード線を用意しておくというのが「本当のプロ」の仕事なのだ。
だからここで
というのをパッキングリストに加えなければならない。
<電話機がモジュラーだったとしても・・・>
もしも「部屋にモジュラーコンセントがない場合」だったとしても、電話機の裏側を見て欲しい。ひょっとすると電話機がモジュラーコンセントタイプ(たいてい日本と同じRJ-11タイプ)かも知れない。でも、そこで喜ぶのは100年早い。たとえばイギリスとかフランスとかでそういうタイプの電話機が普及しつつあるが、どっちの国もモジュラープラグ(RJ-11)の結線が異なるために、それをそのままモデムに接続しても使えない。
このRJ-11という4極のプラグは日本やアメリカなどでも使われている一般的なものだが、日本やアメリカでは4極のうち内側の2本を使用しているのに対し、ヨーロッパ系では外側の2本を使用しているのだ。だから「なるべく手を汚したくない」という人はRJ-11の「内外変換」というのを購入するか自作して用意しておこう。
<課金パルスによるハングアップ>
小生は幸いにもそういうトラブルに遭遇したことがないのだが、一部の国では料金計算のため電話交換機から挿入される課金パルスによってモデムが一時的にキャリアを検出できなくなり、回線が切れたと判断してモデムが勝手に回線を切断してしまうという状況が考えられる。また当然のことながらホテルなどでも入ることもある。
可能性のある国はAustria, Belgium, CzechRepublic, Germany, India, Spain, Switzerland などだ。
このようなケースでは通信が切れてしまうことがあるので、何らかの対策をしなければならない。理想的には"TeleFilter"と呼ばれる機器を挿入することだ。これは、この外部信号をフィルターでカットしてやる機器だ。
TeleFilter
あるいはもっと簡単(?)に対策するのなら、モデムのATコマンドでS10レジスタの値(0-255)を変えてやることで対応する。たとえば"ATS10=xx"とするとキャリア喪失後(xx/10)秒でハングアップするようになる。逆に言えばキャリアを喪失しても、その時間内はハングアップしなくなるということだ。
しかし、モデムのメーカー・機種によってはS10ではなくて別の番号(S25など)に割り振られている場合があったり、"xx"の単位が1/10秒のものと1/100秒のものが存在するので、最終的には各モデムの取扱説明書"Sレジスタ一覧表"の項を見て確認するしかない。
また、この設定は"AT&W"コマンドでモデムに書き込めないと思うので「モデム初期化コマンド」の中にこのコマンドを埋め込んでおかなければならない。マックの場合だとCCLファイルの修正ということになるが、これの話は長くなってしまうので各自で研究して欲しい。
<ダイヤルアップについて>
電話のもうひとつの重要な定理を紹介しよう。「取り扱う信号は音声信号である」という定理だ。それがどうしたというような方は甘い。音声信号であるということは「耳で聞くことが出来る」ということなのだ。
我々が上記のような「ハード的な」諸問題をクリアして、いよいよめでたく海外のアクセスポイントにダイヤルしようという時、モデムなりパソコンから発せられる音を全神経を注いで聞いておかなければならない。モデムの設定で「スピーカーをOFFにしている」なんてのは論外だ。
うまくつながらない場合、何が起きているのか「耳」だけでかなりのことが分かってしまうからだ。
そして、どうやっても「PPP」からの接続が出来ない場合、マックのPPPは「手動接続」というモードを使えるのは御存知だろうか?モデムを接続した状態で、モデムにダイヤルさせるのではなく手動で電話機からダイヤルし、相手が出た途端に「接続」するというモードだ。
このやり方は時々国内でも使わなければならないものなので、この手法をマスターしておくことは「必須科目」である。
<アクセスポイント>
もしも接続がうまく行かない場合は、モデムをやめて「普通の電話」のように、そのアクセスポイントに電話して見よう。PPPに設定したと同じダ方法でダイヤルで電話して、相手の「ビーギャラギャービー」が受話器から聞こえるだろうか?聞こえればそのアクセスポイントは正常と判断しても良いだろう。
もしも、アクセスポイントが死んでいるかも知れない場合、違うアクセスポイントを試してみよう。他の市内番号か、なければ市外、それもなければ隣国でも良い。最終的には国際電話にして、普段使ってる日本のアクセスポイントに変えてやってみるのも非常手段として考えられる。長電話する訳ではないから最終的には日本の「普段のアクセスポイント」を海外から常用したとしてもメールの送受信くらいだったら常識的な範囲内での電話料金で収まるだろう。後はあなたに「海外滞在者に向けてデカイ添付書類をつけてメールを送信するようなおバカなお友達」がいないことを祈るのみだが・・・。
それから、国際電話するときの電話番号の「お約束」は知っておく必要があるでしょう。出発前に「日本を含めた関係各国の国番号とそれらの国における国際電話番号」は調べておきましょう。
(以上・・・後は気が向いたら、もしくはリクエストがあったら加筆してゆきます)