知的所有権等に関する今週のone point

 ■水不足解消へ国際規格化!■
ウォーター・フットプリント

「綿シャツ1枚2700リットル」、「牛肉100グラムに1550リットル」
こんな表示が現れるかも!?
水不足解消へ国際規格化!

 この数値は、綿シャツや牛肉などの工業製品や食品製造に必要な水の量を表示するウォーター・フットプリント(WF)となります。
 世界的に懸念される水不足の緩和に使おうというもので、現在、国際標準化機構(ISO・ジュネーブ)が国際規格を策定中で水資源に与える影響を数値化し「消費者に知らせることで水使用の抑制に役立つことを期待したものです。
 飲み水や洗濯などで直接使用する水だけでなく、食品や日用品を消費すればそれらの生産に要した水を間接的に使用していることとなり、それらの全体を意識することが環境意識を向上させると言われています。
例えば牛肉100グラム−1550リットルの水がいるとされます。子牛の飼料の生育に全体の6〜7割が必要で、ほかは母牛の餌。飲料水や洗浄水は1割弱。綿シャツに使う水は9割が綿花栽培に費やされるとのことです。
この数値も、現在は各国の研究者が独自算出しており、数値のばらつきが大きいため、ISOが一昨年、規格化に乗り出し、6月末には素案ができ、乾燥地と湿地で違う水の価値なども考慮して算出することも決め、数年以内に最終案をまとめることを目指しているようです。

 図を見るといろいろなことに気がつかされます。
 気軽に使用する紙ですが、A4用紙1枚の消費は実は水を10リットル使用していることになります。パン1切れでも40リットルの水消費となります。ハンバーガーに至っては1個食べると何と2400リットルという膨大な水消費につながることに驚きます。
 似たような食品でも水の使用量がかなり異なる場合があります。紅茶1カップは、茶葉3g分の生産に要する水資源を考えに入れると、実は、30リットルの水の消費に。一方、コーヒー一杯は140リットルと紅茶1カップの4倍以上の水を消費している勘定ととのことです。これは、コーヒー豆の生産の方が多くの水を要するためとのことです。

農畜産物に関しては、穀物より畜産物の方がウォーターフットプリントは大きいとされています。トウモロコシ100gの水消費は90リットル、牛肉100gは1550リットルと17倍の水が必要となります。家畜は食肉に至るまでに大量の飼料作物を食べるほか水を飲み、水を浴びもするからとのこと。

 日本の中でも「水不足を感じない日本でも、身近な商品に表示があれば環境意識を向上させるきっかけになる」としてこうした取り組みを企業も現れています。

数年後には、このような表示がなされている製品が巷にあふれて、少しでも国際的な水不足解消への関心が高まることを願います。

ウオーター・フットプリント:「水の足跡」の意で、商品の原料作りから加工、流通など、消費者に届くまでの全工程で使われる水の量をたどって数値化する考え方。

参考文献:日経MJ新聞2011年8月14日号、社会実績データ図録より

作成日:2011年8月29日


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