中国内外チベット関連消息


2008年 4月
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ダライ・ラマ特使、中国語報道機関記者と会見

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月 2日付)より

自由アジア放送(RFA)4月1日付:
   ダライ・ラマ特使ギャリ・ロディ・ギャルツェン駐米特別代表は、ラサで不幸な事件が起こってしまったが、ダライ・ラマの非暴力による中道路線、平和政策の徹底に変わりはないと述べ、中国の指導者に政治力を示してなるべく早くダライ・ラマとの話し合いの席につくよう呼びかけた。

   この数年幾度も中国政府との折衝で北京を訪れているギャリ・ロディ・ギャルツェン特使は3月31日、ワシントンの中国語報道機関記者を招き、ダライ・ラマとチベット亡命政府の立場と姿勢を説明した。International Campaign for Tibetの本部で行われた会見には、新華社、フェニックスTV、世界日報北米支局などの報道機関から約10名の記者が参加した。

   ギャリ・ロディ・ギャルツェン特使は、このところチベットで起きている事件に心痛め、中国の五十年にわたるチベット統治が成功していないことを述べ、それゆえいっそうダライ・ラマを代表とするチベット人との対話交流が必要であると、次のように語った:
「半世紀にわたる北京政府のチベット政策には多くの誤りと問題があった。今回チベットで起こった事件から、多くのチベット人が危険を冒してまで文化と宗教の権利を要求したことからもこの点を明らかにしている。この数日、我々もまたいくつかのルートで北京と接触し、衝突を拡大させないよう、漢族とチベット民族との間にさらに大きな対立と憎しみを生み取り返しのつかない局面を招くことのないよう対策を求めてきた」
「2002年に北京との接触が回復してから、ダライ・ラマと北京との間に有効な交流のルートが開かれたが、しかしどの対話もなんら実質的な結果をもたらすことはなかった」
「しかしたとえこのような緊張した状況下にあっても、ダライ・ラマはその中道政策を放棄しない―即ちチベットの独立を求めず、中華人民共和国の枠の中で真の民族自治が行われることを求めるものであり、この先もこの方向性に変わりはない。漢族とチベット民族の間でいかなる対立が生じようとも、対話、話合いと歩み寄りを通して問題を解決していかなければならず、またそうするほかになく、これが唯一の方法なのである」
   特使は以上のように言明し、北京政府に時機を逸することなく即時決断するよう呼びかけた。

   特使はRFA記者の質問に対し、いまのところまだダライ・ラマ代表と北京との七回目の対話のスケジュールはないが、双方対話の主導権は目下北京側が鍵を握っており、チベット問題の解決をけっして難しいこととは考えていないダライ・ラマに対し北京側はそうではないようで、ダライ・ラマは自分が北京オリンピックを支援していることを重ねて言明している、と答えた。

   またダライ・ラマと特使自身は機会あるごとにチベット人とその支持者に、いかなる暴力も行ってはならず中国人を恨んでもいけない、と呼びけていると述べ、次のように語った:
「チベットから或いは国外であれ全体的に見て、チベット人のやり方は基本的に平和的な非暴力の範囲内に留まっているということを指摘しなければならない。非常に不幸なことに一部のチベット人は怒りに任せたやり方で、甚だしくは僧侶に至るまで急進的な行動にでることがある。わたしは機会あるごとに集まっているチベット人たちに急進的な暴力行動を起こして我々の事業を損なうことのないよう強調している。チベットの五十年にわたる闘いの貴重な財産、それは我々のこうした非暴力による平和的闘争の原則なのだ」

   北京側にはダライ・ラマとチベット問題解決のために真剣に話し合うという政治的望みがなく、ダライ・ラマが存命中にチベットに帰還できないとなれば、中国にとっていっそう厳しく複雑な局面に直面することになる、それゆえいまはダライ・ラマだけが、その影響力をもって絶望を感じているチベット人たちに平和と非暴力の路線を歩み続けていくことを約束させることができる、と特使は考えている。

   特使はさらに、いまの中国の指導者たちはよりよい教育を受け、世界情勢も深く理解しているのだから、大国の政治家としての政治力をもって漢族とチベット民族との間にある対立や問題を完全に解決してほしいし、中国語報道機関には両民族の恨みを煽り立てるのではなく、対立緩和と不一致を取り除くことで為すべき役割を果たして欲しい、と述べた。


  

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中国公安部、騒乱画策の証拠挙げる

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月 2日付)より

自由アジア放送(RFA)4月1日付:
   北京公安部の報道官は、ラサの騒乱を企てた者が捕らえられ、ダライ・グループから転覆分裂を言いふらすよう指示されたことを白状したと述べ、さらにチベット独立派が決死隊を送り込もうとしていたことを指摘した。
   内地のチベット人は政府側の言い方に異議があっても口には出せないと言う。一方、チベット亡命政府側は中国側の告発にことごとく反駁している。

   北京公安部の武和平(ウー・ホーピン)報道官は4月1日の記者会見で、ラサ市公安局がすでに直接騒乱を企てた中心人物を捕らえ、容疑者がダライ・グループから分裂活動を行うよう指示されたことを認めたことを明らかにした。容疑者はチベット内地に地下情報ネットワークをつくり、民族分裂の宣伝活動を行い、蜂起を促す呼びかけやその他宣伝のための物品を密かにチベットの人々にばらまいたとして次のように述べた:
「容疑者によると、2006年11月からダライ・グループの某官僚と連絡をとり、国内の関係情報を大量に収集しインターネットを通じて国外へ発信するとともに、国外からダライ・ラマの活動や様子を受信しラサなどで撒いた。また暗号をつくり、ダライを"叔父"、雪山獅子旗を"スカート"と称して密かに連絡を取り合い転覆活動を行った。3・14事件はダライ・グループによる"チベット人大蜂起"計画の一部だった」

   チベット亡命政府のダワ・ツェリン外務担当官は同日、RFAの取材に答えて、北京公安部の言う"チベット人大蜂起"が海外の一部の急進的な人権活動家やグループによる"チベット人よ立ち上がれ"という呼びかけと同一視されたものかどうかいまのところわからないが、チベット亡命政府が関わっていないこの活動もけっして綿密に組織された暴力行動ではないと思う、と述べた。

   さらに、先の容疑者の供述についての信憑性に疑問を投げかけ、中国側が言う "証拠"というものそれ自体が言論の自由に属するものであって、むしろ密かな交流を広めざるを得ないと次のように述べた:
「この種のことは誰の指図も必要としない、多くのチベット人がみなやっていることだ。国内のチベット人がネット上で使うダライ・ラマの呼び方はみなネット用語であり、そうでなければ全く伝わらない。これは全くの情報伝達、言論の自由、思想表現の伝達であって、暴力の扇動でなければ許されるべきものだ。ところが証拠が必要となるとこういったことを挙げてくる。中共のこういったやり方は1989年の鎮圧、文革において多く使われ、いまもって記憶に新しい」

   中国側の言い方について、国内のチベット人に彼ら自身の考えを聞いてみたところ、ラサに住む女性は、テレビで見たことの一部は本当かもしれないが、一部はただの宣伝に過ぎない、と述べ、ラサ事件について政府側が言っていることに対する意見を求めると、電話が盗聴されているから話すことはできない、と真実を話せば面倒がおこるとほのめかした。

   3月14日にラサで騒乱が発生して以来、中国当局はダライ・グループが陰で操っていると指摘し続けてきたが、今回初めて彼らがいうところの"証拠"を公表した。
   公安部報道官はさらに、先頃多くの寺院から大量の銃、弾薬、爆薬が見つかったと指摘している。

   これに先立ってチベット亡命政府は、中国当局がチベットの寺院を捜索して銃やナイフなどの武器―実はこれらは昔チベット人が殺生戒を守る証しに自主的に寺に献上したもの―を発見し僧侶たちにこれらの武器を持たせて写真をとったという知らせを受け、濡れ衣を着せられるのではないかと国外のチベット人権団体に憂慮を表していた。

   北京公安部の武和平報道官は「チベット独立派は決死隊を突入させようと、流血の犠牲も辞さない構えだった」と述べ、独立派の次なる活動が決死隊による暴動を起こすことだったと発表した。
   同日、中国外務省報道官もダライ・ラマが先日発表した公開書簡も全くのでたらめであり、"非暴力"の主張も偽りであると厳しい口調で譴責した。

   これに対しインドのチベット亡命政府は、チベット人による決死計画を即否認した。ダワ・ツェリン対外担当官は、もしそんなことがあれば、中共に制圧の言い訳を与えるだけだと次のように語った:
「中国当局はそうなることを望んでいるように見える。そうなれば新疆ウイグルのように反テロの旗印の下にチベット人を憚ることなく鎮圧することができるからだ。だがわたしはそうはならないと確信している」。


  

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甘孜州ニャロンで僧侶が当局と衝突

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月 3日付)より

Voice of Tibetノルウェー4月2日付:
   カム(四川省甘孜州)ニャロン(新龍)県シワ・ゴンパの僧侶たちの抗議行動に対し当局が寺において愛国教育を行いダライ・ラマへの中傷を強要したため、僧侶と当局との間に衝突が発生。現在寺は全面包囲され、立ち入り禁止となっている。

   情報提供者によると、3月29日、地方の党役人に組織された工作隊がニャロン地区のシワ・ゴンパで会議を開き、最近ラサ。アムドで発生した抗議行動がダライ・ラマの画策によるものであると言明、全ての僧侶にダライ・ラマに反対するよう求めたところ僧侶全員から拒絶された。
   当局は自分たちに協力させようと僧侶たちの説得を試みたが、彼らは"チベットに自由を"、"ダライ・ラマ万歳"と叫んで抗議し、工作隊が寺の入り口に駐車した2台の車をひっくり返した。これに対し当局は武装警察を派遣して寺を包囲し僧侶全員を閉じ込めた。これまでのところ僧侶に逮捕者が出たという情報はまだ入っていない。

   一方、台湾メディアによると、ラサ市街ではすでに一人の僧侶の姿も見かけなくなったとのこと。以前居住していた高僧の話では、現在武装警察が各寺院内に駐留し、デモに加わって逮捕された僧侶を除いてすべての僧侶に愛国教育が行われているという。

   外電もまた、北京当局による隙のない統制と鎮圧をもってしても民間の抗議デモはいまだ収まっていないと報じている。
   甘南チベット区ツォネのチベット中学では連日高級中学(=高校)生徒によるストライキが続いている。
   ラサ市街では至る所武装警察による警戒とパトロールが行われ、郊外にも至る所に検問所が設けられている。ラサTVでは指名手配と逮捕者情報の放送が続いており、依然として変わらない緊張状態に、ラサ市長も観光客に一時チベット入を遠慮するよう呼びかけた。

   海外世論も今回の動乱について、中国側高官の話に先週から矛盾するところが出ていることに注目している。
   香港のコラムニスト李怡は4月1日、苹果日報に次のように書いている。
「温家宝首相が出したダライ・ラマとの対話の条件とは、ダライ・ラマが"その影響力をもって目下チベットで発生している暴動を止める"ことを希望するというものだが、これは人民代表大会閉会の記者会見で語ったことの自己否定に他ならない。温家宝はあの時、ラサ事件はダライ・ラマが"計画的、長期的、念入りに画策したものだ"と語った。この言い方に基づくなら当然、ダライ・ラマに"この活動を止めさせる"と言うべきで "その影響力をもって"とは言わない。影響力をもって働きかけることは政治的指導者であればできることで、温家宝がダライ・ラマにそれを求めたということはこの暴動がダライ・ラマによるものではないことを示しているのである」。


  

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中国人弁護士、チベット人逮捕者に救いの手

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月 3日付)より

(以下、チベット人支援を希望する弁護士の署名一覧)

   中国国内の報道によればチベットにおける"3・14事件"ですでに数百名が逮捕されています。わたしたちは職業弁護士として、関係部門が憲法、法律、刑事訴訟の手続きに厳格に従って逮捕されたチベットの人々を扱い、拷問による自白強要を途絶し、司法の独立性を尊重し、法の尊厳を守るよう希望します。わたしたちはここにおいて関係案件に深い関心を示し、逮捕されたチベットの人々に法律的支援を申し出たいと思います。

 署名者(第一期 18人、姓氏ピン音順)
程 海(チャン・ハイ) (北京正海弁護士事務所)
郭 艶(グオ・イェン) (広東)
江天勇(ヂャン・ティエンヨウ) (北京高博隆華弁護士事務所)
黎雄兵(リィ・ションビン) (北京高博隆華弁護士事務所)
李敦勇(リィ・ドゥイヨン)  (北京共信弁護士事務所)
李蘇濱(リィ・スービン)  (北京共信弁護士事務所)
莫宏洛(モォ・ホンルオ) (河南潤洛弁護士事務所
劉亜軍(リウ・ヤージュン) (北京憶通弁護士事務所)
彭 剣(パン・ジエン) (北京漢良弁護士事務所)
孫建国(スン・ジェングオ) (江蘇佳蘭弁護士事務所)
滕 彪(トン・ビアオ) (北京華一弁護士事務所)
唐荊陵(タン・ジンリン) (広東)
魏汝久(ウェイ・ルージウ) (北京盛廷弁護士事務所)
温海波(ウェン・ハイポー) (北京憶通弁護士事務所)
?宏巍(ウー・ホンウェイ) (北京海銘弁護士事務所)
張 海(ヂャン・ハイ) (山東華冠弁護士事務所)
張?康(ヂャン・ジェンカン) (陝西)
張建国(ヂャン・ジェングォ) (北京東方恒信法律事務所)

連絡先メールアドレス:tibetlawyer@gmail.com

志願者は弁護士事務所名と連絡方法を明記してください。

2008年4月2日
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   この支援に対しチベット亡命政府内閣は本日発表した新聞声明の中で、中国人弁護士各位のチベット人への法律的支援におおいなる喜びと励ましを感じ心から感謝したい、と謝意を表した。


  

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四川省甘孜チベット族自治州でチベット人8人射殺

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月 5日付)より

BBC4月5日付:
   新華社は、四川省甘孜チベット族自治州で4月3日夜に暴動が発生し、チベット人が政府庁舎を攻撃、漢族役人1名が重症を負ったことを伝えた。
   政府の役人によると、役人側は騒乱の間十自制し続け幾度も法を守るよう暴徒に求めたが、暴力を食い止めるために警察はやむを得ず警告発砲したという。

   ロンドンに本部を置く“フリーチベット運動”のメンバーによれば、女性3名、僧侶1名を含む8名の抗議者が射殺されたという情報を入手。インドの亡命チベット人によると、騒乱の発端はダライ・ラマの写真を所有していた僧侶2名が当局に逮捕されたことにあるという。
   同組織のスポークスマンは、350名を超える僧侶が当局に2人の釈放を要求、さらに400人がデモの行列に加わったこと。また警官が発砲したのは群集が解散し始めたときだったと述べた。

   3月中旬ラサで騒乱が勃発して以来、中国当局は事件をダライ・ラマによるものと非難しているが、本人はそれを否定している。
   海外メディアはチベット地域での自由な取材ができず、事実確認は非常に困難となっている。


  

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ダライ・ラマ:チベットの同胞たちへ

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月 6日付)より

   4月6日、チベット亡命政府大乗法苑で大祈祷法会が行われ、ダライ・ラマ、カルマパ17世、亡命政府各大臣、公務員、ダラムサラの僧侶、民衆数千人が参加した。
   午前9時、ダライ・ラマは宮殿から大乗法苑に赴き祈祷法会に参加、一時間後に法会が終了すると、法苑の大経堂から内外のチベット人に向けて以下のメッセージ《チベットの同胞へ》を発表した。
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ダライ・ラマ十四世からチベットの同胞たちへ

   はじめに、チベット全地域の全ての同胞たちに心からの挨拶を送ります!そしていくつかの問題について、わたしの考えをお話ししたいと思います。

   一、チベット人は長きに渡って現実の中で民族の不平等を味わい、信教の自由はなく、"共産党こそチベット人の活仏"といった歪曲された軽蔑的な言論やなんら憚ることもないペテンに常にさらされ、大漢族主義に基づく思想と行為に侵害されることに強い不満を表してきました。
   今年3月10日、全チベット(アムド、ウ・ツァン。カム)、ひいては中国の各大都市で学ぶチベット人学生たちが、これ以上我慢できないという状況下でついに平和的方法で自分たちの訴えと不満を表しました。ところが中国政府はこれに対し武力鎮圧することで、多くの死傷者をだしただけでなく、さらに多くのチベット人が逮捕され拷問や殴打に遭うという不幸な事件を引き起こしました。良識や同情心ある人なら誰しもが心痛め涙するようなこうしたことを前にして、わたしは非常な焦りと心配とどうしようもない気持でいっぱいです。

   二、今回の事件で亡くなった全てのチベット人とチベット人以外の人々のために、わたしは常に三宝に祈りを捧げています。

   三、このところ発生しているチベットの事件は、中華人民共和国政府の"極めて少数の反動派を除き、ほとんどのチベット人は現状に満足し、幸福な生活を享受している"という虚偽の宣伝を暴き、全チベットの人々の望みと意思が一致していることを表しています。同時に、チベット問題が無視できないものであり、漢族とチベット族双方に益となることを基本に、実際に即して解決の方向を探っていかなければならないことを全世界に証明しました。
   チベット人は民族の利益を守るために心からの訴えを表し、かくしてその何ものも恐れない精神と犠牲を厭わない勇気と決断はすでに国際社会の賞賛と共感を勝ち取っています。

   四、今回の事件で、チベット人共産党員や幹部の多くが自分たちの民族から離れることなく、できうる限り公正を保とうとしていることに感心させられます。将来すべてのチベット人共産党員と幹部がただ自分のことだけ、或いは目先の利益だけを考えるのではなく、チベットの環境と文化的伝統を守るために、責任をもって真実を上に報告し、人々に対しては正確公正な指導を行うことを望んでいます。

   五、目下、世界の多くの国の大統領、首相、外務大臣、ノーベル平和賞受賞者、議会議員及び関係各位の方々が、中国政府のチベット人に対する残虐な鎮圧を阻止しようと、中国の指導者にはっきりと強い関心を寄せている立場を表明し、さらに中国政府にできるだけ早く双方ともに受け入れられる和解を実現するよう促しています。それゆえ、わたしたちはその努力が積極的な成果を得られるようチャンスをつくらなければなりません。あなたがたがいまだに怒りのただ中にあることはわたしもわかっています、しかしいかなる時にあっても平和と非暴力の路線に従うことは極めて大切なことなのです。

   六、中華人民共和国は未だに事実を歪曲し、わたしと亡命政府が今回の抗議事件を画策扇動したと非難しています。これに対してわたしは、公に信頼性の高い独立調査組織をつくり、事件について徹底的に調査するようすでに幾度も呼びかけてきました。事実がはっきりし、真相が明らかにされることを望んでいます。もし中華人民共和国がその訴えについてなんらかの根拠、証拠があるというのであれば、国際社会に発表すべきです。そうでないなら、屁理屈をこねて自ら醜態をさらすだけです。

   七.、ご承知のように、チベット民族の将来についてわたしはすでに中華人民共和国の枠の中で解決を求める決意をしています。1974年以来、わたしは終始相互互恵に基づく中道路線の立場を貫いてきました。中道路線とは即ち、全てのチベット人が一つの行政管理のもとで実質的な民族区域自治を実行するということです。それによって自らが主人公となって政治に参与し自分たちのことを自ら管理することが真に実現します。外交と国防を除いて、チベット族の指導者や幹部にチベットのことを管理する責任を担ってもらいます。もとより、はじめからすでにはっきりと申し上げていることですが、チベット問題の最終決定権は国内のチベット人の手中にあります。

   八、今年北京で開催されるオリンピックは、十二億の中国の人々が待ち望んでいるもの、それゆえわたしは最初から支援する立場をとっています。チベット人がオリンピックの邪魔をすることをよいこととは思いません。平和と非暴力を以ってチベット民族の合法的な権益と自由を求めることはチベット人ひとりひとりの責任であるとはいえ、そのために漢民族の行事を傷つけるとすれば、双方にとって何のメリットもありません。真の調和のとれた社会は、互いの心の中に信頼と好感を培うことを必要とし、鎮圧によっては調和は生まれないのです。

   九、わたしたちの闘いの相手は、中華人民共和国のごく少数の政治支配グループであり、漢民族ではないのです。それゆえいかなる時であっても、けっして漢民族の感情を害する活動をしてはいけません。今回の事件で、多くの漢族知識層、作家や弁護士の方々がチベット人に同情し支援する言論、文章を発表し、また法律的援助を提供したいと申し出てくださり、わたしたちはそのすべてに深く心を動かされました。
   去る3月28日、わたしは世界中の漢族同胞に充てたメッセージを発表しましたが、この点をみなさんにも理解していただきたいと思います。

   十、もし現在の状況がこのまま続くなら、中国政府は間違いなくわたしたちへの鎮圧を強化するでしょう、わたしはそれがとても心配です。わたしにはそうした状況になるのを避ける責任があります。そこで中華人民共和国の関係部門にチベット人への鎮圧を止め、軍隊と武装警察を撤退させるよう幾度も要求しました。それが実現すれば、全チベットの人々も抵抗運動を止めるべきです。

   十一、また、自由世界に暮らすチベット人に呼びかけます。チベットの状況を説明する時、暴力を連想させたり暴力と解釈される一切の行為を放棄しなければなりません。極端な憤りや気落ちしている時、わたしたちはとくに内なる信仰の価値観をしっかり心に刻まなければなりません。わたしは、平和と非暴力の道を辿ることが、わたしたちの望みの実現につながることを堅く信じています。それゆえに特別な支援と同情を得られるのだということをわたしたちははっきり知らなければなりません。

   十二、チベット内地の交通がすでに切断されているために、国際メディアも入ることができません。そこで、より多くのチベット人にわたしのこのメッセージを知ってもらうために、各種メディア、ないしは口コミによって広めることに望みをかけるほかありません。

   十三、最後に、いま一度呼びかけます、どのような挑発、憤りを覚える場面に直面しようとも、断固として平和と非暴力の精神を実践し続けなければなりません。

釈尊の弟子 十四世ダライ・ラマ テンジン・ギャムツォ
西暦2008年4月6日


  

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ラサ事件容疑者の裁判まもなく開始

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月 8日付)より

VOA4月8日:
   中国政府筋メディアは、3月14日のラサ事件で公訴されている最初の容疑者グループの裁判がまもなく始まることを伝えた。また四川省チベット地域で再び衝突が発生した。

   中国新聞社によると、裁判を受ける最初のグループは、4件の放火殺人で起訴されている主な容疑者。注目すべきはその中に女性がかなり含まれていることで、“法の厳しい裁きを受けることになる”と報じられた。
   報道によると、3月末現在、チベット公安機関が捉えた容疑者は414人で、289人が自首している。ラサの検察当局は37人に逮捕状を出し、17人を公訴した。

   3月10日に始まった平和デモは3月14日に暴力事件に変わった。当局は厳しい鎮圧を行ったが、暴力衝突は瞬く間に甘粛、四川、青海省のチベット人居住区にひろまり、最近では4月3日晩に起こっている。

   AP通信はロンドンにあるフリー・チベット運動の情報を引用、四川省甘孜チベット族自治州で4月3日、再び衝突事件が勃発し、8人が死亡したことを報じた。
   報道によると数百名の僧侶と一般民衆が地方政府の事務室に押しかけ、ダライ・ラマの写真を持っていたために拘禁された僧侶2名の釈放を求めた。このデモ中に警官が発砲したという。

   新華社は、現地役人は自制を保ち一人が負傷したため、やむを得ず警告発砲したと伝えたが、抗議側の死傷者数には触れず、騒乱の原因も説明しなかった。同時に、党中央組織部は、チベット自治区及び他のチベット地域の末端党員内で反分裂教育を行うよう求め、幹部の反“ダライ・グループ”闘争における表現を彼らの昇進に結びつける通知を出した。自治区関係者はさらに、ラサの抗議行動において党に忠実でなかった党員幹部を厳しく罰すると述べた。

   北京当局はダライ・ラマがこのところの暴力事件画策に参与していると非難しているが、本人は一再ならず否定している。


  

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甘南州で僧侶170名拘留

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月10日付)より

   フランス国際放送は4月10日付で、先月ラサで発生した暴動が四川省、甘粛省のチベット地区に広がっていることを報じた。
   中央社によると、甘粛省甘南チベット族自治州の毛生武(マオ・シャンンウ)州長代理は4月9日、同州で8日現在、略奪放火事件に関与した2,204名がすでに自首し、そのうち519人が僧侶であると述べた。
   新華社によると、4月8日現在、甘南州ですでに432人をすでに拘留し、うち170人が僧侶、逮捕者8人に中には僧侶はいない、自首した者2,200余名のうち、罪が軽く態度のよい者1,570名が釈放され、そのうち413人が僧侶とのこと。目下一部容疑者を法に照らして審理中。


  

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チベット亡命政府、チベット人死者156名と発表

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月11日付)より

Voice of Tibetノルウェー4月10日付:
   チベット亡命政府及び議会緊急調整グループによると、現在までで156名のチベット人が平和的なデモ活動で命を落とし、数千人が拘禁されるかもしくは負傷している。中国当局はいまだにチベット各地で捜査、逮捕に力を入れており、7日夜には、ラサのラモチェ(小昭寺)で30数名を残して70名以上の僧侶が捕らえられ、その消息は目下不明となっている。

   情報によると、7日夜、甘南州マチュ(瑪曲)県のオラ・ゴンパの僧侶30名、同郷土美村のチベット人10名が逮捕され、オラ村だけで110名のチベット人が逮捕されたという。

   チベット内地の信頼できる情報によると、中国公安は4月9日、アムド海南州マンラ(貴南)県の塔秀寺、加寺、李合吉寺から僧侶40数名を逮捕し、また、同地の公安部門は、ルツァン・ゴンパの関係指導者に対し、先月10日の抗議デモに参与した僧侶126名の名簿を直ちに政府に提供するよう求めた。

   中国在住のチベット人の話では、中国当局は9日、ラプラン寺の僧侶5名を逮捕したが、その後釈放している。現在、サンチュ(夏河)県中心部とラプラン寺は至る所兵士と警官によって隙間なく監視されており、寺の出入りは禁じられている。

   ダラムサラのチベット人権・民主化センターによると、4月1日、ラプラン寺内で僧侶8名が逮捕された。うち名前がわかっている7名は、ゲル・ジグメ(30歳)、ダカ(30歳)、サムギャル(30歳)、ゲドゥン・ギャツオ(30歳)、ジグメ(40歳)、サムテン(32歳)、ユンデン(34歳)。
   30歳になる僧侶ダカは釈放されたが、監獄で酷く殴られ、精神に異常をきたしている。
   新華社は、西北部反政府暴動に関わった僧侶519名を含む2千余名が逮捕されたが、大部分はすでに釈放された、と報じた。

   チベット自治区のシャンパ・プンツォ主席によると、ラサでは現在、騒乱事件に関わる容疑で計953名が拘留されている。うち362人は自首してきた者で、すでに328人が釈放されており、別に403人が検察局から逮捕状が出された、チベット当局は“略奪破壊放火”容疑で93名のチベット人を指名手配しており、13名がすでに捕まり、9名が自首しているとのこと。さらに記者の質問に答えて、当局はチベットの一部寺院を監視し、僧侶の自由な出入りを禁じていることを認めたが、僧侶に対して労働教育を行っていることは否認した。

   チベット亡命政府及び緊急調整グループは以下の新聞声明を発表している:
   チベット人は生命の危険を冒して中国当局の銃口下で引き続き様々な平和的抗議を行っている、これがチベットの実情であるにもかかわらず、中国政府は逆に、チベット情勢はすでに収まっており、聖火リレーがチョモランマを通過するのはチベット人が待ちに待った祭典で、誇りでもあると対外宣伝している。もし中国政府がチベットで発生している平和的な抗議行動を鎮圧し続け、撃ち殺され傷つき、拘禁されたチベット人の感情を無視し、独断専行でチベットに聖火を通過させるなら、チベット亡命政府はこれをチベット人に対する侮蔑とみなし、聖火のチベット通過計画を取り消すことを慎重に考慮するようIOCに強く要求する。
   シャンパ・プンツォのようなチベット高官が、もし真心から党と国家を愛し、自らの民族を熱愛するなら、チベットの真の状況、チベット人の心からの願いを上層部に報告すべきである。民族幹部の一人として、事実を隠し周囲を欺くのは、歴史に対して無責任なやり方である。
   チベット内における厳しい現状に基づき、チベット亡命政府は、国連と国際団体に、直ちにチベットに国際真相調査組織を派遣してくれるよう呼びかける。国際メディアにはチベットに立ち入ってもらい、即刻、虐殺と拷問、虐待など非人道的行為を止めさせ、捕らわれている全てのチベット人を釈放し、負傷者に必要な医療を提供し、包囲を解き、必要な食料と飲料水を与えてくれるようお願いする。


  

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中国、国連人権委員のチベット訪問要求を拒絶

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月11日付)より

自由アジア放送ジュネーブ:
   中国は、国連人権高等弁務官の今月チベットを訪問したいという要求を拒絶した。国連人権専門家6名は声明を発表し、チベットへの立ち入り調査を求めている。

   アルベール国連人権高等弁務官のスポークスマンによると、アルベール氏は3月27日、チベット情勢を探るため4月中に同地を訪問したいとの希望を出したが、中国政府はこれに対し4月10日、現在チベット訪問を手配することは難しいと回答してきた。同日、6名の国連人権調査員が共同声明を発表し、3月下旬に警官が四川省アバ県の寺院に押し入り、未成年の子どもを含む少なくとも570名の僧侶を連れ去ったことについて、国連視察員に制限無しの自由なチベット立ち入り調査を認めるよう中国政府に要求した。

   ロイター社によると、国連調査員は命を受け、全世界で人権侵害の告発、表現と宗教の自由に対する締め付けに関して調査することができる。調査結果は国連人権委員会に報告されるが、中国は47名からなるこの委員会のメンバー国の一つである。6名の国連人権調査員は、中国は各国外交官を含むチベット調査団を組織したが、それを国連人権専門家のチベット立ち入り調査の承認にとって替えることはできない、と述べた。


  

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チベット人の法的支援を申し出た弁護士に当局が圧力

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月11日付)より

自由アジア放送4月10日付:
   Voice of Tibetノルウェーは10日、中国政府がチベット各地で展開しているチベット人の抗議行動に対する鎮圧で、160名近いチベット人が死亡、数千人が負傷していることを伝えた。四川省甘孜(カンゼ)の一チベット人によると、政府はさらに鎮圧を強化し、先頃発生した段発的な騒乱も10分以内で鎮め、さらに、逮捕されたチベット人の法律的援助を申し出た弁護士にも脅しをかけている。

   チベット亡命政府緊急調整グループの最新談話によると、現在までで156名のチベット人が平和的なデモ活動で命を落とし、数千人が拘禁されるかもしくは負傷している。中国当局はいまだにチベット各地で捜査、逮捕に力を入れており、7日夜には、ラサのラモチェ(小昭寺)で30数名を残して70名以上の僧侶が捕らえられ、その消息は目下不明となっている。

   情報によると、7日夜、甘南州マチュ(瑪曲)県のオラ・ゴンパの僧侶30名、同郷土美村のチベット人10名が逮捕され、オラ村だけで110名のチベット人が逮捕されたという。

   また、亡命政府はチベット内地の信頼できる情報を引用し、公安が4月9日、アムド海南州マンラ(貴南)県の塔秀寺、加寺、李合吉寺から僧侶40数名を逮捕した、と伝えた。

   一方、アメリカのシアトルへ向かう途中の10日朝、日本に立寄ったダライ・ラマは、午後の記者会見で非暴力の理念を強調、中国政府にチベット人が内心の不満を表現することを認めるよう呼びかけた。また、国際的な独立機関がチベットへ赴き真相調査することを期待したが、中国側から拒絶された。

   ダライ・ラマが幾度も呼びかけている国際的な独立機関による騒乱事件の調査について、中国外務省の姜瑜(ジャン・ユィ)報道官は10日、これに反駁して、「ヨーロッパ、アメリカなど多くの都市で違法な暴動が発生したとき、これらの国々は如何に処置してきたか?他の国々は如何に反応したか?どうして中国政府に対して異なった態度をとるのか?」と反駁した。

   中国は外国の機関がやって来てラサ騒乱の真相を調査するのを望まないばかりか、自国の弁護士が逮捕されたチベット人に法的支援するのも歓迎しない。
   大陸の18名の弁護士が先頃、先月の騒乱で逮捕されたチベット人のために無報酬で法的援助をしたいという声明を発表したが、すでにそのうちの数名が当局から「チベット事件に介入するな」との警告を受け、少なくとも3名の弁護士が手を引かざるを得なかった。チベット亡命政府はこの件について、チベット人が有するはずの司法保護権を剥奪している、と強い抗議を示し中国当局を非難した。

   本部をニューヨークに置く“中国人権”は声明の中で、中国当局がチベット人に法的援助を申し出た弁護士を威嚇したことについて重大な関心を示し、こうした威嚇は政治を以って独立した法律活動に干渉することであり、中国の法治社会をうち立てるという目標をぶち壊すことだ、と非難している。


  

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ダライ・ラマ代表、水面下で中国側と会談

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月15日付)より

VOA4月14日付
   目下アメリカで民間活動に参加しているダライ・ラマは、彼の代表が現在中国側関係者と私的会談を行っていると述べ、さらに、チベットで暴力が暴走するなら、自分は亡命政府指導者の職を辞するだろうと述べた。

   アメリカ西北部の都市シアトルでシンポジウムに出席しているダライ・ラマは、13日の記者会見において、自分の代表が私的ルートを通して中国側関係者とすでに数日話合いを続けているが、自分自身は直接その中に加わっていないことを明らかにした。また、いかなる問題について話合いが行われているのかは語らず、どのような結果を生んだかもいまのところはっきりしていないと述べるにとどまった。

   3月14日のラサ暴動以来、鎮圧を続ける中国に対し、アメリカはじめ世界各国の首脳が、北京政府とダライ・ラマ代表との対話を促している。ライス国務長官は数日前、「中国がチベットの指導者にいっそうの開放的態度をとるなら、中国もそれによって利益を得る」と述べている。

   これに対し中国側は、チベット問題を自国で処理すべき問題であるとし、胡錦涛国家主席は12日、「中国とダライ・ラマの追随者との衝突は、民族問題でも宗教問題でもさらには人権問題でもなく、国家の統一を守るか祖国の分裂を招くかという問題である」と述べた。中国政府は、ダライ・ラマがチベット及びチベット人居住区の暴乱を画策している黒幕だと言っているが、いまのところ。ダライ・ラマ或いはその代表と会談することを公に拒絶してはおらず、「ダライ・ラマとの対話の門は開かれているが、その前提として彼がチベットの独立を求めないことだ」と言う。
   この数年、中国当局はダライ・ラマの特使と数回会談を行っているが、実質的な進展は得られていない。

   ダライ・ラマは長期にわたって、自分が求めているのはチベットの自治であり、文化、言語、伝統が守られていくことだと堅持してきた。13日のシアトルでの記者会見では、「チベットで暴力が暴走するなら、自分は亡命政府指導者の職を辞するだろう」と重ねて言明した。
   シアトルで《憐れみの心を養う》というテーマで五日間の大会に出席し、社会学者、科学者、その他の宗教指導者たちとともに、若者の成長初期段階でその心に憐れみの心を養う重要性を検討した。
   ダライ・ラマは11日、シアトルでワシントン大学が主宰したシンポジウム出席したが、その間中、中国からきた一部の留学生が学校側に今回のシンポジウムを政治活動の場としないよう、またダライ・ラマがキャンパス内で反中国ブームを巻き起こさないよう抗議した。
   大会の実行委員は、この集まりは非政治的活動であり、ダライ・ラマは三日間各シンポジウムの席上で直接チベットで起こっている暴乱とそれに対する中国当局の鎮圧について直接触れていないと述べた。ダライ・ラマはシンポジウムにおいて、「互いに尊重と対話を通して敵は友となることができ、憐れみの心は世界を変えることができる」と語った。


  

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デプン寺で 反“愛国教育キャンペーン”の僧侶数名拘束

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月16日付)より

   チベット人権・民主化センターが信頼できる情報として伝えたところによると、4月12日頃、当局の活動グループが“愛国教育キャンペーン”と“反ダライ・グループ” 宣伝活動のため寺院に入るのに反対したデプン寺の僧侶数名が警察に拘束された。

   新華社4月13日付によると、12日頃、“愛国教育キャンペーン”の一環として、チベット自治区政府がデプン寺に“法制宣伝教育グループ”を派遣駐留させた。
   信頼できる情報によれば、この“法制宣伝教育グループ”が愛国主義教育と反ダライ・グループについての宣伝活動を行おうとすると僧侶全員の反対に遭ったため、多くの軍と警官を動員してこれを抑え、僧侶数名がその場で拘束され、“愛国主義教育”に対する執行妨害と抗議を理由に連行された。事件の詳細、地点などはわからない。

   チベットの多くの寺院では、“愛国主義教育”キャンペーンがすでに改めて行われており、通常の政治教育のほか、ダライ・ラマを非難し、現在行われている抗議行動に反対することを要求される。最近の抗議行動が主に僧侶を中心に行われているため、“法制宣伝教育グループ”の主要目的は、政治活動に加わった場合の罰則規定などを寺院側に知らしめることにある。

   新華社は工作グループのデプン寺駐留は報じたものの、抗議と僧侶拘束については隠した。
   余分に配された武装警官部隊はデプン寺に通じるすべての道路を閉鎖し、寺院に駐留した警官は僧侶たちの行動の自由を厳しく制限し、信徒を含む外部訪問者が寺院に入るのを禁じている。

   チベット人権・民主化センターは、これら基本的人権を行使して拘禁されたチベット人を釈放するよう中華人民共和国政府に呼びかけ、チベットの寺院で行われている“愛国主義教育”キャンペーンを即刻止めるよう呼びかけている。


  

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チベット人有名女性歌手も拘束される

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月16日付)より

   チベット内地からの情報によると、チベット人有名女性歌手ジャムヤン・キ(嘉羊吉)が当局に連れ去られたまま行方不明になっている。

   3月10日以来チベット各地で平和的抗議活動が頻発し、当局は武力鎮圧を開始、数多くの無実のチベット人を逮捕し、チベット芸能界の有名人にもその影響が及んでいる。先頃アムドでは数名の有名芸能人が呼び出され、逮捕されたり拘禁されたりしている。

   4月初め、青海省テレビ局で働いているチベット人の有名女性歌手ジャムヤン・キ(嘉羊吉)は、公安局に呼び出されたまま消息不明になってしまった。情報によると、最初あるホテルに軟禁され、その後消息が途絶えたという。彼女の失踪後、その自宅は現地公安の家宅捜索を受けた。

   ジャムヤン・キ(嘉羊吉)はアメリカに招待された始めてのチベット人女性歌手でもある。


  

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5月1日から再開予定のチベット観光許可取消しに

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月18日付)より

中央社北京4月17日付:
   依然として緊張状態にあるチベット情勢を前に、チベット観光局関係者は、中国政府が5月1日からの観光客受入れ再開の予定をすでに放棄したことを明らかにした。

   AFP通信による国内外観光客受入れ再開日程が遅れるかどうかという電話インタビューに答えて、政府観光局ラサ分室の匿名希望関係役人は、未だ時期尚早として延期され、再開日程は未定であることを明らかにした。

   International Campaign for Tibetは先週、信頼できる情報から、チベット動乱が未だ続いているため観光客受入れ再開が取消されたこと、8月8日から24日にかけて行われる北京オリンピック終了までに対外開放されることはないだろう、と述べた。


  

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中国の十数都市でオリンピック支援のデモ

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月22日付)より

VOA4月21日付:
   4月19日と20日の両日、中国の十数都市で“フランス製品ボイコット、チベット独立反対、オリンピック支援”の抗議デモが行われ、当局は更なる厳しい取り締まりに乗り出し、デモ参加者をできるだけ早く無事退散させた。

   19日に北京、上海、深セン、広州、武漢、合肥、西安、青島、昆明で“フランス製品ボイコット、オリンピック支援、チベット独立反対”のデモが発生した後、翌日の日曜日にハルピン、瀋陽、大連、済南、海口、重慶など大都市で同じようなデモが再び行われた。

   土曜日のデモ活動は、中国、香港、海外メディアに広く報じられ、とくに香港ケーブルTVは豊富な画像と内容を伝えたが、日曜日のデモについてはニュース番組でなにも報じられなかった。


  

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アバ州のキルティ・ゴンパで僧侶自殺

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月23日付)より

Voice of Tibetノルウェー4月22日付:
   ダラムサラのキルティ・ゴンパが発表した新聞声明によると、アムド(四川省アバ州)アバ県にあるキルティ・ゴンパの僧侶トゥソンが中国当局による長期にわたる包囲と嫌がらせに耐え切れず4月16日晩に自殺、享年29歳だった。
   一方、当局は17日、アバ州ゾルゲ県のタクツァン・ラモ・キルティ・ゴンパ、セルティ・ゴンパ及び多却(ドゥオチェ)村から僧侶クンチョク・タルク、クンチョク・レテン、タイ、プガン・タルギェ、村人プンツォク(20歳)、アト(19歳)、プンツォク(19歳)、カンド・ツェリン(14歳)を逮捕した。

   タクツァン・ラモ・キルティ・ゴンパの僧侶と民衆は3月15日、政府に対する大規模な抗議行動を起こしたが、その後千人規模の軍・警官による武力鎮圧で数十人が射殺され、逮捕者は100名に上った。当局の鎮圧と脅しに耐えかねた190名の僧侶は、4月19日密かに寺を離れ山野に避難した。現在、アバ州全域は当局の厳しい監視下に置かれている。

   チベット内地からの信頼できる情報によると、カム(四川省甘孜州)タウ(道孚)県の農民たちは、デモ参加のチベット人を射殺した当局に対する抗議と犠牲になったチベット人への追悼、チベット各地のデモ活動を支援するために農作物の栽培を拒絶することにした。現地の関係役人は、栽培すれば政府の高額資金援助が得られると農民たちを説得したが、彼らはは政府が鎮圧を止めない限り栽培はしないと口々に言ったという。

   チベット亡命政府緊急調整グループは17日、中国当局がルンドゥプ(林周)県のナーランダ・ゴンパで僧侶8名を強行逮捕したことを指摘した。また、大量の軍隊が先日、アムド甘南州ルチュ県のシーツァン・ゴンパで僧侶32名を拘束。これまでに当局は、甘南州チョネ(卓尼)県多科(ドゥオカ)郷のタシ・チュコル・ゴンパで僧侶203名を逮捕している。

   チベット全域において目下繰り広げられている当局のこうした捕縛活動によって、チベット各地の監獄が溢れたため、捕らわれたチベット人は中国内地の各省や市の監獄に移送されている。

   一方、18日にルンドゥプ(林周)県にあるタロン・ゴンパの一部の僧侶がダムシュン(当雄)県で平和的な抗議行動を起こした。

   チベット内地の信頼できる情報によると、アムド(青海省黄南州)のレコン(同仁)で当局が平和的請願を行った430名の僧侶や民衆を強行逮捕に及ぶ前に、双方の間に入って調停したカソ・リンポチェともう一人のリンポチェに対して殴った挙句逮捕したことに民衆は大いに悲憤した。レコン地区で最も声望の高いシャリツァン・リンポチェは黄南州政府に対し全ての官職を辞し、政府との調整に協力しないことを表明。当局はカソ・リンポチェと一部の僧侶、民衆を釈放した。カソ・リンポチェは現在、青海省の病院で治療を受けている。ロンウォ・ゴンパはいまなお当局の監視下におかれ勤行も停止、多くの職場では、漢族とチベット族の関係も悪化、互いに罵りあうこともしばしば。また、当局は河南から派遣された黒い軍服の特殊部隊をレコン地区の守備に充て、一層厳しい監視と鎮圧措置を採っている。


  

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甘孜における愛国主義教育

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月23日付)より

自由アジア放送4月22日付:
   当局の僧侶たちに対する‘愛国主義教育’として、カム(四川省甘孜州)ダルツェンド(康定)県では、中国国旗を無理やり持たせて集合写真を撮るという方法がとられたが、多数の拒絶に遭った。また別の報道は、4月中旬、カンゼ(甘孜)で屈辱に耐えかねた僧侶が抗議の自殺をしたことを伝えた。

   このところ当局がチベット各地で行っている‘愛国主義教育’のやり方は、寺院の屋上に中国国旗を掲げさせるほか、その国旗の下で僧侶たちにダライ・ラマと袂を分つことを宣誓させ、さらには各僧侶に五星紅旗を持たせて集合写真を撮ることを要求するなど多種多様だが、多くの僧侶はこれに非協力的態度を採っている。

   チベット亡命政府緊急調整グループのメンバーの一人ケルサンが22日、明らかにしたところによると、20日、カンゼ(甘孜)のリタン・ゴンパでは、僧侶一人一人に当局が中国国旗を持たせ写真を撮らせようとしたが、大部分の僧侶はこれに応じなかった。また、あるところでは最近チベットで発生した事件をダライ・グループによるものとし、今後彼らとは一線を画することを国旗の下で誓わせようとしたという。

   現在、チベットは種まきの時期に入っており、当局の厳しい監視下でほとんどの僧侶は寺から出られないため、彼らを耕作に動員してその注意力を移そうとしている。ケルサンによれば、ダルツェンド(康定)の多くの地区はちょうど耕作期を迎え、タウ(道孚)やダンゴ(炉霍)、カンゼ(甘孜)当局は寺院の全僧侶を捕らえており、拒絶する彼らを耕作に動員し、協力者には一人400元の報奨金を約束しているという。

   Voice of Tibetノルウェーがチベット内地の情報として伝えたところによると、甘孜州のタウ(道孚)やグルカなどでチベット人の農民たちが、デモ参加のチベット人を射殺した当局に対する抗議と犠牲になったチベット人への追悼、チベット各地のデモ活動を支援するために農作物の栽培を拒絶、現地の関係役人は、栽培すれば政府の高額資金援助が得られると農民たちを説得したが、彼らは政府が鎮圧を止めない限り栽培はしないと口々に言ったという。

   一方、チベット亡命政府によると、カンゼ(甘孜)リタン県ではこのところ部隊の移動が見られ、ダルツェンド(康定)に駐留していた1万人規模の武装警官の半数が雲南省の香格里拉堺内に移された。聖火がその地点を通過することと関係あるものと思われる。

   中国政府の発表では、オリンピック聖火は来る6月9日、雲南省の香格里拉を経て、19日から21日にチベットにもたらされる。この他、もう一つ別に用意された聖火がチョモランマに登る日程が5月19日から23日の間で、好天であれば、5月中旬のいずれかの日にチョモランマに登頂することになる。


   聖火がチョモランマ登頂している間、中国国内でも聖火リレーが行われます。但し聖火の登頂当日、国内リレーは一旦停止されるとのこと。チョモランマ登頂の最適シーズンは5月で、チョモランマに登頂した聖火の火種はラサに到着後保管され、2008年6月20日にラサに到着するメインの火種と合流するそうです。

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ダライ・ラマ、再度チベット情勢緩和協力を提案

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月25日付)より

Voice of Tibetノルウェー4月24日付:
   ダライ・ラマはアメリカのコルゲート大学で全学生に慈悲心を養うことに努めなければならないと講演し、チベット情勢安定化に協力するためダライ・ラマ特使の現地入りを許可するよう中国政府に呼びかけた。

   チベット亡命政府のタシ・ワンチュク駐米代表によると、ダライ・ラマは23日、コルゲート大学科学研究センターを参観、研究者と‘天体と宇宙形成’に関する問題を語り合った後、教授や学生を前に慈悲について講演し、全学生にこの世界に対する普遍的な責任意識を持つよう、また現代科学の知識を学ぶとともに慈悲心を養うことに努めるよう説いた。その後、‘星島日報’(シンガポール)、‘世界日報’(北米:台湾聯合報系)など中国語メディアからのインタビューに答えて、北京オリンピックを支援していることを重ねて言明、聖火リレーに対するデモ活動に遺憾を表明した。

   一方、ダライ・ラマ特使ギャリ・ロディ・ギャルツェンは23日、チベット情勢に深く心を砕いているダライ・ラマが情勢緩和のため現地に代表を派遣することを提案、チベット人に説明したが、中国側からはまだ返事がないことを明らかにした。ギャリ・ロディ・ギャルツェン特使によると、北京側から返事はあったものの、ダライ・ラマの求めには答えておらず、実質的な内容はなかったという。

   ダライ・ラマはシアトルにおいて、今回の動乱発生後間もない3月19日、胡錦涛国家主席充てに、代表をチベットに派遣し情勢緩和にあたらせる旨の書簡を送ったが、北京当局はこれに返答していない。

   タシ・ワンチュク駐米代表によると、ダライ・ラマは、4月24日午前にアメリカの中国語メディア8社との記者会見終了後、今回の訪米スケジュールを終え、インドに戻るとのこと。


  

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ダライ・ラマ、中国語メディアの記者に接見

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月25日付)より

自由アジア放送4月24日付:
   ニューヨークのコルゲート大学を訪れていたダライ・ラマは、自分は全力で漢人とチベット人が団結することを支援するが、真の団結とは、ただ心から承服することによってのみ可能であり、武力に脅されて成るものではないと述べた。さらに、3月中旬の騒乱発生後、彼の代表と中国政府との接触はあったものの、正式な対話ではなかったことを明らかにした。

   大学訪問後、中国メディア記者との会見の席上、ダライ・ラマは、仏教に帰依する全ての華人の兄弟姉妹に充てたアピールを発表し、現在チベット人に対して行われている残虐な鎮圧を即刻停止し、すでに逮捕拘束されている人々を釈放し、負傷者が即刻治療を受けられるように彼らの支援と中国政府に対する促しを呼びかけ、さらに、今回の事件について全面的調査を行うよう次のように呼びかけた。
   「わたしたちは国際社会と中国政府に対し、ニュースメディアがチベットにおいて政府が提供する情報に頼るだけではなく、全面的で自由な調査を行うよう呼びかける」
   「中国政府には、ほんとうにダライ・ラマが背後でチベット人の暴力行動を操っているのかどうか調査してもらいたい」
「中国中央政府は現在、調和のとれた社会の建設を唱えているが、これは必要なことだ」
「真の団結には心からの承服が必須であり、自ずと願うものであって、武力に脅されて成るものではない」

   ダライ・ラマは、自分は全面的に漢人とチベット人の団結と社会の安定を維持することを支援するが、安定は人々が心から望んだものでなければならず、恐怖から生まれる安定はあくまでも見せかけのものに過ぎないと述べ、さらに‘チベット青年会議’について話が及んだ。‘チベット青年会議’は海外に亡命した若い世代のチベット人グループで、現在チベット亡命政府内で一定の影響力をもっている。ダライ・ラマがチベットの自治を主張しているのに対し、彼らはチベットの独立を主張しており、双方の相違はすでに外部から注目されている。これについてダライ・ラマは以下のように語った。
   「彼ら(チベット青年会議メンバー)と会うと、わたしはいつもこう言っている:君たち若い世代のチベット人がチベットを熱愛するのはとても素晴らしいことだ。だが君たちの‘独立’を支援する政治的立場は非現実的だと思う、と。中国政府はわたしに青年会議メンバーを獄に繋ぐよう望んでいるが、そんなことはできない、わたしは‘民主’を堅く信じているから、彼らの口を塞ぐことはできない、彼らが自分たちの観点を表現するのは彼らの自由なのだ。彼らはいまわたしの言っていることに耳を貸さないが、それを抑えることはわたしにはできない」

   これについて、「どうすればチベットが永遠に中国の一部であることを保証できるのか?」という記者の問いかけに対して、ダライ・ラマは次のように答えた。
   「チベットが長久的に中華人民共和国の一部であることを真に保証するものは、中国政府と政府関係者がチベット人に実際に満足を感じさせられるよう努力することだ。イギリスのスコットランド人、ウェールズ人、カナダのケベック人、彼らは自分たちの生活に満足し、独立しようとは思わない」

   ダライ・ラマはさらに、チベットは物質的に立ち遅れているので、中国領土内にあり続けるなら、その経済発展に非常にメリットになると語った。
   今回の事件以来、国際社会はアメリカのブッシュ大統領も含めて、中国政府とダライ・ラマが対話を行うよう幾度も呼びかけている。ダライ・ラマによれば、双方とも接触はあったものの、対話までには至っていないという。これについては以下のように述べた。
   「わたしは中国の最高指導者に対話の呼びかけをした。3月20日に手紙を書いたがそれだけに止まった。政府関係者と、また中国人ビジネスマンとの接触もあったが、いずれもチベットにおける暴力の責任をとれとの非難で、真の意味での対話ではなく、単なる接触にとどまっている。」 

   ダライ・ラマは、けっして中国国民に反対しているのではなく、独立を勝ち取るというのでもなく、北京オリンピックを全力で支援していると言う。可能であれば、北京にオリンピックを見に行きたいとも言う。
   4月10日から始まった訪米では、シアトル、ミシガンに滞在。3千人に満たない学生数のコルゲート大学では、人生の幸福に関する講演に5千人が集った。


  

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ダライ・ラマ:世界中の華人信徒たちへ

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月25日付)より

   訪米中のダライ・ラマは4月24日、ニューヨークで10社近い国内外の中国語・英語メディアの記者たちと会見を行った。二時間にわたる記者会見では“調和”の重要性を強調し、真の団結は銃口の下には生まれない、“漢人とチベット人の大団結”こそ真の大団結であると述べた。
   また、メディアを通じて声明を発表し、中国政府がチベット人に対する武力鎮圧を止めて負傷者に治療を受けさせるよう華人信徒たちに協力を呼びかけた。

******メッセージ全文******

以前、世界中の華人の方々にメッセージを送りましたが、きょうは一人の釈迦牟尼の忠実な弟子であり出家僧として、中華人民共和国内外の宗教を信じる華人の兄弟姉妹に、とくに仏陀に帰依する人々に、人類の幸福に関わる緊急事について、また全ての教友たちに以下のメッセージをおくります。

   漢人もチベット人もみな同様に大乗の教えを行じ、同じように苦難のうちにある有情衆生に慈悲をもって母のように接し、慈悲心の基を修行しています。ですから、中国で観音と呼ばれ、チベットでチェンレシと呼ばれるお方は、いずれも両民族が共通に帰依する慈悲の本尊なのです。仏教はインドからチベットに伝えられる以前に先ず中国に伝えられました。そのため、わたしはいつも華人の同門を先輩として尊敬しています。

   みなさんの多くがすでにご存知の通り、今年の3月10日以来、ラサや多くのチベット地域で抗議デモが起こっています。これらの事件は、中国政府のチベット政策に対するチベット人の根深い不満を表すものです。亡くなったチベット人や漢人のことを思うと、わたしはとても残念でなりませんでした。そこで、すぐに中国当局とチベット人に自制するよう呼びかけました。とくにチベット人には暴力の道に走ってはならないと。
   しかし残念なことに、多くの国際的指導者やNGO、著名人、とくに多くの中国知識層の方々が中国政府に自制するよう呼びかけを行ったにも関わらず、中国当局はいまだに残虐な方法を採り続けています。

   今回の深刻な事件において、ある人は命を落とし、多くの人が負傷し、さらに多くのチベット人が逮捕され、武力鎮圧はまだ続いています。とくに古い歴史をもつ仏教知識の宝庫である寺院は主たる攻撃の対象となり、多くの寺院はすでに封鎖されています。逮捕された多くの人々は虐待の憂き目に遭っているとの情報もあります。こうした弾圧のやり方は、ほとんど政府の権限による政策の一部となっているようです。

   国際視察団、メディア或いは観光客がチベット入りを許されない状況にあって、わたしには逮捕されたチベット人の命運が気がかりでなりません。彼らの多くは鎮圧の際に負傷しており、とくに辺鄙な地区に住む人々は恐れから病院にも行けない。信頼できる情報から、多くの人が山に逃げたものの、飢えと寒さに晒され、家に残った人々もいつ逮捕されるかという恐怖に一日中怯えながら過ごしていると聞いています。

   苦しみを受け続けている人々のことを思うと悲しみで心が痛みます。これらの事件が最終的にいかなる方向に向かうのか、それを思うととても心配で不安です。わたしがこれまで長らく努力し促してきたように、弾圧によって問題解決を図り、長久的安定という目的に達することができるとは思いません。わたしは、チベット人と中国指導者との対話によって問題解決を図ることこそ建設的で最も良い道だと堅く信じています。これまで幾度となく中華人民共和国の指導者に、わたしが求めているのはチベットの独立ではなく、チベットの仏教文化、文字言語、民族の特性を末永く保ち、チベット人全体が実質的な自治を享受できることだと重ねて言明してきました。

   豊富な仏教文化は中華人民共和国の広く豊かな文化の一部であり、華人の兄弟姉妹にとっても益となるものです。そこで、みなさんにお願いしたい。中国政府が現在行っている残虐な弾圧を即刻止めるよう、すべての逮捕者を釈放するよう、負傷者に直ちに治療を施すよう、みなさんの支援と中国政府に懇請してくださるようお願いします。

衆生に平和と幸福がありますように!

十四世ダライ・ラマ 釈迦牟尼の弟子テンジン・ギャツォ

2008年4月24日


  

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チベット亡命政府、北京との対話を歓迎

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月26日付)より

VOA4月26日付:
   チベット亡命政府は、中国政府関係者が近くダライ・ラマ代表との会談を望んでいるとの報道を歓迎。先月チベットに抗議行動が発生して以来はじめての会談となる。
   亡命政府のサムドン首相は25日、チベット亡命政府が抗議行動の最中、中国と連絡をとり続けてきたことを明らかにし、正式に話合いを再開するには、チベット地域の情勢回復が必要であると語った。

   中国当局はチベット人の抗議と騒乱に対し、大規模逮捕と武装警官の増員派遣、再教育キャンペーンで対処してきた。アメリカと欧州の指導者たちは、中国がダライ・ラマ代表と会見を望む発表をしたことを歓迎している。この数週間、彼らはダライ・ラマと中国指導者との直接対話を呼びかけていた。


  

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ダライ・ラマ駐米代表に中国との対話再開を聞く

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月26日付)より

自由アジア放送4月25日付:
   新華社は4月25日、中国政府関係部門がダライ・ラマ側の度重なる対話回復の要求を考慮し、近くダライ・ラマの代表とチベット問題について話合いを行う準備をしていることを伝えた。

   ダライ・ラマの駐米代表タシ・ワンチュク氏は自由アジア放送の取材に答えて、次のように述べた。
   「中国政府がダライ・ラマ代表と会談を望んでいるという4月25日の新華社報道には、すでに注意を払っていた。ダライ・ラマは長いこと、とくに今年3月10日以来ずっと中国人民政府と連絡をとり、チベット問題解決について真正面から中国当局と協議することを望んでこられた。」
   「ダライ・ラマは3月19日にはすでに胡錦涛国家主席に特使を通じて、チベット情勢鎮静化のために代表団を派遣することを提案されたほどだった。現在、ダライ・ラマとチベット亡命政府が最も心配しているのはチベット人の命運で、このため、ダライ・ラマ特使は、一日でも早く会談しチベット問題を解決できるよう中国政府と絶えず接触を保ってきた」

   中国側との会談で、ダライ・ラマと亡命政府はいかなる期待をかけているかについては次のように答えた。
   「我々にとって第一の関心事は、捕らわれて獄中にある人々と死傷者の命運、そして今も行われている鎮圧にある。我々は外から援助を提供するつもりだ。そして、正式の対話において、双方ともにいっそう進歩的で開かれた態度と誠意をもって、チベット問題の実質的平和的解決のために条件をつくりだすことを望んでいる。」

   中国政府は数十年来、ダライ・ラマを“分裂分子”と非難してきた。しかし、このような“愛国主義教育”では、ダライ・ラマのチベット仏教徒の心における影響力を消し去ることはできない。ある学者は、ダライ・ラマとの関係を上手に処理するなら、中国の民族関係を改善しチベット問題解決の助けとなると考えている。

   アメリカ、オレゴン州ウェーリー大学の周錫娟(ヂョウ・シージエン)教授は次のように考えている:
「会談してこそ疎通でき、疎通してこそ問題解決ができる。双方とも大局を考えできるだけ具体的な問題を解決し、相互攻撃、相互非難でもつれてしまわないよう望んでいる。チベットの将来を考え、チベットの平和的発展のために、チベットの民主的利益のために考慮して欲しい」。


  

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深センの工場でチベット国旗印刷

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月27日付)より

明報(香港)紙より:
   北京オリンピックの聖火がまもなく香港に到着、内地に入るにあたり、広東省の警察は先日、国外のチベット独立派がチベット国旗―“雪山獅子旗”の印刷製造に利用している疑いのある珠江デルタ地帯の低価格工場を捜索した。警察は、ちょうど印刷し終り梱包発送を待つばかりの“雪山獅子旗”数千枚を押収、関係者多数を取り押さえ、とり調べたところ、すでに製品の一部は省外に流出しており、香港における聖火リレーの際に掲げようとしていると思われる。警察は現在省内、とくに深セン特別区に入る車輌の検査に力を入れている。
   香港保安局の報道官は、「デモ参加者が合法的に意見を表明するのであれば、香港警察は便宜をはかる。香港にはチベット国旗を掲げることを禁じる法例はない」と重ねて言明した。

   内地の警察側情報提供者によると、事件は今月20日、深セン付近の工業区にある小規模工場の工員がちょうど旗の製造にかかっていた。大部分の工員は単なる彩色旗だと思っていたが、テレビやネットでその旗に見覚えのあった工員が公安に通報、警官が現場に駆けつけて目にしたのは、チベット国旗―“雪山獅子旗”で、その場で数千枚が押収された。

   工場主は、省外で受注したものでチベット国旗とは知らなかったと語っており、工場主は現在も拘留され取調べを受けている。内地の警察は目下のところ、非合法に印刷されたこれらの“雪山獅子旗”は国外の人物が発注したもので、香港におけるオリンピック聖火リレーを妨害するためにつくられたのではないかと見ており、今回の摘発が香港の聖火リレー妨害の防止に役立つと考えている。

   深センの南頭、布吉、沙湾といった二線検問口では、内地からの旅客が辺境証(辺境管理区通行証)の代わりに身分証で深センに入ると、武装警察は特別区に入る車輌と人員に対する検査を一度緩めるのだが、今回の事件発生により、国防武装警察は再度厳重チェックを行うようになった。先日この検問所を通った香港人の話では、武装警察のチェックが念入りに行われており、荷物も開けて検査されるという。


   深セン観光案内サイト日本語版(http://www.shenzhentour.com/japan/)に、“辺境証(辺境管理区通行証)”について以下のように記述されています。
「各省市の住民が深センに来て観光をするとき、ツアー旅行する場合を除いては、県、鎮級以上の公安機関から発給した中華人民共和国辺境管理区通行証を、辺境防衛禁区特許通行証、中華人民共和国香港マカオ行き通行証、中華人民共和国香港マカオ往来通行証、中国人民解放軍軍人通行証、或いは中華人民武装警察部隊通行証を携えて初めて深センの特別区に入ることができる。辺境管理区通行証は居民身分証明書、工作証と勤務部門責任者の署名した紹介状を携えて、常住戸籍所在地の公安監理機関行って申請する」

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ダライ・ラマ、北京政府に問題点の見極めを呼びかける

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月28日付)より

AP通信(インド・ダラムサラ)4月26日付:
   ダライ・ラマは26日、中国側が彼の特使との会談に同意したことに歓迎を表明する一方、双方ともに、先月チベットの首都ラサで暴動を引き起こした様々な問題をどのように解決するか、真剣に討論する必要があると強調した。

   ダライ・ラマは、未だ会談に関する詳しい資料を受け取っていないが、対話できるのであれば良いことだ、と次のように語った。
   「我々は問題点を見極め、なんとかして話合いを通じて解決しなければならない。チベット民衆の怒りをいかに鎮めるか厳粛に討論しなければならない。単にわたしの代表たちと顔を合わせ、彼らと対話しているところを全世界に見せるだけなら、何の意味もない。」

   中国側がダライ・ラマの特使との接触に同意を発表した時、詳しい説明はなく、ただ中央政府の関係方面が、近くダライ・ラマの代表と接触し協議することを示したに過ぎない。

   ダライ・ラマは、二週間の訪米を終えダラムサラに戻ったばかりのところへこの知らせを受け取った。彼は、対話は基本的に良いことであるが、しかし“真剣に討論する”ことが必要であり、ただオリンピック前に国際感情をなだめたいというだけのものなら何の意味もない、と述べた。
   ダライ・ラマは、根本的な原因を掘り起しどのように解決するか、チベット問題を“徹底的に討論”したいと望んでいる。

   ダライ・ラマは長年にわたって、チベットの将来について話合いを行うよう中国に促す一方で、独立を求める意志のないことを明言している。にもかかわらず、中国国営メディアは26日、相変わらず彼を批判し続け、国際輿論を扇動して中国に反対していると非難している。《人民日報》は、“チベット問題”はすでに、ダライ・ラマとその支持者が撒き散らした“中国はチベット仏教を迫害している”というデマの道具となっている、と言っている。

   北京は、ダライ・ラマはチベットを中国から分離独立させようと企む“分離主義者”である、と言い続けている。ダライ・ラマはこうした非難を否認し、このところは中国を声高に批判し、“想像し難い”権利に反する行動に出ていると中国を非難しながらも、自分はただチベットの“文化と自治”を望んでいるのだと明言する。

   ダライ・ラマはかつてノーベル平和賞を受賞し、この世界において非暴力主義を掲げる最も偉大な宗教指導者とみなされている。北京オリンピックで世界中の目が中国に集中している時、彼はチベットの人々に、平和的な方法で目標に向かっていくよう促している。


  

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チベット亡命政府首相の新華社“対話”報道について声明

《西 藏 之 頁》 (2008年 4月28日付)より

   我々は、2008年4月25日、中国政府がダライ・ラマ代表との会見を希望しているという新華社報道を知った。ダライ・ラマは長いこと、とくに3月10日以降ずっと中国人民政府との接触協議を望んでこられた。ダライ・ラマはいつも中国政府と差し向かいで話し合い、チベット問題を解決することを望んでこられたのである。

   チベットが現在直面している危機下にあって、我々は中国政府と連絡をとり続けてきた。中国側がチベット各地で発生している事件に対して弾圧措置を採っていることに極めて重大な関心を示してきたが、そればかりでなく、より重要なことは危機的状況の解決について提案したことである。早くも3月19日にはダライ・ラマは胡錦涛主席に書簡を送り、自分の代表を派遣し情勢緩和に協力してもよいとまで申し出られた。ダライ・ラマとチベット人指導層にとって、最大の関心事はチベット人の命運である。このためにダライ・ラマ代表は、できるだけ早く会談を行う可能性を探ることを含め、問題解決のために引き続き中国側との接触を図るよう努めている。

   正式に話合いを再開するには、チベット地域の情勢が正常化していなければならない。このため我々は、非公式会談を行うことを含め、引き続き全方面にわたる努力をしていく。いかなる方式の会談であれ実質的な成果がなければならない、というのが我々の考えである。それゆえ中国の指導層は、ダライ・ラマに対して、新華社のように一方的に謗るのではなく、その担っている積極的な役割を認識するとともに認めるべきである。

チベット政府首相
サムドン・リンポチェ

2008年4月25日 インド、ダラムサラにて


  



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